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地方は優良中小企業の宝庫
地元へのUターン転職を考えたときに、心配になるのが「仕事がないのではないか」という不安です。
確かに大企業の分布を見ると、全国に約11,000社ある大企業のうち、100社以上の大企業を抱えているのはわずか17都道府県で、そのうち東京都で4,580社と桁違いの多さです(※)。次に多い大阪府は1,062社で、やはり大企業の拠点は東京が圧倒的であることがわかります。
しかし、中小企業に目を向けてみると、まったく異なる傾向が見えてきます。
※中小企業庁「中小企業の企業数・事業所数」
・都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者数EXCEL(平成30年12月14日更新)
中小企業は日本の企業の99.7%を占める
約11,000社の大企業に対し、中小企業は日本全国で約358万社あります。事業所あたりの規模こそ小さいものの、企業数の割合としては実に99.7%を占めており、日本経済を支える膨大な「仕事」の担い手は中小企業であるといっても過言ではありません。
中小企業の求人が目立ちにくいのは、大企業と異なりテレビCMや大手就活サイトへの露出が少ないためです。中途採用では、退職者が出たときなどに即戦力を募集するといった場合が多く、採用人数1人の求人が短期間だけ公開されることもよくあります。
また、自社の強みを生かした事業に特化したり、小規模ならではの人間関係の親密さを維持したりして、高い定着率を誇る中小企業もあります。転職活動の際は、定着率が高いかどうか(=離職率の低さ)もチェックしながら転職先を探すと、働きやすい企業に出会う可能性が高まります。
政令指定都市の中小企業は平均37,000社
郊外にアクセスしやすく、かつ中小企業が拠点を置くことが多いのが政令指定都市です。全国20の政令指定都市には中小企業が平均で37,000社あり、最も少ない相模原市でも15,000を超えています。地元のエリアに企業が少なくても、近隣の政令指定都市で求人を探せば見つかる可能性が高く、無理なく通勤できる距離で転職を検討できます。
政令指定都市…人口50万人以上の都市のうち、政令で指定された都市。一般市より行政上の権限が広く、区を設置することができる。
また、中小企業基盤整備機構によるアンケートでは、人手不足を感じている中小企業は73.7%に及び、そのうち半数以上が状況を「深刻」「かなり深刻」としています(※)。
中小企業の中途採用は需要が高い状況が続いています。
※中小企業アンケート調査報告 「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況」
地元中小企業への転職がおすすめの理由
人手不足による需要の高さ以外にも、転職をするにあたって地方の中小企業ならではのメリットもあります。
大都市、大企業での経験をアピールできる
大都市圏や大企業での就業経験がある場合、転職活動で大きなアピールポイントとなります。技術力や市場規模、製品の品質など、大企業ならではの特長は、ほかの多くの企業が知りたいと考えるノウハウです。環境が変わってもそれらの知識を応用できると採用担当者へ伝えることで、効率化や品質向上で活躍してくれるのではないかという期待感を持ってもらいやすくなります。
例えば宮城県仙台市に本社を置くアイリスオーヤマは、元パナソニック社員など大手電機メーカーの経験者(退職者)を積極的に採用しています。コロナ禍で減収を余儀なくされる企業が増える中、2020年12月期決算では前期比38%増の売上6,900億円を記録しています。経常利益も過去最高となり、地域の企業ならではの機動力と、優秀な人材を集めることの相乗効果が発揮されていることがわかります。
競争相手が少なく優位性を保てる
転職にあたって競争相手が少ないことも、地方ならではのメリットです。地域では同業の人材は互いに知り合いだというケースがあるくらい、経済規模がコンパクトです。そのため転職市場規模があまり大きくなく、確固とした経験やスキルがあれば、応募者の中でプラスの評価をもらえるチャンスが増えます。
また、地域や業種によってはすでにいる社員の年齢層が高いことがあり、経験のある若手が重宝される場合も多くあります。自身の経験値が同じでも、環境によって優位性を見いだせることがあり、地方への転職もその機会を得られる可能性があるのです。
東京一極集中は変わりつつある?
リモートワークの推奨など、働き方の情勢も昨今は大きく変化しています。新型コロナウィルスの感染症対策は長期化するものとみられ、東京一極集中の流れが強化されることは考えにくくなっています。
オフィスをなくす企業も
通信・電気大手の富士通など、2020年は有名企業がオフィス削減を発表し話題となりました。リモートワーク・在宅勤務に舵を切った企業は、通勤に時間を費やさない効率の良さに対し、一等地の高額な家賃を払い続けてまでオフィスを維持する必要性が感じられず、リモートワーク導入をきっかけにオフィス削減の流れに至ることがあります。この流れは規模が大きく身動きが取りにくい大企業よりも、中小企業やベンチャー企業で加速しつつあります。
大企業も地方移転の流れが加速
オフィス削減とともに、本社の地方移転も注目されています。人材大手パソナグループは、1200人を抱える本社機能を兵庫県淡路島に移転すると発表。以前から企業が東京23区から地方移転する場合は減税措置を受けることができましたが、コロナ禍により移転に追い風が吹き、適用が延長されたこともあって今後も本社機能を移転する企業が現れそうです。
企業ではなく個人単位でも、コロナ禍以前から移住・定住支援は数多く展開されています。条件や支援内容は自治体により異なりますが、転職・引っ越しに伴う負担を軽減できる可能性がありますので、一度転居先の移住支援施策を調べてみる価値はあるでしょう。
条件の良い求人は大都市や大企業でないと見つからない、というイメージが払拭されるときも近いかもしれません。
優良中小企業への転職なら地元の転職に強い転職エージェント
地方には、目立たないものの働きがいのある中小企業が多くあります。競争が少なく自分の実力をアピールしやすい反面、応募の総数が少ないため自分とマッチする求人と巡り会えるかどうかが転職成功のカギです。
数ある転職エージェントの中でも、ヒューレックスは地方の中小企業との信頼関係をしっかりと築いてきており、ほかには見られない好条件・好待遇の求人が豊富です。
Uターン転職を希望される人は、ぜひヒューレックスにお気軽にご相談ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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