施工管理の仕事はきついと感じる理由9選!女性特有のつらさも紹介

「施工管理の仕事に興味があるけど、きついって聞くから転職を迷っている。」「きついって言ってもどれくらいきついんだろう?」

施工管理への転職を考える人の中には、そんな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。厚生労働省の発表している建設業における雇用管理現状把握 実態調査報告書 によると、若年技能労働者が定着しない1番の理由として「作業が身体的にきつい(42.0%)」があげられています。しかし、施工管理がきついといわれる理由は、肉体的なつらさだけではありません。

他にはどんな理由があるのか、大きく次のように分けて解説していきます。

・施工管理の仕事がきついと感じる理由
・女性施工管理がきついと感じる理由
・どんなやりがいやメリットがあるのか

施工管理の転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも施工管理ってどんな仕事?

施工管理の仕事は、工期までに建物を完成させるまでの管理をすることです。具体的な管理とは、次の四大管理のことを言います。

  • 工程管理「作業日程の調整や、スケジュールを管理」
  • 原価管理「材料費、人件費や原価を計算し管理」
  • 品質管理「品質試験を行い作業ごとに品質を管理」
  • 安全管理「作業環境の安全を保ち事故を防止」

 

現場全体のスケジュール管理

現場全体のスケジュール管理は施工管理の仕事です。建設工事は様々な業者が関わり、多くの人が出入りします。各業者や作業員が円滑に作業を進められるように全体のスケジュールを組み、工期に遅れが出ないように管理します

安全・品質管理

施工管理は、工事現場の安全や、建物の品質も管理します。安全管理とは、作業員の安全を確保することです。工事現場は油断すれば命にかかわるような危険もあり、工期を終えるまで事故を起こさないように目を配ります。品質管理とは、施主の求める品質や定められた品質を確保することです。また、工程ごとの品質確認、工程ごとの写真撮影や記録を残すことも品質管理に含まれます

工事費用の管理

工事の人件費や材料費などの原価を管理することを原価管理と言います。工事が予算内に収まるように管理することはとても重要です。作業状況と合わせて管理する必要があり、工期が遅れればその分の費用も予算内に収められるよう考えます。

施工管理の仕事がきついと感じる9つの理由

きついと言われる施工管理の仕事ですが、ここではよく耳にする9つの理由についてを詳しく見ていきます。

  • 休日が少なくリフレッシュできない
  • 労働時間が長く体力的にきつい
  • ゼネコンから無茶な工期を設定される
  • 現場内での事故が起こりやすく危険
  • 取引先からの無茶振りが多い
  • 気性の荒い人が多く良好な人間関係を築きにくい
  • 労働環境の割に合わない給料
  • 朝は早く夜は遅い変則的な勤務時間
  • 自分のことで精一杯で部下の指導に手が回らない

それぞれの理由について詳しく解説します。

休日が少なくリフレッシュできない

施工管理は忙しく、休みが取りにくいのが実情です。工事はあらかじめ決められた日に完成させなければなりません。工事がうまくいっても、クライアントから工期を短縮してほしいと要望があれば、休日は少なくなります。その分手当が支給されるなど、給与が多いこともありますが、休日が少なく十分にリフレッシュできないと感じる人もいるようです

労働時間が長く体力的にきつい

施工管理は労働時間が長く、体力的にきついと感じる人も多いです。

厚生労働省の毎月勤労統計調査 令和2年分結果確報によると建設業のひと月の総労働時間は164.5時間で、調査対象の産業のなかでは労働時間が2番目に長い産業です。平均値である135.1時間よりも30.3時間も多くなっていいることからも、労働時間の長さがわかります。

引用|厚生労働省|毎月勤労統計調査 令和2年分結果確報

施工管理の仕事は、全体の工事の進捗を確認し、トラブルが起きたら工期までに終わらせるための対処をしなければなりません。また、現場と事務の仕事を両方こなす必要があるため、どうしても労働時間が長くなってしまうのです。

ゼネコンから無茶な工期を設定される

元請のゼネコンから、無茶な工期を設定されることもきついと感じる要因です。もともと短い工期に設定されているのに、更に早まることもあります。天候によっては作業ができない日もあり、施工管理は現場の日程を組みなおしたり人材を増やしたりと、工期に追われることがプレッシャーになります

現場内での事故が起こりやすく危険

工事現場は危険な作業が多く、注意をしなければ事故が起こりやすい環境です。クレーンに巻き込まれたり、高所から足をすべらせたりする可能性もあります。現場には様々な業者が行き交い、各々作業をしています。それぞれが危険管理をしっかりしていることを把握・指導する施工管理の仕事は責任重大です。

取引先からの無茶な要望

取引先からの無茶な要望や、急な対応を求められるのも施工管理の大変な部分です。例えば、図面の修正を何度も依頼されたり、明らかに人手や時間が足りない作業を依頼されたりすることは頻繁にあります。事前に綿密な打ち合わせをしてもよくある話なので、常に先を見据えて考えなければなりません。

気性の荒い人が多く良好な人間関係を築きにくい

職人や工事現場関係者の中には気性の荒い人が多く、怒号が飛び交う現場もあります。もちろん穏やかな人も居ますが、工事現場は危険が多く、職人の世界は体育会系なこともあるようです。意見がぶつかるとその場が収まらないこともあるので、普段から人間関係を築き良好に保つのに苦労します

労働環境の割に合わない給料

施工管理は拘束時間が長く、現場で何かトラブルがあればすぐに駆けつけなければなりません。滞りなく進む現場であれば問題ないのですが、天候などにも左右され、給料の割に苦労が多いと感じることもあります

朝は早く夜は遅い変則的な勤務時間

現場は朝早くから始まるため、朝から現場へ向かいます。現場の仕事が夕方から夜にひと段落し、そこから事務仕事をしなければなりません。そのため、朝7時から21時まで働き詰めの場合もあります。また、短納期で完成させなければならない場合も、時間に余裕のない変則的な勤務時間の原因となります。

自分のことで精一杯で部下の指導に手が回らない

施工管理は煩雑で仕事量が多い職業なので、部下がついても指導に手が回らないことが多いです。施工管理を目指して先輩についたものの、具体的に何かを教えてくれる時間もなく、結果、不安を抱えながら独り立ちして仕事をする場合があります。自分が部下を持つようになっても、今度は自分が現場のことで手一杯になって指導の余裕がない、など悪循環しているところもあるようです。

施工管理の仕事で女性ならではのきついこととは?

建設業界で働く人の割合は男性ばかりのイメージを持つ人は多いでしょう。しかし、最近では施工管理を仕事とする女性も増えてきています。国土交通省令和2年 建設業活動実態調査の結果によると、建設業界全体の雇用人数は177,141人(前年比1.8%増)でした。

その中でも、施工管理が含まれる仕事をしている女性は99人という結果が出ました。前年の60人と比べると、65%も増加したことになります。国土交通省が女性の定着促進に向けた建設産業行動計画を出すなど、女性の進出を後押ししていることや、働き方改革で環境が改善しつつあるため、今後も女性が施工管理をすることが増えるのではないかと予想されます。施工管理を目指す方のために、女性ならではの大変なことや辛いことをまとめたので、ぜひ参考にしてください。

女性用の更衣室やトイレが整っていない

建設業界は長い間、男性社会で成り立っていたため、女性用の更衣室やトイレが整っていないことは多いでしょう。最近では女性が増えてきたため、対応する会社や現場も増えてきてはいるようですが、全体で見ればまだまだ少数です

男性職員からのセクハラやパワハラ

建設業は男性が多いため、女性がその場にいると聞きたくもない下ネタの会話がされることもあります。「いらいらしてるけど、生理中?」「女性なんだからもうちょっと可愛げがある仕事したら?」などの発言も一見すると女性を気遣っているように聞こえますが、立派なセクハラです。セクハラ、パワハラはあってはならないことですが、実際にそのような言動をする人たちは悪意がないため、対応に困ります。

いまだに男性主体の風潮が根強く残っている

建設業界は昔から男性主体だったため、今でもその風潮が根強く残っています。古い考え方の男性などは、同じように仕事をしても「女性だから」と下に見る人もいます。そんな態度に負けずに仕事をするのには、精神的な強さが必要かもしれません。

女性の体力ではしんどい業務が多数ある

施工管理は男性でもきついと言われる仕事で、工事中の現場は体力のいる作業が多く存在します。女性だからといって考慮されることは少なく、慣れない女性が同じようにこなすのは非常にきついでしょう

他の仕事に比べて結婚・仕事と両立が難しい

施工管理の仕事は朝早く、夜も遅くまで働くとても忙しい仕事です。朝の7時から夜21時までの仕事が連日続くようだと、結婚・仕事と両立が難しいというのは、施工管理に限った話ではありません。家庭を持つためには、相手の理解が必要な仕事と言えます。

きつい施工管理にも魅力はあるの?

ここまで施工管理のきつい面を紹介してきましたが、次のような魅力的な部分もたくさんあります。

  • 現場全体を管理できるためやりがいを感じられる
  • ひとつの現場が終わったあとの達成感は格別
  • 現場の職人と比べると給与が高い
  • 人との連携を通じて得られるものが多い
  • 地域への貢献が目に見える形で残る

施工管理の仕事は大変だからこそ、やりがいを実感できる仕事であると言えます。

現場全体を管理できるためやりがいを感じられる

現場全体を管理、指揮するのは容易なことではありません。だからこそ、現場全体が滞りなく作業できるように管理ができたときはやりがいを感じられます

実際の現場では連携をスムーズにとり、どう動くかの指示を出すのは難しく、時には職人さんに怒られることもあります。苦労が多い分、慣れてきて上手くこなせるようになると仕事にやりがいを感じる人が多いようです。

ひとつの現場が終わったあとの達成感は格別

施工管理の仕事は図面作成から建物の引き渡しまで、0からすべての工程に携わります。プライベートの時間を取るのも難しいほど忙しい作業をこなし、大きな問題も起きずに現場を終えたあとの達成感は格別です。取引先や一緒に働いた協力会社の人達から、たくさんの感謝の言葉をもらうことも少なくありません。そのたびに「一生懸命やってよかった」「次の現場も頑張ろう」と思えるのです。

現場の職人と比べると給与が高い

施工管理の仕事は、人材が不足していることや作業が煩雑で多岐に渡ることから、現場の職人に比べると給与が高いことが多いです。さらに、施工管理に関する資格を持っていれば、手当が出る会社も多く給与アップを狙えます。その分、現場が終わっても事務作業や細かい調整などの仕事はありますが、給与の高さはモチベーションアップに繋がるでしょう。

人との連携を通じて得られるものが多い

多くの人と協力して作業を進めなければならないため、施工管理をする上ではコミュニケーションの取り方が大切です。現場にいる作業員やベテランの職人から信頼を得て、指示通りに動いてもらうことや、発注元のクライアントとの打ち合わせでは、相手の要望を正確に把握することが必要です。

また、現場ではリーダシップを取って全体を指揮するなど、様々な人間関係を良好に保てるというスキルは、仕事以外にも役に立つ学びになります。たくさんの人が協力して完成する仕事だからこそ、人との連携から得られる学びややりがいのある仕事です。

地域への貢献が目に見える形で残る

「施工管理は地図に残る仕事」といわれるように、完成した建築物は地域の一部となり、この先も後世に残ることを考えると、やりがいを感じるのではないでしょうか?そして、完成した建物を見ると、大きな自信と誇りを得て、やりがいを感じることが多いようです。

施工管理の仕事へ就くためには転職エージェントを活用しよう!

施工管理は忙しくきつい仕事ではありますが、それを上回るほどのやりがいや達成感を感じられる仕事です。転職する際には「自分がどんな仕事をしたいのか」「どんな働き方をしたいのか」を考えて行動すれば、理想の施工管理の職に就けるでしょう。

地元の中小企業に特化した転職エージェントであるヒューレックスは、地場の企業と深い繋がりがあるため、一般には公開されない非公開の独占求人を紹介できます。

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この記事の監修

松橋 拓弥

宮城県出身。大学卒業後、東日本大震災をきっかけに大手建設会社で施工管理と営業業務に6年従事。その後その経験を活かし、大手人材紹介会社の建設領域でキャリアコンサルタントとして常にトップクラスの実績をおさめる。転職においては「キャリア」だけでなく個々人の「夢」と「想い」の実現のお手伝いが大切であると考え、求職者第一に転職支援に取り組む。

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