長く働ける会社とは「自分に合っている会社」
長く働ける会社とは、自分に合っている会社と言えるでしょう。自分が会社に何を求めているかによって「長く働ける会社」の定義は変わってくるため、まずは会社に求める条件を明確にしましょう。条件の例として「給料」「人間関係」「仕事内容」などがあります。
ただし、会社を選ぶ時に一つの条件にだけ固執してしまうのは好ましくありません。長く働ける会社を選ぶなら、他の条件もある一定以上の水準を満たしていることが大切だからです。仮に「自分のやりたい仕事ができる会社で働きたい」と考えていても、給料や残業時間などの諸条件も意識する必要があります。
自分が働く上で求める条件をバランス良く備えている会社を見つけましょう。
長く働ける会社の条件17選
長く働ける会社が備えていることの多い17個の条件を選びました。
- 残業が少ない
- 人間関係が良好
- 休みが多い
- 給料が高い
- 自分の好きな仕事ができる
- 福利厚生が充実している
- 定年まで雇用が安定している
- 業績が安定している
- 育休・産休・介護休暇が取りやすい
- 在宅勤務ができる
- 時短勤務が可能
- スキルを高めていける
- ノルマがきつくない
- 成果が正当に評価される
- 社会貢献度の高い仕事
- 年齢が上がると体力を使わない仕事に異動
- 離職率が低い
これらの中から自分自身が考える「優先度の高い条件」と「できたら備えていて欲しい条件」をそれぞれ2、3個ずつピックアップしましょう。
残業が少ない
残業が少ない会社は長く働きやすい傾向にあります。残業が少ないということは、実働時間が短いということで、疲労が溜まりにくいからです。就業後にプライベートの時間が確保しやすいことから、仕事で疲れた心身も回復できます。
残業時間は部署や職種、役職によっても異なってきます。応募を検討している仕事の残業時間の実態を確認しましょう。
人間関係が良好
人間関係の良い会社は長期的に働きやすいです。厚生労働省の調査によると、転職理由の上位に「職場の人間関係が好ましくなかった」が挙げられています。人間関係の良し悪しは長く働けるかどうかに影響します。
他部署の先輩や勤怠管理者などさまざまな社員と話す機会があると、相談する相手が見つかりやすいです。そのため、人間関係で思いつめにくくなります。管理職がパワハラやマタハラ防止の教育を受けている職場の方が、パワハラなども起こりにくいでしょう。
休みが多い
休みの多い会社で働くと、ワークライフバランスが整いやすくなります。プライベートの時間が確保できるため仕事のストレスを解消しやすくなり、結果として長期間働き続けられるようになります。
厚生労働省の調査によると、最も年間休日の多い業種は「情報通信業」と「学術研究,専門・技術サービス業」で118.8日でした。最も少ない業種は「宿泊業,飲食サービス業」で97.4日です。業種によって年間休日数が異なります。会社選びで休みの多さを重視される方は、業種選びも慎重に行いましょう。
給料が高い
給料が高いことは長く働ける会社に欠かせない条件です。厚生労働省の調査によると、1年前の仕事を辞めた者のうち、正規から正規に転職した男性の退職理由1位は「給与・報酬が少なかったから」でした。
給料が高いと生活基盤が安定する上、自己肯定感向上にもつながります。「この会社で長く働きたい」というモチベーションになることも多いです。
ただし、給料は高くても残業があまりにも多いと働くモチベーションは下がりやすくなります。「給料が高い」×「残業が少ない(もしくは40時間以下)」という2つの条件の組み合わせであることが大切です。
その他、「給料が高い」という好条件にも関わらず離職率の高い会社の組み合わせ例を紹介します。
給料は高いが長期的に働きにくい会社の例
条件 | 内容 |
---|---|
給料 | 〇(年収1,000万円) |
休み | 〇(年間休日120日) |
企業規模 | 〇(業界大手) |
残業 | ×(月60~100時で労基法の上限超過) |
ノルマ | ×(キツイ) |
パワハラ | ×(有り) |
「給料が高い」だけで会社を選ばないように注意しましょう。ただし、上記のような会社でも長く働いている方はいます。合う合わないは個人差があるので、自分自身が会社に何を求めるのか見極めることが重要です。
自分の好きな仕事ができる
長く働ける会社の条件として、自分の好きな仕事に取り組めることも挙げられます。好きなことを仕事にできると、日々の仕事にやりがいを感じやすいからです。
ただし、レアな職種であればあるほど、その職種に就けるチャンスが少ないため、仕事内容以外の条件は妥協してしまいがちです。仕事が楽しくても、給料や労働時間が一定の水準以上でないと身体を壊してしまう可能性があります。諸条件も考慮して会社を選びましょう。
福利厚生が充実している
福利厚生が充実していることも、長く働ける会社にある条件です。
「休業制度」や「住宅手当」などがあれば金銭面で助かりますし、「社員食堂」があれば金銭面だけでなく健康面でも恩恵が受けられます。無駄な出費が抑えられるうえ、会社に支えてもらっている実感が得やすくなるので、仕事を続けることへの不安感が払拭しやすくなります。
定年まで雇用が安定している
長く働ける会社の中には、定年まで雇用が安定している会社も多数あります。定年まで働けるということは、リストラされる可能性が低いからです。
そのためのんびりした社風になりやすく「この会社で長く働きたい」というモチベーションも維持しやすいです。
業績が安定している
長く働ける会社の条件の一つに「業績が安定している」ことも含まれます。業績が良いと給料が高くなるからです。
市場シェア率の高い会社は、業績が高く安定しやすい傾向にあります。その他、新規業者が参入しにくい業種は、価格競争などが起こりにくいため営業利益を確保しやすくなります。
育休・産休・介護休暇が取りやすい
育休・産休・介護休暇が取りやすい会社は、ライフステージが変化しても働き方を柔軟に選べるため長く働き続けることが可能です。
子育て中の女性のいる職場の方が、マタニティハラスメントを受けにくくなりますし、子どもの発熱による急な欠勤なども理解してもらいやすくなります。育児や介護で休めない会社の場合は、妊娠などで離職せざるを得なくなってしまいます。
在宅勤務ができる
在宅勤務ができる会社では長く働き続けやすくなります。子どもが小学生になった時や親がデイサービスなどを利用するようになった時に、自宅にいない時間帯を使って仕事ができるからです。
ただし在宅勤務であっても「乳幼児の世話をしながら自宅で働く」のは困難を伴います。自宅でも勤務時間内はしっかり集中できる環境を作るようにしましょう。
時短勤務が可能
時短勤務が可能というのも、長く働ける会社の重要な条件です。子育てや介護と両立しやすくなるからです。
16時くらいに退勤できたら、子どもを幼稚園まで迎えに行ったり習い事へ送りに行ったりできます。18時、19時退勤では子どもを送迎することが難しいでしょう。時短勤務制度のある会社なら、退職せずに柔軟に働けます。
スキルを高めていける
長く働ける会社の特徴として、スキルを高めていけることが挙げられます。
ルーティンワークしかできないと「同年代と比べて成長できていない」と感じて焦りが生じてしまうことがあります。結果として「もっと成長できる他社へ転職しよう」と転職意欲が増してしまいかねません。
逆に、スキル不足にも関わらず責任の重い仕事を任されても、プレッシャーと過労でつぶされてしまうことがあります。
ノルマがきつくない
ノルマがきつくないことは、長く働ける会社に外せない条件です。ノルマのキツさは従業員のストレスに直結するからです。ノルマがキツイと「同僚や上司に成果を奪われる」ということも起こりやすくなります。
そのため、社内の人間関係もギスギスしたものになりがちです。ノルマが高く設定されている会社で働くより、社内で助け合うアットホームな社風の会社の方が働きやすい傾向にあります。
成果が正当に評価される
長く働ける会社の条件の一つとして、成果が正当に評価されることも挙げられます。人事評価は評価者の主観が入りやすいので、正しく評価するのは難しいものです。
客観的判断のできる上司が自分の頑張りをしっかり見てくれている会社であれば、成果が正当かつ客観的に評価されます。それにより、働く意欲が維持しやすくなり長期的に働くことができるでしょう。
社会貢献度の高い仕事
社会貢献度の高い仕事なら、一社で長く働きやすくなります。仕事で嫌なことがあっても、自分が働く意味を見失うことはあまりないからです。
理不尽なクレームを受けても「社会を良くするために働いている」と考えることができます。その結果、ストレスを乗り越えやすくなり長く働ける傾向にあります。
年齢が上がると体力を使わない仕事に異動できる
年齢が上がったり体調を崩したりした時に、体力を使わない部署に異動させてもらえる会社は長く働けます。健康に配慮しながらずっと働けるからです。
例えば新卒入社時は外勤営業でも、体調を崩したら内勤事務に異動してもらえる会社があります。また、30、40代で管理職になり、オフィスで従業員の管理をメインに行うケースもあります。このような会社の場合、体力の低下に関わらず長期的に働き続けることができます。
離職率が低い
長く働ける会社の条件に、離職率が低いことも挙げられます。離職率が低いということは、働く環境が良いということに加え「私も辞めようかな」という誘惑が起こりにくいからです。
離職率が低い会社は、給料や残業時間など諸条件が良い傾向にあります。離職率が高い場合は職場環境が悪く、退職へのハードルが下がりやすくなるので同僚につられて辞めてしまう方もいます。
離職率はホワイト企業かどうかを見定める重要な指針です。応募前に確認しましょう。
転職を繰り返す人の特徴
「一社で長く働きたい」と考えているのに転職を繰り返してしまう方の特徴をピックアップしました。一つずつ解説します。
不満の解消方法が転職しか思いつかない
転職を繰り返してしまう方の特徴として、仕事の不満の解消方法が転職しか思いつかないことが挙げられます。真面目でひたむきな方ほど、目の前の仕事に一生懸命に取り組めるので、トラブルが起きた時は「もう辞めよう」という考えに陥りがちです。
仕事で不満やトラブルがあっても、退職以外に解決方法はあります。例えば、部署異動などで解消する可能性もあるので焦らず待つのも一つの方法です。
出世を急ぎ過ぎる
出世を急ぎ過ぎる方は、転職を繰り返してしまうことがあります。同僚と成果を争うため、日々の仕事にストレスを感じやすくなるからです。
できたら同僚や同期と助け合って部署全体の業績を上げて、自分の評価も上げていくことが理想です。
一つのミスで自己否定してしまう
打たれ弱く、一つのミスで自己否定してしまう方も転職を繰り返してしまう傾向にあります。周囲に対して気遣いができる優しいタイプの方に多いです。
対処法として、自己評価を上げたり気持ちに余裕を持ったりして仕事に取り組む方法があります。自己肯定感を高めてミスやトラブルを乗り越えていきましょう。
自分一人で退職を決める
誰にも相談せず退職を決める方も、転職を繰り返してしまうことがあります。一人で考えていると、どうしても思考が偏ってしまうからです。
退職すべきかどうか迷ったときは第三者に相談しましょう。誰かに相談しているうちに、感情や思考が整理されて転職すべきかが冷静に判断しやすくなります。
長く働ける会社を見つける方法
求人票だけでは判断がしにくい長く働ける会社の見つけ方を紹介します。
- 友だちから仕事を紹介してもらう
- 口コミサイトで評判をチェックする
- 転職エージェントに相談する
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
友人から仕事を紹介してもらう
自分のことを良く知る友人から、仕事を紹介してもらう方法があります。友人なら自分と相性の良い仕事を理解している可能性が高いからです。
ただし、友人からの紹介を受けて入社する場合は、内定をお断りする時などに細心の注意を払いましょう。
口コミサイトで評判をチェックする
長く働ける会社を見つけるためには、口コミサイトを参考にしたほうが良い場合もあります。口コミサイトの中には有益な情報もあるからです。
ただし、口コミサイトは会社に不満を抱えている従業員が書き込むこともあります。ネガティブな情報が集まりやすい傾向にあるため、複数の情報と組み合わせて客観的な判断をしましょう。
転職エージェントに相談する
長く働ける会社を見つけるためには、転職エージェントに相談することがおすすめです。長く働ける会社の求人紹介から「今、本当に転職すべきかどうか」までアドバイスしてくれるからです。
転職エージェントは無料でキャリアカウンセリングを行っているため、自分にとっての「長く働ける会社」の条件も一緒に考えてくれます。「自分に合う会社が分からない」「転職すべきかどうか分からない」という方は相談しましょう。
長く働ける会社の条件を押さえてより良い転職を
長く働ける会社とは、自分が求めている条件を備えている会社のことです。給料の高さや人間関係の良さ、休みの多さなど、譲れない条件を明確にしましょう。ただし、全ての条件を高水準で満たしている会社はそれほど多くありません。
そのため、今の自分が狙える最高レベルの条件を備えた会社を見つけましょう。会社探しに困ったら転職エージェントのヒューレックスにご相談ください。あなたのこれまでの実績や転職市場の動向を確認し、より水準の高い条件の企業の求人を紹介いたします。
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この記事の監修
須賀川 敏哉
神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。
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