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田舎には仕事がない?気になる問題を解説
田舎で仕事を探すにあたって、疑問点を解消しておくことは非常に重要な問題です。この章では、特に誤解や不安が生じやすい4つのポイントを解説します。
田舎にも仕事はある!
「働きたくても田舎には仕事がない」という情報を耳にすることがしばしばありますが、田舎にも仕事はあります。確かに、都心部と比較をするとない求人数が少ないという事実は否定できません。また、東京をはじめとした都市部でしかほとんど募集されていない業種・職種もあります。
それでも、移住者増加のための自治体の施策やIT技術の発展などにより、田舎での仕事の選択肢は拡大しています。
自動車や運転免許がないと仕事がない?
画像引用:過疎地域における地域公共交通の現状と課題|国土交通省
田舎で仕事をしたり日常生活を送ったりするためには、自動車がないと不便を感じるケースが多いでしょう。国土交通省による「過疎地域における地域公共交通の現状と課題」でも報告されているように、過疎地域ではバスや鉄道の廃止・減便(本数減少)などの問題もあります。
テレワークをはじめとしたオンラインで完結する仕事が増えているため、自動車や運転免許がなくても仕事を探せる可能性がありますが、選択肢が狭まることは間違いありません。もし車や自動車がない状態で田舎での仕事を探される方は、仕事だけでなくお住まいの住環境をあわせて確認しましょう。
田舎の仕事のストレスは大きい?小さい?
田舎での仕事のストレスの感じ方は、考え方・感じ方によって大きく左右されるでしょう。
都会よりも田舎の方がストレスが減少する見込みの高い項目
- 通勤時の満員電車
- 社内の同僚や協業企業との激しい競争
- 騒々しい住環境
都会よりも田舎の方がストレスが増す見込みの高い項目
- 慣れない仕事
- 田舎特有の人間関係
- 都会に比べて生活が不自由
特に農業や工業などの体力面で大きな負荷のかかる仕事に転職する方は、仕事での強いストレスを感じる傾向が強いため、仕事の選び方が非常に重要です。
40代以上でも田舎に移住できる?
結論としては、40代以上でも転職は可能です。移住経験者の約2割が40代であるとのデータもあります。
しかしながら40代以上の転職は、一般的にはマネジメント経験や高度な専門性が要求され、ハードルが高くなります。また、田舎への移住を考える際に、本人だけではなく家族のことも考えて結論を出さなくてはなりません。住居がうまく探せるか否かを不安に思う方もいるでしょう。
「40代からの地方移住生活は難しい?失敗しない仕事の探し方とは」にて、40代の方の地方移住について詳しく解説しているので、不安を感じる方はぜひチェックしてください。
田舎にはどんな仕事がある?
田舎での仕事探しを始める前に、どのような選択肢があるのかを理解しておくことも重要です。田舎の仕事は選択肢が少ないということもあり、確実にチャンスをものにするためにも求人の傾向を確認しておきましょう。
一般企業の転職
一般企業への転職は、都市部での転職とも共通する部分が多いものの、田舎ならではの特徴もあります。
- 中小企業の求人が多い
- プロジェクトのリーダーや幹部候補を見越しての求人が多い
- IT系や先端技術系のエンジニアなどのように企業のイノベーションに関連する職種の募集が増えている
キャリアや技術を活かして田舎の企業への転職をする方は、会社への貢献はもちろんですが地域の復興を求められる可能性があります。
また、将来の幹部候補として長期的にキャリアを築くことを期待されるケースが多いでしょう。
公務員
地方への転職を希望する方に一定の人気があるのが公務員です。田舎は都市部に比べて収入の水準が低いこともあり、企業の一般職などでは収入ダウンになる可能性があります。
その点、公務員は収入が安定しています。また、多くの職種はデスクワーク中心になるため、事務職などのデスクワークでキャリアを重ねてきた方にとって、仕事内容に関してもポジティブな印象を持つ方が多いでしょう。
公務員の求人は倍率が高い傾向があるので、タイミングや情報収集も非常に重要です。
1次産業・2次産業
農業・漁業などの1次産業や製造業・加工業などの2次産業は、田舎の強みを生かせる仕事です。
- 田舎では広くまとまった土地を確保しやすい
- 特産品を商材として扱うことができる
- マイペースに仕事をしながら生活するという田舎でのライフスタイルにマッチしている
上記の理由からワークライフバランスを重視する方や自分らしい生き方を模索している方にオススメの働き方です。近年では「6次産業」といって生産・加工・販売を融合した働き方をする方も増えています。
インターネットショッピングなどが活発化したこともあり、上手くインターネットの力を活用することで、商品販売のハードルも低くなりました。
ただし、一次産業や二次産業は特有のノウハウ・技術を要するため、未経験からはじめる場合はしっかりと技術を学ぶ必要があります。
専門職
地方には競合が少ないからこそ専門知識や技術を持つ方が重宝されることもあります。典型的な例は、医師や弁護士などです。専門家の不在は地域の重大な問題に直結することから、自治体が積極的に募集していることもあります。
フリーランス・テレワーク
高速インターネット環境を積極的に活かす働き方もあります。典型的な働き方は、フリーランスやテレワークなどです。Webデザインやプログラミングなどのインターネットで完結する仕事であれば、本社やクライアントとは離れた田舎でも仕事ができます。
ただし、テレワーク特有のデメリットに注意しなくてはなりません。起こりがちな弊害は以下のとおりです。
- コミュニケーションが不足し、孤独感が強くなる
- 報告・連絡・相談が不足する
- 仕事とプライベートとの境目が曖昧になりストレスを感じる
移住と同時に田舎へ転居される方は、孤独を感じやすい条件が揃ってしまうため特に要注意です。
田舎で仕事をするなら住宅の補助金・支援制度も確認しよう
田舎で仕事をするためには、仕事のことだけではなく住宅のことについても考える必要があります。この章では、田舎で住居を探す際のポイントを解説します。
生活と通勤の利便性を確認
田舎は、住む場所よって生活の利便性が大きく異なります。そのため、通勤や仕事上の利便性のほかに、日常生活のしやすさも十分に踏まえたうえで住居を選ぶ必要があります。
家族構成によっても異なりますが、スーパーマーケット・病院・ドラッグストア・学校など生活に密接した施設やサービスを不自由なく選べる場所を選びましょう。
特に、移住先の土地勘がない方や頼れる知人・友人が少ない方は、ご自身で生活の基盤を整えていかなくてはなりません。ご家族の状況や希望も踏まえて、住む場所を決定しましょう。このとき、自動車の有無も重要な要因です。ご自身だけではなく、ご家族の方も自動車が必要となるケースも考えられます。
活用できる補助金を確認
田舎に移住するときには必ずチェックしておきたいのが補助金の有無です。人口が減少傾向にある地方では、移住者を増やすために住宅の補助金を出していることが多いので、補助金を上手く利用することで好条件の物件に居住できます。
多くの補助金は、将来的に居住を継続し、同一市町村内の企業へ勤務することなどが条件として設定されています。そのほか、補助金の申請書の提出先や提出期限などに注意をしてください。
田舎で高収入を得るために大切なこと
田舎で仕事を見つける際に、できるだけ良い条件で転職をしたいと考える方は多いでしょう。
地方都市は、都市部よりも平均年収が低い傾向が見られますが、仕事や転職先の職種などの選び方によっては高収入を得ることも可能です。また、都会での給与と同程度の収入が得られれば、生活コストの違いにより結果的に余裕を感じられることもあります。
この章では、田舎で高収入を得るためのポイントを解説します。
高度な知識・スキル・技術
先端技術や希少性の高い技術をもつ人材を好条件で探している地方企業は少なくありません。2014年に当時の内閣が「地方創生」という新たな概念を生み出したこともあり、地方からイノベーションを生み出したり、特産品と先端技術を掛け合わせたりする働きが活発化しています。
地方創生では、特にIIT・AI・ビッグデータ分析などの分野は人材が不足しており、高収入が期待できます。
内閣府地方創生推進事務局の「地方創生事例集」には、さまざまな事例が紹介されているので、その一部を紹介します。
クラウドを活用した森林資源の情報共有:岡山県真庭市
ドローンなどのロボット・市役所職員・森林組合が集めた森林資源に関する情報をクラウド上で一括管理し、地域の資源を守るという取り組み。クラウド管理などのためにスタッフの雇用を促進。
一般社団法人豊岡観光イノベーション(地域連携DMO):兵庫県豊岡市・京都府京丹後市
エリアに無料Wi-Fiスポットを40か所設置し、ユーザーの接続状況の分析を地域の観光にフィードバックすることで、地域の観光に貢献。また、観光客向けのWebサイトを作成して、観光客の増加を目指す。
あおもり藍産業協同組合 ~新技術を駆使した地域の藍染め産業の振興~ :青森県青森市
大学や他業種との連携や先端技術の活用により、地域の特産品の使用用途を拡大。さまざまな分野での商品化を図るとともに、6次産業化を図ることで、地域の雇用を創出。
適性や経験に合った仕事・企業を選ぶ
転職全般に該当することですが、転職先を選ぶ際に適正や経験にあった仕事や企業を選ぶことが高収入に直結します。特に、30代以上の転職においては即戦力性が重視され、それまでのキャリアをどのように次の仕事に生かせるかが転職の成否を大きく左右します。
また、大手企業での最先端技術の実務を担っていた方や、ニッチな業界での経験など、希少性の高い経験があればアピールポイントになるでしょう。中・長期的な視野で考えると、転職先になじめるかも重要ポイントです。職場になじんで良好な人間関係を構築できると、業務を進めやすくなり結果的に成果が上がりやすくなります。
Uターン・Iターンに強い転職エージェントに相談する
田舎で仕事を探すときに、転職エージェントを使用するのもオススメです。転職エージェントを利用すると、以下のサポートを受けることができます。
- 非公開求人や独占案件を含む求人紹介
- 転職先の企業とのコミュニケーションや条件交渉の代行
- 面接や書類選考のサポート
転職エージェントは多数ありますが、田舎への転職の際に重視したいのは地方の企業との結びつきの強い転職エージェントを選ぶことです。地方に強い転職エージェントは、独占案件を多数保有しているほか、地方の企業と深い関係性を築いていることが多いため、田舎への転職が有利になる可能性が高まります。
ヒューレックスは地方転職に特に強い転職エージェントです。地方の企業との高い信頼関係に基づいて、転職希望者様の希望を第一に考えた転職サポートをその地域に詳しいコンサルタントが行っています。無料相談ができるので、田舎への転職を考えている方は、一度気軽にご相談ください。
まずは転職エージェントに登録して、自分の希望に合った求人の紹介を受けてみてください。
田舎で仕事をするには正確な情報が重要
インターネットやテクノロジーの発達・行政の方針などにより、田舎での働き方も変化しています。経験や技術を活用して正確な情報に基づいて活動すれば、田舎でも高収入の得られる仕事やご自身の希望にあった仕事を見つけられる可能性は低くありません。
ただし、情報を効率的に集めてご自身の強みを最大限に発揮できる状況を整えることは不可欠です。
田舎での転職の際は、ぜひUターン・Iターンに強いヒューレックスにお問い合わせください。経験豊富なエージェントが田舎でのご希望の仕事を見つけるための最大限のサポートをいたします。
この記事の監修
須賀川 敏哉
神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。
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