目次
30代の転職に関する基礎知識
30代での転職に苦戦されている方は、まず30代の転職がどのようなものかを客観的に理解しましょう。
この章では、30代での転職に関する以下の基礎知識を4点解説します。
- 即戦力でなければ企業からのニーズは少ない
- 人生設計を踏まえて転職プランを考えなければならない
- 一定のビジネススキルや経験が求められる
- 現職を簡単に辞められない
即戦力の人材であれば企業からのニーズは高い
転職市場において、一般的に30代は以下のような位置づけです。
【30代前半】
基本的なビジネススキル・経験があれば求人数は少なくありません。
業種・職種によるものの、未経験転職の可能性もあります。
【30代後半】
十分な経験や専門性がなければ転職はかなり厳しいのが現状です。「経験者」であっても、マネジメント経験や高度なスキルを要求されることが多く、未経験での転職は人手不足の業種を除けば採用母数がかなり限られます。
一般社団法人日本人材サービス産業協議会の「転職賃金相場2021」によると、30代以降は多くの業種で年収600万円以上の転職者が増えています。大半の職種では、マネジメント層でなければ年収600万円以上には届きません。このような事実からも、30代は若手社員のマネジメント力が要求されることが確認できます。
人生設計を踏まえて転職プランを考える
30代の転職は、20代以上に人生設計を考えながら転職活動を進めなくてはなりません。なぜなら、30代になると家族を養ったり老後に向けて貯蓄をしたりする必要があるからです。
転職で特に注意をする必要があるのは、以下のケースです。
- 給与水準が現職よりも低い
- 将来の昇給の可能性が低い
- 夜間の勤務など不規則勤務になる
- 転居を伴う、もしくは将来的に転居の可能性がある
- 育児や両親の介護などとの両立が困難になる
そのほか、自分自身や家族の状況や将来を見据えたときに障害やリスクがある場合があるため、家族との相談が必要です。
一定のビジネススキル・経験が必要とされる
キャリア経験のある30代では、ビジネススキルや経験がなければ、転職が上手くいきません。
30代前半に関しては未経験職種でも採用のチャンスが残されているものの、ビジネス基礎力を有していることが前提です。したがって、正社員として働いた経験がまったくない方やビジネスの基本が備わっていない方は、かなりチャンスが制限されます。
未経験者の場合には、経験のなさをカバーするだけのバイタリティー・コミュニケーション能力・専門スキルなども要求されるでしょう。
現職を簡単に辞められない
30代転職では、現職を簡単に辞められないという事情もあります。
その代表的な理由は、以下の通りです。
- 現職で責任ある立場を任されている
- 現職の仕事にやりがいがあり退職する気持ちの整理がなかなかつけられない
- 後任が見つからない
- いったん退職をすると収入にブランクが生じる
現職を続けながら転職活動を続けられることが理想的ですが、転職活動にも時間がかかるため両立をするのが難しいという事情もあります。
30代の転職が上手くいかない原因
30代での転職が上手くいかない原因について考えてみましょう。もし、ここで挙げる5つのいずれかに当てはまる方は、転職プランの練り直しを考えた方がよいかもしれません。
スキル・経験を過大評価している
転職の際に、自分自身のスキルや経験を過大評価していると、転職活動をしてもなかなか採用を勝ち取ることができません。
過大評価が生じがちな状況として、以下の例があります。
- 現職で相場以上の給与を得ている
- 現職での販売実績や成果にあぐらをかいている
- 求職者が自分自身を客観視できていない
スキルや経験はどうしても過大評価をしてしまいがちな傾向があるため、自分自身を客観的に見るのは難しいことです。過大評価に陥っていないか自問自答しながら、時には周囲に相談をして転職プランを検討しましょう。
また、転職のプロである転職エージェントに相談するのもおすすめです。
アピールの仕方が悪い
スキルや経験が申し分なくても、書類や面接でのアピールがよくないと30代転職は上手くいきません。
30代転職では、選考時のアピールについても営業力・コミュニケーション力・論理的思考力などのスキルの1つとして考えられます。したがって、スキル・経験を上手く伝えられないこと自体、スキルが不足しているということです。
面接でのアピールについても冷静にご自身で判断するのが難しい部分ですが、例えば条件を満たしているにもかかわらず書類が通過しない方や、書類はほとんど通るのに面接に通らない方はアピールの仕方が悪いことを疑いましょう。
条件のこだわりが強い
30代転職では、条件をこだわりすぎると希望に合致する求人の母数がかなり少なくなります。そもそも30代転職では、人生設計が大きく関わるため、希望条件を挙げると項目が多くなりがちです。
条件をすべて満たすような案件が例え見つかったとしても、人気の案件となり応募が殺到するでしょうから、簡単に採用にはたどり着けません。
転職活動の量が少ない
転職活動を成功させるには、しっかりと時間をかけることも必要です。自己分析・企業分析・面接対策などやるべきことがたくさんあるなかで、活動時間や活動量が少ないとなかなか思うような成果は得られません。
特に、30代での転職は20代と比較すると難易度も上がり、考えるべきことも増える傾向があります。家族との相談も必要なケースがあるでしょう。転職活動の量が少ないと、なおさら転職が難しくなります。
求人案件の探し方がよくない
転職の方法についても考える必要があります。「希望の案件が見つからない」と嘆いている求職者にありがちな例が、大手転職サイトしか利用されていないケースです。
転職サイトは、どちらかといえば、20代〜30代前半向けの求人案件が多く、30代後半の方にとっては希望の案件を探しづらい媒体です。また、マネージャー層や高度な専門スキルを必要とする職なども、転職サイトにはあまり求人募集されていない傾向があります。
30代での転職が上手くいかない方がとるべきステップ
転職が上手くいかないときには、転職の進め方について改めて考えることも重要です。
この章では、30代の求職者にオススメの転職のモデルケースを5つのステップに分けて解説します。
- 転職目的の確認
- 転職スケジュールの決定
- スキル経験の棚卸しをベースとした書類の作成
- 転職先の企業をイメージ
- 転職活動
転職目的を確認する
転職を成功させるための重要ポイントは、転職目的の確認です。
「なぜ転職したいのか」
「本当に転職する必要があるのか」
「転職以外に、現在の状況を改善する手段はないのか」
これらの項目を自問自答し、転職することの意義について深掘りすることで、転職へのモチベーションの強さを確認できます。また、採用面接では転職理由について問われることが想定されるため、転職目的の自問自答は面接対策としても有効です。
転職スケジュールを決定する
転職スケジュールを決定することは、ご自身の生活設計のために重要です。特に、仕事を続けながら転職活動をスタートする方は、職場に迷惑をかけないように、ご自身の業務や後任への引き継ぎ期間についても考える必要があります。
30代の転職では、希望の通りに進まずに長期化してしまうリスクもあるため、内定前に現在の職場に退職時期を伝えてしまうとブランク期間が生じる点についても注意しなくてはなりません。
スキル・経験の棚卸しと書類作成をする
ご自身のキャリア・スキルを棚卸しした上で、職務経歴書や履歴書などを作成しましょう。面接時にどのような点がアピール材料になるのかを客観的に判断しながら書類を作成することが重要です。
職務経歴書は、応募する企業によって内容を調整することで企業に対して上手くアピールできるようになりますが、土台を作成しておくと転職活動を効率的に進められます。
転職先の企業を明確にイメージする
転職市場を確認しながら、ご自身の応募先の企業などについてイメージを膨らませましょう。このとき、ご自身の希望条件をすべて叶えるのは難しいため、優先順位を決定しておくことも重要です。
未経験の職種に応募する場合などは、ご自身の持っているスキルのなかでアピール材料になり得るスキルや特性についても考えてみましょう。
具体的なアクションをとる
具体的に転職サイトに応募をしたり、転職エージェントに相談をしたりするなどのアクションをとりましょう。
就業中の方は、現職のスケジュールを調整しながら、効率よく進める必要があります。また、転職によって生活が変化する可能性がある方は、具体的なアクションを取る前に十分に家族に相談をして理解を得ておきましょう。
30代が転職の際に押さえておきたい応募方法
30代転職での転職方法は、大きく分けて転職エージェント・転職サイト・ハローワークの利用があります。それぞれの特徴を解説します。
30代におすすめの転職エージェントを利用する
30代で転職を考えられる場合、最もおすすめの方法は、転職エージェントの利用です。
ポイントは、以下の点です。
- 無料でキャリア相談や面接対策などのサポートを得られる
- マネージャー層の求人や専門職など、求人サイトには出ていない非公開求人を紹介してもらえる可能性がある
- 企業との条件交渉や確認などの代行を依頼できる
転職が上手くいかないとお悩みの方は、プロの転職エージェントのアドバイスを得ることによってご自身の魅力をアピールできるようになるケースが期待できます。
また、スケジュール調整や企業に対する条件の確認に苦労をされている方にとっても、プロに代行を依頼できるという点は非常にありがたみを感じられるでしょう。
中でも、30代の転職に強いヒューレックスがおすすめです。
ヒューレックスは、全国の地域金融機関と提携しているため、大手転職サイトには出回らない優良企業の非公開求人を紹介してくれます。
求人案件数重視なら転職サイトを利用する
大手の転職サイトは、一般的な求人数が最も多く掲載されている媒体です。
あらゆる業種・職種が掲載されているため、希望の案件が転職サイトにしか掲載されてないというケースもあるでしょう。無料登録をしておくといつでも情報が見られるので、転職エージェントと併用するのもオススメです。
どちらかといえば、20代から30代前半をターゲットとする案件数の掲載が多い傾向があるため、セグメント検索などの機能を活用して効率よく情報収集を行いましょう。
条件によってはハローワークを利用する
求人が少ない限られた地域で転職したい方や、職歴のブランクが長いなどの理由から転職サイトの求人案件に応募してもなかなか採用に至らない方は、ハローワークを利用してもよいでしょう。
ハローワークでは、地元の中小企業の求人が多く、倍率が比較的低いという利点があります。転職相談や職業訓練などのサポートも行っているため、即座に仕事が決まらなくても転職に向かって前向きに進むことが可能です。
30代での転職が上手くいかない方にはヒューレックスへ
30代で転職が上手くいかないときには、焦って行動するよりも状況を一度冷静に見つめ直した方が望ましいケースが考えられます。30代の転職では、20代転職とは求められる要件が異なります。
また、ご自身の環境の変化などにより、気軽に転職が進められなかったり転職活動に時間を割けなかったりすることもあるでしょう。
そして、転職が上手くいかない30代の方にこそオススメしたいのが、当社ヒューレックスの転職サービスです。ヒューレックスは、経験豊富な転職エージェントが親身に対応を行っているので、客観的な視点で転職プラン・キャリアプランを見つめ直す際に役立てていただけます。
未公開求人や地方案件を豊富にそろえているので、転職先の可能性を広げたい方にもオススメです。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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