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Uターン、Iターン、Jターンの違い
都会から地方に移住することをUターン、Iターン、Jターンなどと呼びます。まずは、それぞれの言葉の意味を知っておきましょう。
生まれ育った場所に再び戻るUターン
Uターンは、元々は進行方向を逆に向かって戻ることを示した言葉です。移住や転職においても同様で、生まれ育った地域から一度都会に出た人が、地元に帰ることをいいます。
例えば、秋田県で生まれ育った人が、大学進学を機に東京へ上京。そのまま東京で就職したが、3年後に秋田の企業に転職をして地元に戻るケースがUターンにあたります。
都会の出身者が地方に移住するIターン
元々都会で生まれ育ち、そのまま就職した人が地方へ移住・転職することをIターンと呼びます。Uターンとは違い、ゆかりのない地方都市への移住であるという特徴があります。
東京で生まれ育った人が、島での暮らしに憧れて沖縄に移住・転職するケースはIターンとなります。
都心から生まれ育った土地の近くに移住するJターン
Jターンは、地方出身者が一度都会に出て、再度地方に移住・転職するものです。この点はUターンと似ているといえますが、Uターンとの違いは、どこまで戻るかということです。
生まれ育った地元への移住・転職を行う場合はUターンですが、地元の近県や、同じ県内の都市部などに移住する場合はJターンと呼ばれます。
Jターンの例としては、岩手県の山間部で生まれ育った人が、就職のために上京、その後宮城県仙台市に移住・転職したというものがあります。
Uターン・Iターン・Jターン転職のメリット
都会を離れ、地方で働くことに、いったいどのようなメリットがあるのでしょうか。Uターン・Iターン・Jターン転職をすることで、何が得られるのかをまとめました。
通勤時間の短縮が見込める
都会では、会社の近くに住まいを構えようとしても、なかなか難しいことが多くあります。住宅コストが高かったり、子育てに適した環境でなかったり、そもそも希望する間取りの家が見つからなかったりといった問題があるからです。そのため、通勤に片道1時間以上かかるような場所に住むケースも珍しくありません。
1週間に5日、往復2時間を通勤にかけるとすると、1週間で10時間、1ヵ月で40時間もの時間を通勤だけに費やすことになってしまいます。
一方、地方では、会社の近くに家を構えることが都会ほど難しくありません。その分、通勤時間の短縮もしやすいといえるでしょう。 総務省統計局の2016年「社会生活基本調査 」によると、神奈川県（1時間45分）、千葉県（1時間42分）、埼玉県（1時間36分）、東京都（1時間34分）といった都県が、平日における通勤・通学時間が長くなっています。一方で、大分県（57分）、青森県・秋田県・島根県・鹿児島県（58分）といった県の通勤・通学時間は短くなっています（全国平均は1時間19分）。
通勤にかける時間を減らせれば、それだけプライベートに時間を使えるようになります。
満員電車を回避しやすい
都会の通勤ストレスは、時間だけではありません。朝晩の通勤電車は非常に混雑している場合が多く、見知らぬ人と密着したり、暑さに耐えたりしながら会社に向かう必要があります。満員電車内では、本を読むことも、スマートフォンを見ることも難しく、時間の有効活用をすることもできません。
地方なら、このような満員電車に揺られるストレスもありません。車通勤が一般的な地域も多く、電車に乗らずに通勤することができる会社も多くあります。また、公共交通機関を使って通勤する場合も、都会のように激しく混雑することは少ないでしょう。
生活コストを下げやすい
地方では、都会に比べて圧倒的に住宅コストを抑えることができます。都心と地方では地価が異なるため、家を買う場合はもちろん、借りる場合も、都心よりも低価格で良い住宅に住むことができます。
また、自治体が移住者支援を行っている場合もあります。移住用の住居を安く提供してくれたり、引越し費用を負担してくれたりすることもあるので、調べてみましょう。
食費や光熱費、日用品費といった日常にかかる生活費については、移住する地域によっても条件が異なります。しかし、地価が安いことから、飲食店やレジャー施設等の料金は、都市部に比べ安価に設定されている場合が多いです。
子育てがしやすい
地方は、都会に比べて保育園の待機児童が少ない場合が多いため、共働きでも無理なく子育てがしやすい環境にあるといえます。
内閣府の調査によると、2 019年4月1日時点での東京都の待機児童率は1.19％です。一方、青森県、山梨県、石川県、鳥取県など、地方には待機児童率0％の県が複数あります。
また、地方は自然が豊かな地域も多く、緑に囲まれながらのびのびと子育てができるというメリットもあります。 UターンやJターンで近隣に親戚や両親が住んでいる場合は、子育てのサポートをしてもらえることもあるでしょう。
出身地に住める（Uターンの場合）
地元に愛着を持っている人にとって、Uターン転職は「住み慣れた地元に帰れる」というだけで大きなメリットになるでしょう。
両親や親戚、友人などが多く住んでいる土地であれば、助け合いながら暮らすこともできます。 また、実家で両親と同居し、家賃負担をしなくていいという場合は、経済的なメリットも出てきます。
Uターン・Iターン・Jターン転職のデメリット
通勤ストレスから解放され、のびのびと子育てができる環境に暮らすことも可能なUターン・Iターン・Jターン転職ですが、デメリットもあります。どのような問題が起こりうるのか解説します。
求人数が少ない
そもそも、地方は都会に比べて求人数が多くないことから、転職をしようとしてもうまく希望に合致する仕事が見つけられない可能性があります。
移住を決めてから仕事を探すのではなく、あらかじめ移住したい地域の就労窓口や、その地域に強い転職エージェントなどを通して仕事を探し、転職が決まってから移住するのがおすすめです。
年収が下がる可能性がある
厚生労働省による2019年の「賃金構造基本統計調査」によると、47都道府県の中で最も賃金が高いのは東京都で、37万9,000円です。それ以外の地域の平均は、道府県によって大きく差がありますが、全国平均は30万7,700円となっています。
そのため、Uターン・Iターン・Jターン転職をした場合、年収が下がってしまう可能性があるでしょう。
とはいえ、東京都で働いている人のすべてが37万円以上の給料を得ているわけではありません。同様に、地方企業はどこでも年収が低いというわけでもありません。
現在の年収をベースに希望年収を検討し、条件に合う転職先を探すことが大切です。
地域性になじめない可能性がある
「土地柄」という言葉があるように、地方には地域ごとの特色があります。これになじめないと、快適な暮らしが送れない可能性があります。
特に、IターンやJターンでは、なじみのない土地への移住をすることになります。事前に現地に足を運んだり、短期滞在をしたりして、土地柄を知っておきましょう。
娯楽施設等が少ない
地方には、美術館や映画館、コンサートホールといった文化施設や、デパート、スポーツジムのような商業施設が都会ほど多くありません。そのため、休日のレジャーはアウトドア中心となる場合が多いです。
もし、欲しい物が家の近くの商業施設になければ、通信販売で購入するのもひとつの手です。
車がないと生活がしづらい
電車やバスといった公共交通機関が発達している都会に比べ、田舎に行けば行くほど車がないと移動がしづらくなっていきます。スーパーや病院などが遠く、車がないと日常生活が送りづらい地域もあるため、持っていない人は免許の取得や車の購入を検討しましょう。
地方移住が向いているのはどんな人？
地方移住が向いているのは、「地方に暮らすことが大きなメリットになる人」や、「地方で働くことがあまりデメリットにならない人」です。ここでは4つの例をご紹介します。
自然あふれる広々とした環境で子育てがしたい人
都会での子育てよりも、地方でのびのびと子育てをすることに大きなメリットを感じる人は、Uターン・Iターン・Jターンに向いているといえます。配偶者の意向や子供の性格などにもよりますが、移住を検討してみてもいいのではないでしょうか。
実家に戻りたい人
都会の暮らしに疲れ、「実家に戻りたい」と考えているのであれば、Uターン転職を選択することがメリットになります。地元であれば土地柄もわかっていますし、実家に帰るのであれば生活コストも大幅に下げられます。
ワークライフバランスを大切にしたい人
長時間の通勤や待機児童問題に頭を悩ませることなく、自分の時間を大切にしながら働きたいという場合、地方移住が解決の糸口になる可能性があります。
ただし、このようなケースでは、自分の希望する働き方を実現できる企業を、十分吟味して就職することが大切です。
地方でもキャリアプランを実現しやすい人
地方では、その場所に根づいた産業に特化した求人が多く見られます。また、専門性が高いスペシャリストよりも、幅広い業務をこなせるジェネラリストを企業が探しているという傾向もあります。
そのため、人によっては、かえって仕事の選択肢が広がったり、キャリアプランを実現しやすかったりする場合があります。
Uターン・Iターン・Jターンは転職先の選定が大切！
Uターン・Iターン・Jターンを成功させるためには、まず、自分の希望に合った転職先を見つけることが大切です。
転職エージェントのヒューレックスでは、地域企業を熟知したコンサルタントが丁寧にサポートを行っています。地域に特化している強みを活かし、希望に合った求人のご紹介や、あなたに合った求人の開拓も行うことも可能です。それだけではなく、応募書類の添削や面接対策、給与の交渉対応、転職後のフォローまで、総合的に転職活動をサポートしていきますので、安心して転職活動を進めていただけます。
Uターン・Iターン・Jターンを検討されている方は、ぜひ一度ヒューレックスにご相談ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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