期待が高まる半導体メーカーの市場と年収事情
世界全体の半導体出荷額は、2015年以降常に右肩上がりの状態で、2022年には12兆5,493億円を記録しています。これは前年と比べると32.1%も増加した数字で、市場規模が急拡大している状態です。日本でも半導体出荷額は1兆145億円と前年比36.9%増を記録し、好調と言えます。
内訳はディスクリート半導体が最も多いなかでも、近年大きく成長している画像センサは日本企業が48.3%のシェアを占めていて、存在感を放っています。
そんな半導体メーカーは、宮城県でどのような活躍を見せているのでしょうか。
宮城県の半導体メーカーのシェアは全国でもトップクラス
2021年における宮城県の半導体製造装置製造業の事業所数は23事業所、従業者数は5,226人、製造品出荷額等は5,420億円でした。10年前と比較すると事業所数は1.8倍、従業者数は3.3倍、そして製造品出荷額は4.5倍程度になっていて、飛躍的に伸びていることがわかります。
また、製造品出荷額等全体に占める半導体製造装置製造業のウェイトは、10年間で4.3%から10.8%と約2.5倍になっていて、製造業のなかでも大きな存在感を放っています。都道府県別に見ると、出荷額は5,420億円で熊本県に続く2位。いかに宮城県の半導体メーカーが強いかがわかる数字となっています。
宮城県の半導体メーカーは製造業のなかでもトップクラスの年収
賃金構造基本統計調査において、基本的に半導体メーカーは「電子回路・端末」の分類されますが、情報通信機械器具に分類されることもあります。いずれにしても、平均年収は500万円を上回っていて、製造業のなかでも高年収に位置していると言えます。
企業の規模や職種によってももちろん異なりますが、高年収を狙うのであれば、半導体メーカーを応募企業の候補に入れてみると良いでしょう。
参考:「令和5年賃金構造基本統計調査」
宮城県内で活躍する注目の半導体メーカー10選
半導体メーカーの年収事情を理解したところで、ここからは宮城県内に拠点を構える半導体メーカーを10社紹介します。転職活動で応募企業を探している方は、ぜひ参考にしてください。
1.東京エレクトロン宮城株式会社
東京エレクトロン宮城株式会社は、半導体製造装置メーカーでトップシェアを誇る東京エレクトロングループの会社です。半導体デバイスの製造に必須となるプラズマエッチング装置の開発・製造をメインにしています。開発費用や採用費用はグループ内で最も多く、伸びしろのある企業で、宮城郡松島町にも事業所を構えています。
本社の所在地:宮城県黒川郡大和町
主な事業:半導体製造装置の研究開発・生産
平均年齢:-
従業員数:1,545名
公式URL:https://www.tel.co.jp/about/locations/tml.html
2.株式会社NTKセラテック
株式会社NTKセラテックは、産業機械部品から半導体・液晶製造装置用部品まで、高精度かつ高品質なセラミックス部材を提供しています。世界最高レベルの平面加工技術や人工衛星に搭載された鏡面加工技術など技術力は非常に高く、今後も高いニーズを期待できます。
本社の所在地:宮城県仙台市泉区明通
主な事業:構造用セラミックス並びにこれを応用した各種製品の開発、製造及び販売
平均年齢:-
従業員数:778 名
公式URL:https://www.ceratech.co.jp/
3.日本ファインセラミックス株式会社
日本ファインセラミックス株式会社は、日揮グループの傘下にあり、高度なモノづくりに定評があります。半導体はもちろん、自動車や機械、医療、エネルギーなど、多様な用途で使われるセラミックス製品の製造が得意です。研究職やエンジニアだけでなく、営業や事務など、多岐にわたる職種の中途採用を行っています。
本社の所在地:宮城県仙台市泉区明通
主な事業:セラミックスの電気的特性を生かした各種電気・電子部品の製造
平均年齢:-
従業員数:500名
公式URL:https://www.japan-fc.co.jp/
4.東北大蔵電気株式会社
東北大蔵電気株式会社は、株式会社加藤電器製作所のグループ会社で、半導体メインの製造を行っています。仙台市に隣接する利府町と石巻市にそれぞれ工場を持っていて、いずれもフル稼働しています。従業員は約260名と多すぎず少なすぎずで、ちょうど良い規模感で働けそうです。
本社の所在地:宮城県宮城郡利府町
主な事業:半導体パッケージの設計・開発
平均年齢:-
従業員数:264名
公式URL:https://www.kdg.co.jp/t-okura/
5.株式会社アドバンテストコンポーネント
株式会社アドバンテストコンポーネントは、半導体やその部品テストシステム事業が売上高の約7割を占める企業です。テスト・システムの周辺機器やシステムレベルテストの開発にも積極的で、国内外に拠点を展開しています。宮城県内には仙台市青葉区に「仙台研究所」を構えています。
本社の所在地:東京都千代田区丸の内
主な事業:半導体テストシステムの設計・開発
平均年齢:-
従業員数:7358名
公式URL:https://www.advantest.com/ja/
6.バイスリープロジェクツ株式会社
バイスリープロジェクツ株式会社は、計測・制御用システムの受託開発を行っている企業です。東北企業では初となるナショナルインスツルメンツ社のアライアンスパートナーであり、技術力の高さには定評があります。直接半導体製造に携わっているわけではありませんが、半導体メーカーとのつながりが強く、モノづくりに興味がある方におすすめです。
本社の所在地:宮城県仙台市若林区卸町東
主な事業:計測・制御用システムの受託開発、及び車載用電装機器の組み込みマイコンシステムのソフトウェア受託開発
平均年齢:-
従業員数:41名
公式URL:https://www.x3pro.co.jp/
7.株式会社向陽エンジニアリング
株式会社向陽エンジニアリングは、パーツフィーダや生産設備、自動機の製造販売に携わっている企業です。半導体や食品装置、医療機器・自動車設備関連など、他業種と取引があり、経営体制は盤石と言えます。現在石巻市に2つの工場を展開しています。
本社の所在地:宮城県石巻市北村
主な事業:精密機械・部品加工
平均年齢:-
従業員数:26名
公式URL:https://koyogroup.net/ko-eng/
8.東北マイクロテック株式会社
東北マイクロテック株式会社は、最先端の三次元積層型LSIサンプルの試作や開発に必要な部分試作、技術コンサルティングを行い、半導体プロセスを用いた医療用デバイスを提供しています。IT需要の拡大に対応すべく従来のICチップの改良に注力していて、今後も安定した需要を期待できます。
本社の所在地:宮城県仙台市青葉区荒巻
主な事業:半導体プロセスを用いた医療用デバイスの製造
平均年齢:-
従業員数:-
公式URL:https://www.t-microtec.com/
9.Mioテクノロジー株式会社
Mioテクノロジー株式会社は、情報通信機器や医療機器の設計をはじめ、アミューズメント機器などの電子部品の組立・製造を行う企業です。気仙沼市では唯一の電子デバイス産業で、取引先は50社以上にわたります。宮城県外では、岩手県一関市にダイトー工場を展開しています。
本社の所在地:宮城県気仙沼市松崎上赤田
主な事業:基板実装
平均年齢:-
従業員数:86名
公式URL:https://www.mio-tec.co.jp/
10.ラピスセミコンダクタ株式会社
ラピスセミコンダクタ株式会社は、半導体製品を製造するロームグループの会社です。現在はロームやラピステクノロジーからの受託を受けて、生産を行っています。宮城県には大衡村に宮城工場があり、独自の生産管理システムで少量多品種生産を得意としています。
本社の所在地:神奈川県横浜市港北区新横浜2
主な事業:ローム及びラピステクノロジーからの生産受託、ファウンドリ事業
平均年齢:-
従業員数:730名
公式URL:https://www.lapis-semi.com/jp/
注目度の高い半導体メーカーへの転職はエージェントに登録して対策を取ろう
IT需要の拡大が続くなかで、半導体メーカーは今後さらに事業規模を拡大していくと予想されます。安定した雇用と給与を期待できる半導体メーカーは魅力的ですが、その分転職志望者の数も多いと予想されます。
競争率が高い半導体メーカーの選考を突破するためには、プロの転職コンサルタントによるサポートが必要と考えます。宮城県に本社を構えるヒューレックスは、多くの半導体関連企業とのつながりがあり、求人紹介を行うことも可能です。
半導体メーカーへの転職を目指す方は、ぜひ一度お問い合わせください。知識と実績豊富なコンサルタントが、転職活動をサポートいたします。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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