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優良中小企業が求人サイトで見つからない理由は?
積極的に求人広告を打ち出している大企業と比較して、優良中小企業の求人はなかなか見つけられない印象があります 。なぜ中小企業の求人情報は見つけにくいのでしょうか。主な3つの理由を紹介します。
広告費用がかかる求人サイトに掲載しない企業が多い
求人サイトに広告を載せるとなると、掲載料が発生します。掲載費用はサイトによって異なりますが、リクナビやマイナビなど大手求人サイトの場合は、月額10~20万円程度が相場です。広告を大きくしたり、オプションをつけたりすると30万円近くすることも 珍しくありません。年間にすると、かなりの出費になります。そのため、採用経費が限られている中小企業では掲載を見送ってしまうことがあります。
大手企業の華やかな求人に埋もれてしまう
多くの求人サイトでは、写真や社員のインタビューを掲載できるオプションを設定しています。予算が潤沢な大企業は広告を大きく打って、求人の露出をはかりますが、スペースの小さい中小企業の広告は目立たない上、もともと認知度の低い中小企業の求人は見てもらえないことも。「中小企業の求人は見つけにくい」という印象を、転職希望者に持たれやすいのはそのためと言えます。
縁故採用に熱心な中小企業も存在する
自社の従業員の親族や知り合いを紹介してもらって、採用する縁故採用は企業の規模に関わらず存在します。しかし、中小企業は縁故採用に特に積極的な傾向があり、2014年に野村総合研究所が行った「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」によると、トップのハローワーク(28.4%)に次いで、教育機関からの紹介は2番目(20.2%)、友人・知人(親族含む)の紹介は3番目(11.2%)に多いことがわかっています。 企業のホームページ(7.8%)や就職サイト(7.3%)とは大きな差があり、利用が少ないと言えます。そのため、一般に提示している求人情報が少ないと感じるのかもしれません。
人手不足に悩まされる中小企業への転職は狙い目
求人情報が少ないイメージの中小企業ですが、実は何年間も人手不足に悩まされている企業が少なくありません。2017年に三菱 UFJ リサーチ&コンサルティングが行った「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」では、新規求人数を出している従業員30人未満の中小企業が急激に増えていることがわかります。
業種別に見て見ると、製造や卸売、小売、サービスとさまざまな業種が人手不足に陥っていますが、とりわけ建設業は人手不足が深刻であることがわかります。企業にとって人手不足は大きな課題ですが、求職者にとっては中小企業への転職のチャンスと言えるのではないでしょうか。
画像引用:深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命|中小企業白書 2018
中小企業の求人を探す方法5選
探し方や閲覧する媒体の幅を広げてみることで、優良中小企業の求人を見つけられる可能性が高まります。ここからは中小企業の求人を探す5つの方法を紹介します。
転職求人サイト
リクナビやマイナビなど、転職情報に特化した転職求人サイトは多々存在します。そのなかでも優良中小企業を探すとなれば、
- 中小企業の求人数
- 企業の情報量
- 求人サイトのサポート体制
の3つを重視して選ぶことをおすすめします。中小企業は公式ホームページがシンプルで、知りたい情報や会社の雰囲気がわからないこともあるので、情報量の豊富さは重要です。
あまり知名度のない中小企業への応募が不安ということであれば、応募企業に関する質問や相談のサポート体制が整っているサイトがおすすめです。
中小企業に特化した求人サイトを5つまとめて紹介します。
求人サイト名 | 特徴・おすすめの人 |
---|---|
リクナビネクスト | ・安定した経営をしている中小企業の求人が多い ・充実の求人数 ・幅広い年齢層の転職希望者が利用できる ・大手から中小企業まで満遍なく探したい人におすすめ |
doda | ・地方の優良中小企業の求人紹介に注力する方針 ・非公開求人が充実している ・転職フェアに参加しつつ活動したい人におすすめ |
はたらいく | ・地元/地域に密着した求人サイト ・「ひとがら」をアピールできる機能あり ・UIターン支援サービスあり ・地方の中小企業に絞って検索したい人におすすめ |
マイナビ転職 | ・安定した経営をしている中小企業の求人が多い ・転職ノウハウ情報が豊富 ・中小企業の転職情報が充実している ・有益な情報を取り入れながら転職活動したい人におすすめ |
地元の求人情報誌
ローカルな求人情報誌は、掲載料が大手サイトに比較してリーズナブルで、掲載している企業も少なくありません。自分が住んでいる、もしくは転職したいと考えているエリアの求人情報誌や情報誌を集めてみてはいかがでしょうか。思いもよらぬ求人情報が見つかるかもしれません。ただし、零細企業である可能性もあるため、情報収集はしっかりと行ってください。
ハローワーク
求人情報を手っ取り早く集められるハローワーク。地元の求人に特化していて、良いと思う求人を見つけたら、職員のサポートを受けながら転職活動を進められます。その一方で、同じ企業が常に同じ情報を掲載していることも少なくありません。そのような企業は離職率が高いブラック企業の可能性もあるため、定期的にチェックしておくことをおすすめします。
地方の転職フェア
転職サービス会社や地元の商工会議所が定期的に開催している転職フェアに参加して、求人情報を集める手もあります。業種・職種問わず、さまざまな企業が集まっているため、転職活動の知見を広げられるはずです。企業の採用担当者と直接触れ合うことで、その企業の社風を感じられるところもメリットです。
転職エージェント
転職サイトとは別に、転職エージェントに登録して優良中小企業の求人を紹介してもらうことができます。希望勤務地のエリアに特化した転職エージェントであれば、コンサルタントも地域の情報を熟知していて、知る人ぞ知る優良中小企業の求人を紹介してくれるかもしれません。求人情報以外にも、生活情報なども教えてもらえるため、UIターン転職希望者にもおすすめです。
中小企業への転職に失敗しない、応募する企業選びのポイント
良いと思う求人を見つけても、すぐに応募するのは早計です。中小企業といっても千差万別であるため、情報収集をしてその企業に関する基礎知識を蓄えてから応募すると、失敗を避けられるかもしれません。
企業理念
どんなに給与や福利厚生が充実していたとしても、応募企業の理念に共感できなければ、入社後にやりづらさを感じて後悔する可能性があります。そのため、まずは社長あいさつや企業理念に目を通して、自分が会社に貢献できるかどうかを考えてみてください。自分に合う会社であれば、その職場でやりがいを感じられるかもしれません。
従業員の定着率
上場企業であれば有価証券報告書に、社員の平均継続年数が掲載されていますので、ぜひ一度目を通すようにしてください。非上場企業であれば、口コミサイトや会社情報サイトから 平均的な継続年数をチェックして、従業員のおおよその定着率を把握しておきましょう。あまりにも継続年数が短い企業はブラック企業の可能性があるので要注意です。
売上高・収益
上場企業は四半期ごとに決算で売上高や収益を発表していますので、経営状況が一目瞭然です。右肩上がりの業績を遂げている企業であれば、今後はさらなる成長を期待できます。未上場企業であっても、優良経営の中小企業は公式サイトで売上高・収益を公開していることが多く、優良企業か否かを判断するひとつの指針になります。
社長や人事担当者の対応
転職フェアへの参加時や応募時には、採用担当者や企業の役員の反応をよく見ましょう。明らかに元気がなかったり、横柄な態度であったりする企業は、社内の雰囲気が不穏であるかもしれません。また、メールや電話の返信があまりに遅い企業は、全体的にルーズである可能性も。公式サイトや数字だけではなく、経営者や従業員の雰囲気も応募企業を決める重要な要素です。
先輩たちの口コミサイト
最近は、転職経験者 や応募企業に勤務していた人が口コミを投稿できるサイトが充実しています。会員登録は必須ですが、こうしたサイトの情報は決して侮れないため、ひと通り目を通しておくと良いでしょう。ただし、なかには個人の主観を書き込んでいる人もいるため、鵜呑みにしすぎないようにしてください。
優良中小企業への転職を目指すなら転職エージェントがおすすめ!
日本の企業のうち、中小企業は約99%を占めていて、そのなかには大企業に成長する可能性を秘めている企業も多々存在します。その一方で、成長が足踏み状態にある企業も存在するため、転職活動時には、見極めを慎重に行わなければなりません。
しかし、未上場の中小企業は一般に公開している情報が少なく、自分では優良企業か否かを判断しにくいことも。一人では十分に情報収集ができない、自分で良い企業を見つけ出す自信がないという方は、一度転職エージェントの利用をおすすめします。
大手はもちろん、中小企業に特化した転職エージェントは一社一社の情報を熟知していて、最適な求人情報を紹介してくれるはずです。また、書類添削から面接指導までサポートしてくれるため、初めて転職活動する方にとっては心強い味方となります。
地方特化型転職エージェントのヒューレックス株式会社は、地元の金融機関と提携していて、豊富な情報を日々提供しています 。優良中小企業の非公開求人も充実しているため、一度ぜひご相談ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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