転職回数は何回から不利になる?転職回数が多い方のためのポイントを紹介

一般的に、転職回数が多い人は転職で不利になると言われていますが、その理由は転職回数が多ければ多いほど、「忍耐力がない」「責任感がない」「またすぐ辞めてしまうのではないか」というネガティブなイメージを与えてしまうからです。また、転職回数が多いと「勤続年数が短く、十分なスキルや知識を得ていない」といった印象も与えかねません。

では、具体的に転職回数が何回くらいから不利になるのでしょうか?今回は、採用担当者を対象としたアンケートや調査結果をもとに、実際には転職回数が何回目から不利になるのか解説いたします。採用担当者の本音や転職回数が多くても転職を成功させるポイントについても紹介いたします。

転職回数は何回から不利になる?

一般的に「転職回数が多ければ多いほど、転職時に不利になる」と言われていますが、何回目くらいから不利になるのでしょうか?リクナビネクストが採用担当者を対象に行なったアンケート結果をもとに見ていきましょう。

採用担当が気にするのは「転職回数3回目以降」

リクナビNEXTが採用担当者を対象に行なったアンケート調査によると、転職回数1〜2回までは「気になる」と回答したのは10%ですが、3回目から「気になる」と回答した方が大幅に増え40%に。転職回数4〜6回は32%、7〜9回は6%という結果になりました。

転職回数3回目以降から「気になる」と回答した方がぐっと増えていることから、転職回数3回目くらいからが転職が不利になる分岐点と言えます。

ただし、「転職回数は気にならない」と回答している方が15%いるので、「転職回数が多いから転職できない」ということではありません。

転職歴は何回目くらいから気になりますか

画像参考:リクナビNEXT 採用実態調査

転職回数が多くても十分チャンスはある

転職回数が多いと転職に不利になる傾向がありますが、転職回数が多いからと言って転職できないわけではありません。

70%以上の企業が転職回数3〜5回の応募者を「採用したことがある」と解答!

ほとんどの企業が転職回数を気にしてはいるものの、「明確かつ妥当な転職理由」と「スキル・経験」があれば転職回数関係なく採用される可能性は大いにあります。

リクナビNEXTが行った「これまでに採用した人で、もっとも転職回数が多かった人は?」のアンケートによると、3〜5回と回答した企業が72%と最も多いことから、転職回数3〜5回くらいまでが一般的な採用のラインと言えるでしょう。

これまでに採用した人で一番多かった転職回数は?

画像参考:リクナビNEXT 採用実態調査

あまりにも回数が多いとやっぱり不利

前述の通り、リクナビNEXTの調査によると転職回数6回以上の方を採用実績がある企業は全体の19%もあるため、転職回数が多くても採用の可能性は十分にあります。

とはいえ、転職回数が6回以上になると採用実績が極端に落ちているのも事実。他の候補者と比べられたときに転職回数で負けてしまうということもあるため、やはり転職回数が多いと不利になるということに変わりありません。

回数だけでなく1カ所に在籍した期間や、年齢などによっても評価は変わってきます。若年時の転職回数の多さは特にチェックされますので、心得ておきましょう。

採用担当者はここを気にしている!

ここでは、採用担当者が転職回数のどのような点を気にしているのか、転職エージェントのヒューレックスが行ったアンケートを元に紹介いたします。

  • [「転職回数3回から気になる」と回答【メーカー系】
    その方の年齢にもよりますが、基本的に転職回数が多い方はどうしても「また転職してしまうのではないか」という印象を受けてしまいます。面接時に、明確かつ妥当な転職理由が聞ければ特に問題ありませんが、さすがに転職回数が5回以上の方は書類選考の時点でお断りさせていただいています。
  • 「転職回数5回から気になる」と回答【IT・Web系】
    基本的に転職回数よりも、その方の経験・スキル・人柄を重視していますが、転職回数も気にはなります。正確に言うと、転職回数というより勤続年数ですね。最低でも3年は続けている方が望ましいです。そのため、20代の方であれば3回くらいまで、30代であれば5回くらいまでであれば問題ありません。
  • 「転職回数7~9回から気になる」と回答【サービス系】
    転職回数が少ないからといって、優秀な人材かというと、そうではありません。基本的には転職回数ではなくその方の年齢や経験、転職理由を伺って採用の可否を判断しています。
  • 「転職回数は気にならない」と回答【総合商社】
    当社に入社されてからのビジョンが明確であれば、個人の能力やスキルと転職回数はあまり関係ないという方針なので、転職回数が多くても採用したいです。採用難の状況下で、転職回数だけで良し悪しを判断してしまうのは機会損失だと思っています。

 

一般的な転職回数は?

一般的な転職回数は?

画像参考:リクナビNEXT 採用実態調査

2017年のリクナビNEXTの調査によると、各年代の転職経験がある人は20代で24%、30代で53%、40代で62%という結果になりました。この調査結果を元にそれぞれの年代別に一般的な転職回数を見ていきましょう。

20代の一般的な転職回数は1〜2回

転職回数を見ると、20代はそもそも転職経験がある方が少ないものの、転職回数1回が16%、2回が6%、3回以上が2%という結果から分かる通り、転職回数1〜2回が一般的と言えます。

ただし、20代で転職未経験の方が76%もいるので、転職回数0回の方が企業からの印象は良くなるでしょう。

30代の一般的な転職回数は多くても3回ほど

30代になると、転職経験者が53%とぐっと増えます。30代は、転職回数1回が24%、2回が16%、3回以上が13%という結果から、1〜3回くらいが一般的と言えます。

40代の一般的な転職回数は多くても5回ほど

40代では、6割以上の方が転職を経験していることが分かります。40代になると、転職回数1回が20%、2回が18%、3回が11%、4〜5回が12%、6回以上が2%という結果から、1〜5回くらいが一般的と言えます。

転職回数が多い人でも転職を成功させるコツ

転職回数が多くても転職は可能ですが、転職回数を重ねるとどうしても企業からの印象は悪くなってしまいます。ここでは、転職回数が多くても転職を成功させるコツを紹介いたします。

ポジティブな転職理由を明確に説明できるように準備する

転職回数が多くても、転職理由が明確かつ妥当であれば気にならないという企業は多く存在します。

そのため、転職理由を聞かれたときは、転職回数に関わらず理由を明確かつ前向きに答えることで「転職回数が多い」というネガティブな印象を変えられる可能性があります。

例えば、「1社目は商品やサービスに魅力を感じ入社」、「2社目はキャリアアップを目的に転職」、「3社目は商品の開発力の高さに魅力を感じ転職」など、それぞれの企業を選んだ理由がポジティブな内容であることが望ましいです。

また、「転勤の事例が出たがどうしても転勤できない理由があった」「職種変更を打診されたが今の職種にこだわりがあった」「過度に残業が多く続けられない事情があった」といった明確な転職理由があればぜひ伝えましょう。

ただし、「企業が悪い」という伝え方ではなく、「自分が希望する条件とはズレていた」とへりくだった伝え方をするのがおすすめです。

複数の職種や業種をまたいで転職している場合は一貫性がある点をPRする

複数の職種や業種をまたいで転職している場合は、「職歴に節操がない」という印象をもたれやすいため、それぞれの業務に共通する内容を見つけ、これまでの職歴に一貫性があることを伝えましょう。

例えば、「コミュニケーションスキルが活かせる仕事」「人のためになる仕事」「新しいアイディアが求められる仕事」などありますが、例のようなありきたりな内容ではなく、どのようにコミュニケーションを活かしたいのか、そもそもなぜコミュニケーションスキルを活かしたいのかというように内容を具体的に説明することでより、企業の採用担当者から納得感が得られやすくなります。

職務経歴書の書き方を工夫する

職務経歴書は転職時に必ず必要になる書類です。転職回数が多い方は、ただ「転職回数が多い」という印象を与えてしまわないよう、魅力的な内容になるように工夫しながら作成する必要があります。

転職回数の多い方がやってしまいがちなのが、職歴を1社1社脈絡なく書き綴ってしまうこと。職務経歴書は、「能力・経験・スキルを分かりやすく記述する」ことが基本ルールです。

以下で詳しく紹介していますので、参考にしてみて下さい。

1〜2枚の用紙に要点を整理してまとめる

転職回数を重ねれば重ねるだけ職務経歴書のボリュームは多くなりますが、過去の職歴を省略することなく全て記載するようにしましょう。長すぎると途中で読むのを辞めて不採用という判断をされることもあるので、必ず直近の職務経歴から書き始め、要点をまとめて記載するようにしてください。簡潔に分かりやすく1〜2枚ほどに収めるのがポイントです。

PRできるポイントを具体的に書く

転職回数が多くなるとどうしてもマイナスイメージが強くなり、PRが埋もれてしまいがちです。職務経歴書を作成する前に、自身のPRポイントを職歴ごとにしっかり棚卸しし、簡潔かつ分かりやすく記載しましょう。応募先企業の業界や業務と絡めて、どのように活かせるか具体的に記載すると良いでしょう。

転職は多いが着実に成長してきたことをPRする

転職回数が多いとその分求められるスキルや経験のハードルがぐんと上がるため、転職によってどのような知識・経験・スキルを獲得してきたのかを伝えることが重要です。職歴ごとに記載するのはもちろんですが、これまでの一連の転職を通じてどう成長してきたかを伝えるとなお良いでしょう。

入社後に提供できる価値や貢献できることを具体的に伝える

転職回数が多いというネガティブな印象を打ち消すだけの魅力を企業に伝えることができれば、採用に大きく近づきます。自身が入社することで、どう貢献できるのか、企業にどのようなメリットがあるのかPRできるかどうかがポイントです。「自分が企業の採用担当者だったら採用したいと思うか」という視点で考えることで、効果的な内容になります。

※詳しくは、「職務経歴書の正しい書き方」をご覧ください。
※「【職種別】履歴書・職務経歴書のフォーマット(見本付き)ダウンロード」もあわせてご活用ください。

面接対策を十分に行う

書類選考に通過したら次は面接です。転職回数の多い少ないに関わらず「転職理由」は必ずと行っていいほど聞かれる質問なので、各職歴について転職理由をしっかりとまとめ、すぐに答えられるよう準備・練習しておきましょう。また、明るく、元気に、素直な対応は人柄という部分で評価に大きく繋がります。嘘をつかず正直に話すことも重要なポイントです。

転職回数にこだわらないベンチャー系企業や外資系企業を狙う

転職回数をあまり気にしない傾向にあるベンチャー企業や外資系企業を狙うという方法もあります。ただし、転職回数が多いことによってネガティブな印象を持たれるのは他の企業と変わりありません。ネガティブな印象を打ち消せる転職理由とこれまでの経験・スキルを持っているかどうかが重要です。

転職エージェントに相談して戦略を練るのがおすすめ

「転職回数が多いと転職できない」とは一概には言えませんが、転職回数が多くなるとそれだけ企業からマイナスイメージを持たれます。求められる経験・スキルのハードルも高くなるため、転職回数によっては転職活動に苦戦される方も少なくありません。

今回紹介したポイントを押さえて転職活動を進めることで、転職成功の可能性は大きくアップしますが、転職回数が多い方は転職エージェントの利用がおすすめです。職務経歴書だけでは、あなたの良さや魅力の全てを企業に伝えることは難しいですが、転職エージェントを利用すれば、あなたの代わって直接、企業にあなたのPRを行ってくれます。転職理由やこれまでの経験、スキル、知識、人間性などを漏れることなく企業に伝えアピールしてくれるため、より転職成功に近づけます。

また、あなたの希望に合わせて求人を紹介してくれたり、履歴書・職務経歴書作成のアドバイスや面接対策を行なってくれます。さまざまな転職エージェントがありますが、そのなかでもヒューレックスは地元企業や銀行とも強い信頼関係を築いておりますので、地元ならではの転職情報を皆様にご提供しています。転職をお考えの方はお気軽にご相談ください。簡単登録

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この記事の監修

須賀川 敏哉

神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。

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