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中小企業と大手企業の選考基準はここが違う!中小企業に刺さる志望動機とは?
志望動機を考える上で意外と見落としがちなのが、中小企業と大手企業の選考基準や募集内容の違いです。中小企業と大手企業では、求める人材が違うため、中小企業へ転職したい場合は中小企業向けの志望動機を伝える必要があります。
中小企業と大手企業で異なる求める人物像を理解し、それぞれのニーズに合わせて自分をPRすることが大切です。例えば、2017年に帝国データバンクが行った求めている人材に関するアンケートによると、「コミュニケーション能力が高い」人材と回答したのは大手企業が44.9%と約半数が求めているのに対し、中小企業は37.0%と低くなっています。
逆に、「素直である」「真面目、または誠実な人柄である」は大手企業がそれぞれ27.1%、16.9%に対し、中小企業は33.5%、21.2%と中小企業の方が高いことがわかりました。
また、「意欲的である」は、大手企業が48.6%、中小企業あが49.1%となっています。中小企業も、大手企業も高確率で必要な人材と感じているため、意欲的な部分をPRするのは効果的と言えるでしょう。
画像引用:帝国データバンク|人材確保に関する企業の意識調査
したがって、中小企業への志望動機を考える際は、
- 意欲的である
- コミュニケーション能力が高い
- 素直である
- 真面目、または誠実な人柄である
この3点を盛り込むようにしましょう。このように、中小企業が求めている人物像を事前にリサーチしておくことで、志望動機が考えやすくなり、より企業側のニーズに合った文章を作ることができます。
中小企業の志望動機を書く際に意識するべき4つのコツ
志望動機を実際に書く際は、ただ思いついたことを書き並べるのではなく、相手に伝わりやすくわかりやすい内容にしなくてはいけません。
大手企業に比べ中小企業は選考回数自体が少ない傾向にあるため、1回1回の面接や履歴書で伝える志望動機の質が問われます。2020年に株式会社マイナビが行なった調査によると、上場企業の平均面接回数は3.0回、非上場企業は2.4回と、非上場企業の方が少ないことがわかっています。
中小企業への転職では、より少ない選考回数でしっかりと企業にアピールするために、以下、4つのコツを意識して志望動機を考えましょう。
- コツ①わかりやすく簡潔に内容をまとめる
- コツ②自分の経験がどのように活かせるか?を明確にする
- コツ③働く際のビジョンを伝える
- コツ④応募先企業でなくてはならない理由をアピールする
1つずつ詳しく解説していきます。
コツ①わかりやすく簡潔に内容をまとめる
「志望動機は多いに越したことはない」と考えている方が多く見受けられますが、必ずしもそうとは限らず、本当に伝えたいことや企業が求めている回答をわかりやすく簡潔にまとめる方が大切です。どんな職業でも伝えたいことをわかりやすく伝える能力というのは、非常に重要視されます。選考時にその能力が備わっていることがアピールできるというのは、大きなポイントでしょう。
また、中小企業は大手企業に比べて選考回数が少ない傾向にあり、その分時間も限られます。少ない時間で最大限のアピールができるように「わかりやすく」「簡潔に」を意識してみてください。
「PREP法」という文章の書き方を学ぶことで、伝わりやすい志望動機が簡単に書けるようになります。参考の記事を載せておくので、ぜひ試してみてください。
コツ②自分の経験がどのように活かせるか?を明確にする
今まで自分が経験してきたスキルや知識が、応募先の企業でどのような形で活かせるのか、貢献できるのかを具体的に盛り込みましょう。中小企業は大手企業に比べて最終的な採用人数が少なく、即戦力を求めることが多いため、限られた人材の中からより自社に合ったスキルを持つ応募者を採用したいと考えます。したがって、いかに企業側のニーズに沿った人材かアピールすることが採用に向けて非常に大きなポイントと言えるでしょう。
例えば、下記のような実績やスキルをアピールすると効果的です。
- 自分の実績がわかる具体的な数値(営業成績◯位、売り上げ◯百万円など)
- マネジメントスキル(チームの参画人数、プロジェクト遂行にかかった期間など)
- 具体的な業務スキル(応募する職種に対して、どれくらいのレベルで業務ができるかを記載する)
このように、企業側に「自分を雇うことでどのような仕事を任せられるか?」を具体的にイメージしてもらえるような志望動機を考えましょう。
コツ③働く際のビジョンを伝える
志望動機では、入社後の目標やビジョンを伝えることが大切です。入社後の働き方や目標を考えるためには、企業について深く理解をする必要があり、事前の情報収集が必須です。企業側は、これらの転職希望者のビジョンを明確に伝えることができる人材は、情報収集能力や想像力、入社に対する意欲が高いと判断をします。
具体的にはこのようなビジョンを伝えると高評価を得やすいでしょう。
- 競合他社とのシェア率を改善する
- 売り上げ前年比〇倍を目標にする
- 企業理念に沿った働き方、考え方を持っていることをアピールする
- 応募先の職種に対し、自分が持っているスキルがどのように活かせるかを伝える
事前に企業リサーチをしっかりと行えば、採用担当者に響く志望動機が自然と作成でます。
コツ④応募先企業でなくてはならない理由をアピールする
志望動機を伝える際は、数ある中小企業の中でなぜその企業で働きたいのかをアピールする必要があります。そのためには、下記のような他社にはない応募先企業ならではの魅力と感じた部分を伝える必要があります。
- 企業理念への共感
- 魅力的な社風
- 今後の成長度合い
- 自分の経験がいかに活かせるか
- 他社にはない強みを持っている自社サービス
この場合、できるだけ具体的かつオリジナル要素の強い志望動機をアピールすることで、入社意欲のアピールにもつながります。
中小企業の志望動機で失敗しやすい3つのNG回答例
志望動機を魅力的に伝えるコツを習得すると同時に、印象を悪くしてしまう志望動機のNG例も学んでおきましょう。いくら良い志望動機を伝えられたとしても、たった一言で面接官の印象が悪くなったり、書類選考率が落ちてしまったりする可能性があります。最低限下記3つのNG例は、使わないように意識してください。
- 企業の条件面だけをアピールする
- 志望動機の例文をそのままコピーしてしまう
- 企業を踏み台にする考えを話してしまう
それでは、一つずつ見ていきましょう。
企業の条件面だけをアピールする
転職する際に給与や待遇などの条件面は非常に大切な要素ですが、条件面が良いからという理由が志望動機の中心になってはいけません。条件面ばかりアピールしてしまうと、自社よりも好条件の企業があればすぐに転職してしまうのではと、警戒される恐れがあります。したがって、あくまでメインの志望動機は応募先企業の企業理念への共感や、自分の経験が活かせるといった内容にします。
志望動機の例文をそのままコピーしてしまう
志望動機が考えつかないからといって、ネットで調べた例文をそのまま使うのはNGです。ネットに掲載されている例文は汎用性が高く、つい使いたくなりますが、書類選考率や内定率を上げるためには企業独自の魅力、自分ならではのアピールポイントを考える必要があります。
例えば、製造関連企業への志望動機でよく見かけるのが以下の文章です。
- モノ作りが好きだから
- 細かい作業が得意だから
- 御社で製造している◯◯に興味があるから
このような志望動機は、同じ選考を受けているライバルも当然アピールしてくるので、他者との差別化を図りオリジナリティの高い志望動機を用意しておきましょう。
企業を踏み台にする考えを話してしまう
志望動機を伝える際に、応募先の企業でスキルを身につけてから大手企業へ転職したいと本音を包み隠さず話してしまう人がいますが、絶対にNGです。一見キャリアアップ志向であることを伝えているように感じますが、企業側からすると自社を踏み台にされると捉えられてしまいます。キャリアアップ思考は決して悪いことではないので、他社へ転職するのではなく応募先企業でのキャリアアップを目指していますと伝えましょう。
【業種別】中小企業の志望動機に効果的な3つの例文を紹介
続いて、中小企業の志望動機を考えるのに役立つ3つの例文を紹介します。志望動機を考えるコツやNG例を踏まえた上で、自分の経験やスキルを織り交ぜながら文章を作成しましょう。
営業系の志望動機例文
私はアパート・マンション売買の営業として3年間従事してきました。販売単価が非常に高い商材でしたので、入社当初は全く販売することができずに苦労しました。しかし、お客様のニーズを徹底的に考え、電話やメールではなく直接顔を見て会話をすることで本質的な欲求を探ることを意識し、アパートやマンションを売るのではなく、お客様の抱えている問題解決に注力をしたところ、徐々に販売数を伸ばすことに成功しました。
入社1年後には300名の新入社員の中で売り上げトップを獲得し、新人賞を受賞することができました。貴社の販売している商材とは違いますが、お客様に寄り添い提案するということは、営業の基礎であり非常に大切なことであると考えています。今までの経験、スキルを活かし貴社に貢献したいと思っております。 |
製造系の志望動機例文
私は精密機器メーカーで製造と製品開発の業務に5年間従事してきました。上流の開発工程から下流の製造工程まで一貫して業務をこなすことができます。そのため、現場で働くスタッフが抱える悩みがわかるので、各部門の調整役として貢献できます。また、実務作業の経験から作業の効率化、ボトルネックの改善も可能です。したがって、貴社が求めている管理者としてのスキルを活かせると考えています。
貴社の高い技術力と風通しがよく意見やアイデアを取り入れてもらえる社風に共感し、自身の成長と共に貴社の成長にも尽力していきたいと思っております。国内シェア1位を目指せるように、日々情報収集とスキルアップを目指し、日々学んでまいります。 |
IT系の志望動機例文
私は大学卒業後、システム開発会社でシステムエンジニアとして経験を積んできました。自社アプリ、サービスの開発を主に担当し、Java、PHPといった言語を得意としています。多くの人に喜んでもらえるサービスを一から作りたいという思いがあり、貴社が作り出そうとしている新しいサービスに強く共感しました。また、御社の企業理念である「◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯」に感銘を受けました。
常に企業理念を念頭に置き、自分の今まで培ってきた経験を活かして、よりよいサービス開発に貢献していきたいと考えております。 |
それぞれの例文のように、以下のことを意識しましょう。
- 自身が即戦力であること
- 応募先企業ならではの社風やサービスへの共感
- 今までの実績
- 入社後のビジョン
これらを意識的に盛り込むことで、効果的な志望動機を作成することができます。
中小企業への志望動機に悩んだら、転職エージェントに相談を
中小企業へ転職を考えている方は、転職エージェントの利用を検討してみてください。転職エージェントは、応募企業がどのような人材を求めているかを深く理解しており、的確な志望動機を作成することができます。
また、自身の経験が活かせる企業の紹介、面接に関するサポートなどもしてもらえるため、書類選考率、内定率の上昇につながります。
ヒューレックスは、中小企業への転職サポートを得意としている転職エージェントです。応募先企業の情報を元に応募書類の添削や面接トレーニングなどを無料で実施しています。 中小企業への転職でお悩みの方は「ヒューレックス」へぜひお問い合わせください。
この記事の監修
須賀川 敏哉
神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。
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