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失敗しない転職先の決め方5選
転職先を決める際の基準で何を優先させるかは、人によって差があります。収入を優先させる人もいれば、やりがいを優先させる人もいるのです。
まずは「自分が何を優先しているのか」をしっかりと把握しましょう。転職先を決めるために、多くの人が重要視している項目を1つずつ詳しく解説します。
①職種・仕事内容で決める
転職先を決める際に、職種や転職後の仕事内容は非常に重要です。自分が得意な分野や、興味のある分野を選ぶことで転職後の評価、モチベーションは大きく変わります。
逆に、興味もやりがいもない職場に転職し、後悔してきたケースは少なくありません。
また、今後伸びていく職種を選択することで、どんな職場でも重宝されるスキルを身につけることができます。以下のような「今後に期待できる職種」を選ぶのも良いでしょう。
業界 | 職種 |
---|---|
IT業界 | エンジニア全般、プログラマー、製品/研究開発、システム開発/運用、ITコンサルなど |
Web業界 | 広告運用、Webマーケター、Webライター、SNSマーケター、Webコンサルなど |
医療業界 | 医師、薬剤師、看護師、助産師、救命救急土、歯科衛生士など |
福祉・介護業界 | ホームヘルパー、ケアワーカー、保育士、社会福祉士、ケアマネージャーなど |
エンタメ業界 | 動画クリエイター、アニメ制作、映画制作、eスポーツ、ゲーム開発など |
ドローン業界 | 空撮カメラマン、測量土、ドローン操縦講師、プログラマー、エンジニアなど |
今後、特に需要が見込める業界にチャレンジし、多くの企業から必要とされる人材を目指してみましょう。
②収入で決める
生活をしていく上で収入は欠かせません。もちろん、多ければ多いに越したことはありませんが、報酬形態や賞与といったチェックするべきポイントはいくつもあります。
下記のような収入に関する条件を満たしている転職先を選ぶのも手でしょう。
- 年収額
- 月収額
- ボーナス
- インセンティブ制度
- スキルに応じた手当
- 報酬制度(年棒制、月額制、歩合制など)
企業によっては高月収にも関わらず、ボーナスがないため年収単位でみると実際の収入が少ないこともあります。逆に、自分の実力に自信のある人は基本給が低くても、インセンティブ制度(歩合給)を導入している企業で結果を出して収入を上げる方法も良いでしょう。
③企業の規模・経営方針で決める
転職先を決める際、意外に見落としがちなのが「企業の規模」です。企業規模によって仕事のやり方や考え方は大きく違い、人材における“優秀さ”の判断基準が大きく異なります。
たとえば、大手企業と呼ばれる職場では、社内のルールやコンプライアンスを正しく守り、言われたことを素直にこなせる「守備型」の人材が求められる傾向が強いです。中小企業やベンチャー企業は、リスクを恐れず積極的にチャレンジをする「攻撃型」の人材が求められる傾向にあります。
応募先の企業規模を確認して、自分の仕事のやり方と合うかどうか考えてみてください。
企業規模のタイプ ■ 大手・上場企業 ■ 中小企業 ■ ベンチャー企業 ■ スタートアップ企業 |
いざ入社してみると、評価制度や職場環境が今までと違い「全く評価されなくってしまった」という可能性もあり得るので、自分の経験と企業の規模を照らし合わせて転職先を見定めましょう。
④労働環境・福利厚生で決める
どれだけ収入が高い職場でも、労働環境や福利厚生が悪ければ長く働くことはできません。多くの人は社員のことをサポートしてくれる制度のある企業に魅力を感じます。たとえば、年収を1,000万円稼げる企業でも、退職金制度がなかったり、休日が極端に少なかったりすれば、不平不満が溜まっていくはずです。入社後に後悔しないよう、以下の条件が備わっているか 必ず確認しておきましょう。
- 育児休暇、介護支援制度、退職金制度
- 年金制度
- 社宅、家賃補助制度
- 時短勤務制度
- 自己啓発・研修制度
- リフレッシュ休暇制度
- 法定休日以上の休暇
最近では、男性も育児休暇を取れる企業が増えてきました。世の中の流れに柔軟に対応している企業は非常に魅力的と言えます。
⑤経験を活かせる職場で決める
自分が今まで経験してきたスキルや知識は、転職先でも活かせることが多いでしょう。特に、同業種に転職する場合、即戦力として管理職を任され、収入がアップすることもあります。転職先で活かしやすい経験やスキルは、以下です。
- 資格
- マネジメントスキル
- 語学スキル
- 前職での実績
- 経営スキル
新しい職種にチャレンジするのも魅力的ですが、今までの経験を活かしてステップアップしていくのも良い手段です。
⑥転職軸をまとめて優先順位を整理する
転職を決めるための条件がある程度定まったら、優先順位を整理しましょう。転職に求める条件が多すぎるといつまで経っても悩んでしまうため、各条件を点数化し、総合点の高い企業を選んでいきます。
まず、自分が大切にする条件を5〜10個程度ピックアップし、各条件の優先度を1〜5点の間で点数をつけましょう。その際に、自分が今まで働いてきた職場の良かった条件も記載してください。そうすることで、自分が本当に求めている条件が浮き彫りになります。最終的に、点数が高く前職で良かったと感じた条件が最も大切にしている転職軸ということです。
実際に条件を整理した表を作成したので、転職軸が決められない人はぜひ活用してみてください。
優先順位の高い条件 | 点数 | 前職の魅力的だった点 |
---|---|---|
職種 | 5点 | ・色々な業務に積極的にチャレンジできた
・責任のあるポジションを経験させてもらった ・社員同士の仲が良く人間関係でストレスがなかった ・未経験でも丁寧な研修が設けられていた |
年収 | 2点 | |
やりがい | 5点 | |
休暇日数 | 3点 | |
年金制度 | 2点 | |
研修制度 | 3点 | |
企業規模 | 1点 | |
社風・経営理念 | 4点 |
上記の表を見ると、以下のような条件を求めていることがわかります。
- 職種にこだわりがある
- 多くのことを経験したい
- やりがいのある仕事がしたい
- 企業の大きさは気にしていない
- 社内の人間関係を大切にしたい
この条件を踏まえて、自分が求める企業をイメージしてみましょう。そうすると、色々なことにチャレンジできる「ベンチャー企業」や、重要なポジションを任されやすい「スタートアップ企業」が視野に入ります。あとは、上記の転職軸に当てはまる企業へ応募するだけです。
このように、実際に自分が考えていることを書き出してみると、頭の中が整理されるので、ぜひ試してみてください。
転職軸がないために失敗した事例
転職先を決める際に、転職軸がはっきりしていないと転職後に後悔するリスクがあります。転職軸がブレてしまうと、将来の目標やキャリアプランも同じようにブレてしまうからです。収入や転職後のポストも確かに重要ですが、目先の条件に囚われすぎて失敗した事例は少なくありません。
実際に転職軸が原因で転職に失敗した例を紹介します。
もともと「40代でコンサルタントとして独立する」という目標を持っていたが、30歳の時に営業スキルを高めようと思い、商品販売力が問われる営業職に転職。結果、経営課題を解決する の視点を養うことができず、40代のいま独立が難しい状態に。 40代男性|システムエンジニア→OA機器営業|大手企業 |
現職の年功序列制度に嫌気がさし、実力評価制度のベンチャー企業へ転職。しかし、たった1度の発注ミスで経営者から目をつけられてしまい、全く評価されず年棒が激減。 20代女性|部品メーカー営業→Web広告営業|ベンチャー企業 |
仕事でのやりがいを求めて、今までの経験を活かした仕事を探していたところ、事業所長を任せてもらえる企業へ転職。しかし、労働環境が過酷で連日連夜の深夜残業。土日も出勤せざるを得ない状況で体調を崩してしまった。 30代男性|介護士→介護施設所長|中小企業 |
不動産販売事業で営業成績トップ5に入る実力が評価され、外資系コンサル企業へ転職をしたが、これまでの社風、評価制度が全く異なり、今までのスキルを活かせず挫折。 20代男性|不動産営業→外資系コンサルタント|大手企業 |
自分が重要視していないと思っていた転職軸が、今までは満たされていたため気づかずに、転職して後悔するケースが多いようです。転職軸は入念に洗い出し、優先順位を間違わないようにすることが大切です。
複数内定をもらった時の転職の決め方
転職する際、応募先の企業も悩みますが、応募した後に複数の企業から内定をもらった場合も悩んでしまいますよね。自分の意思で選択した企業なので全てが魅力的に感じてしまい、決められない人が多いようです。
このような場合に、悩まず転職先を決めるコツや方法を4つ紹介します。
転職条件にこだわりすぎない
転職の条件は非常に重要で、じっくりと考える必要があります。しかし、条件にこだわりすぎてしまい、いつまで経っても転職先 が決まらないのは本末転倒です。
最終的なゴールは「希望条件にあった企業に転職をし、自分が理想とする幸せな生活を送ること」です。転職条件が完璧に当てはまらないからと言って 転職条件ばかりに囚われすぎないように気をつけましょう。
あらかじめ、転職までの期間を設定してくと、期間内に決めなくてはいけないという気持ちが働くので、悩む時間は減るでしょう。多くの仕事はやってみないとわからないことが多いため、積極的にチャレンジする姿勢も大切です。
オファー面談で条件を確認しておく
「オファー面談」とは、内定後の就業条件を企業に質問、交渉をするために設けられる場です。オファー面談をした結果、1番マッチングすると感じた企業を選ぶのも良い手段でしょう。
企業がなぜオファー面談を実施するかというと、事前に内定者と企業側で入社後のイメージを共有しておくことで、内定辞退のリスクを減らすためです。企業側だけでなく、内定者側にも多くのメリットがあり、年収アップの交渉や入社後の疑問点や不安点などの質問もできます。
オファー面談で確認しておくべきポイントは以下の通りです。
- 年収条件
- 業務内容
- 就業場所
- 就業時間
- 研修制度
- 福利厚生
この他にも、気になることがあれば遠慮せずに質問しましょう。
内定先の口コミを確認する
内定先に職場体験や体験入社などの制度がない場合、内定先の口コミ情報をチェックしましょう。口コミサイトでは、企業で実際に働いている、または働いていた人のリアルな評価を知ることができます。口コミサイトを利用するコツは複数のサイトを併用して使うことです。同じ企業でもサイトによって全く口コミの内容が違う場合もあるので、いろいろなサイトで比較してみましょう。おすすめの優良口コミサイトをまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
■ キャリコネ
■ 就活会議
■ openwork
■ en Lighthouse(旧「カイシャの評判)
■ はたらくホンネ
ライフプランとキャリアプランを同時に達成できる企業を選ぶ
今の時代、ライフプランとキャリアプランを両立できる企業が増えています。昔に比べ、プライベートの重要性が認知されてきています。両立を叶えるには、時代に合った柔軟な考え方ができる企業を選びましょう。
自分が理想とする仕事とプライベートのバランスを、しっかりとイメージすることが大切です。
ライフプランニングとは、自分のライフスタイルに合わせた企業選びをすることです。たとえば、勤務先と自宅が離れていると通勤に時間がかかってしまうため、どうしてもプライベートの時間が削れてしまいます。遠い勤務先を選ぶのではなく、自宅から近い職場を探すのも1つの手段です。
キャリアプランニングとは、自分が理想とするキャリアプランに合った企業選びをすることです。自分が思い描く将来の立場や仕事内容を具体的にイメージし、そのイメージを達成できるような企業を選びましょう。
ただし、どちらかに比重を傾けるのではなく、あくまでバランスの取れた企業を選ぶのがコツです。
転職の軸に悩んだらプロのコンサルタントにご相談を
転職先を決めるのは、人生にとって大きな決断です。したがって、1人で悩むのではなく、多くの求職者の転職活動を支援してきた転職エージェントに相談することをおすすめします。1人で悩むよりコンサルタントから客観的な意見を聞くことで、思いがけないヒントが生まれることもあります。
ヒューレックスでは、多くの転職サポートの実績を踏まえて、失敗しない転職先を決めるアドバイスをさせていただきます。転職先の選び方で悩んでいる人は、ぜひヒューレックスの「転職相談」をご活用ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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