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「働きながら転職活動すべき」と考える人が過半数
株式会社ビズヒッツの調査によると、転職活動経験がある男女500名のうち、7割以上の人が「働きながら転職活動をすべき」と回答しています。
つまり、自身の転職活動を振り返った時に、辞めた後の転職活動よりも辞める前の転職活動の方が受けられるメリットが大きいと考える人が多いため、辞めてからの転職はおすすめできないと言えます。
しかし同時に、同調査の「転職活動は働きながらか辞めてから行ったか」という設問に対し、ほぼ半々の回答という回答結果となっています。
本記事では、それぞれのメリットとデメリットを挙げて検証していきますので、それぞれ比較し、自分に合った転職活動をスタートできるきっかけにしてみてください。
仕事を辞めてから転職すべき人の特徴
基本的に働きながらの転職活動がおすすめです。しかし、次のような人であれば、辞めてから転職しても問題ありません。
転職先をすぐに決まる予定がある&自信がある人
転職活動に時間がかからないことが事前に分かっている人であれば、辞めてから転職をしても問題ありません。例えば、「先方の人事権のある人 から直接声をかけられている」状況や、「どの企業も欲しいと思う特筆したスキルや難関資格を保有している」場合などが挙げられます。
辞めてからの転職は、職歴にブランク期間ができ、結果として次の転職先が決まりづらくなることが大きなデメリットの一つですが、この場合であればそのデメリットを感じずに転職を成功できます。
労働環境や家庭の事情などすぐに辞めなければならない原因がある人
そのまま現職を続けることで、キャリア以外に悪影響が出かねない以下のような場合も、辞めてからの転職がおすすめです。
一つ目は「現職の労働環境が劣悪である」という状況下にいる人です。現職で長時間残業や極度のパワハラなどのストレスが蓄積されていくと、心の病気を患ってしまい、転職活動はおろか働くことすらできなくなる恐れがあります。もちろん転職活動に響くだけでなく、それ以上に自分の人生すら壊れかねませんので、その場合はすぐに辞めてから転職活動をしましょう。
二つ目は「家庭の事情がある」人です。パートナーの転勤に付いていく必要があったり、親の介護のしなければならなかったりする場合は、辞めてから転職をして問題ありません。この場合はキャリアのブランク期間における事情がはっきりしていますので、応募企業にも受け入れられやすい傾向にあります。
働きながら転職活動するメリットとデメリット
ここからは、働きながら転職活動をするメリットデメリットについて、先ほども取り上げたビズヒッツ社の調査データを元に解説します。状況にもよりますが、基本的に働きながら転職活動をすることがおすすめです。
メリット
金銭的に安心感がある
回答者の内、約6割の回答があった、転職活動を働きながらすべき理由の1位です。転職活動をしている間も生活費はかかりますし、面接のための交通費もかかってきます。転職は本来「自身の望むキャリアを叶えるための手法」ですが、金銭的に余裕が無くなると、「転職をすること自体がゴール」になり、目的と手段が逆転してしまいます。
自分の本当に歩みたいキャリアを見つけるには相応の時間をかける必要があるので、金銭的に安心感があるというのは非常に重要なメリットです。
精神的な余裕を持てる
働きながらの転職活動であれば、無職になってしまう不安やリスクがないため、焦らずに転職活動と向き合うことが可能です。
同調査の回答者コメントでも、
「焦って妥協してしまい、後悔している」
という回答も多く寄せられています。
余裕がない状態で焦って転職活動を進めてしまうと、十分な企業研究ができずに入社せざるを得なくなってしまい、結果として転職後に強いギャップを感じ、早期離職にも繋がりかねません。そうならないためにも、現職で働きながら転職活動をすることがおすすめです。
キャリアにブランクができない
辞めてから転職活動をすると、必然的にキャリア(履歴書・職務経歴書)にブランク(空白期間)ができてしまいます。面接において、ブランク期間に何をしていたのかは高い確率で聞かれます。
ブランク期間で転職活動をしていたと伝えると、「嫌なことがあったら辞めてしまう→ウチに入社しても、仕事が合わないと感じたらすぐに辞めてしまう」という悪印象を与えかねません。転職ではブランクがない方が有利に進められる傾向があるので、ブランクを作らずに転職活動をすべきと言えます。
転職失敗時のリスクを回避できる
辞めてから転職活動をする場合、最終的に望んだ先に転職できれば良いですが、全ての選考に落ちてしまった場合無職になってしまいます。無職の期間が長ければ長い程、企業の見る目は厳しくなりますので、更に選考に通過しづらくなるという悪循環が生まれてしまいます。
働きながらの転職活動であれば、上記のような最悪の事態は回避でき、「一旦転職活動を諦めて現職に残る」といった選択も可能ですので、より安心感を持って自身のキャリアと向き合えるようになります。
モチベーションが保てる
「退職後に期間を空けると、働く意欲や自信がだんだん失われていく」
「期限を決めて行動する事により、ポジティブになれる」
といった回答もある通り、辞めてからの転職活動では働く意欲そのものがなくなる恐れがあります。そうならないためにも、働きながら転職活動をすることがおすすめです。
デメリット
仕事と転職活動の両立が困難
働きながらの転職では、終業後にも応募書類を作成したり、面接日時の調整をしなければいけません。このような転職活動に関わる作業については、転職エージェントが代行してくれるので、現職中の方は上手く利用することがおすすめです。
転職活動のための時間を確保しにくい
面接が平日の日中になってしまった場合、現職を休む必要が出てきます。そもそも有給休暇が取りづらい職場であれば、中々時間が確保できませんし、嘘を吐いて現職を休むのに心が痛むこともあるかもしれません。
早期入社しにくいため、不利になるケースも
現職がある場合は、仮に内定が出てからも引き継ぎ期間や有休消化を行う関係で、入社時期が遅れてしまうケースもあります。その期間分を事前に計算した上で転職活動ができていれば問題ありませんが、もしその期間を考慮していないと、「入社時期が面接時と異なる」という理由で内定取り消しに遭う可能性があります。転職活動にかかる期間を始めから逆算した上でスケジュールを組むようにしましょう。
業務の引き継ぎや転職手続きの時間が限られる
転職では、入社日が予め決まった上で内定が出されるケースがほとんどです。そのため、業務引き継ぎにかけられる日数や、人事手続きの期間が限られてしまいます。それらをスムーズに、かつ、一人で行わなければいけないので、事前準備をしておかないと最悪のケースも考えられますので注意してください。
働きながらの転職活動のポイント
基本的に働きながらの転職活動が多くの人におすすめですが、ポイントを押さえて行動しなければ、成功する前に挫折してしまう可能性が高まります。次のようなポイントに注意して、転職活動を進めてみてください。
休憩、休日、終業時間を有効活用する
業務中に転職活動の時間を割く事はできないので、それ以外の時間を有効活用して進める必要があります。「休憩時間中に求人を探す」「休日でまとまった時間に応募書類を作成する」「できる限り面接時間を終業後に調整してもらう」といった方法で、転職活動のための時間を捻出することがポイントです。
効率的に時間をつくる
転職活動では、面接以外でも応募書類の作成や、面接日時の調整、面接対策、求人検索など、フェーズごとに多くの時間がかかります。効率的に時間をつくるためにも、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントは、求人紹介のみならず、応募書類の添削や面接日程の調整代行など、転職活動において有効なパートナーとなってくれます。上手く活用することで、現職中でも余裕を持った転職活動が可能になります。
転職サービスを複数利用する
前述したデータでもある通り、働きながらの転職活動方法としては、「転職サイト(1位)」「転職エージェント(3位)」が多く挙げられていますが、これらの転職サービスは複数利用することがポイントです。複数利用することにより、漏れなく求人検索できるだけでなく、転職エージェントのサービスの質を担保することも可能になります。目安として3社前後のサービスを並行利用することで、更に効率的な転職活動が実現できるでしょう。
仕事を辞めてから転職活動するメリットとデメリット
ここからは、仕事を辞めてから転職活動をするメリットデメリットについて、前述の調査データを元に解説します。
メリット
転職活動に十分な時間を割ける
最も大きなメリットは、転職活動に集中して時間が割ける点です。情報収集や資格取得のための時間が確保できるのはもちろん、面接日時を柔軟に調整できるというのは、辞めてから転職活動をする最大の武器になります。
また、腰を据えて転職活動に集中できるので、「じっくり検討して納得のいく転職を成功させられる」と考える人も多いようです。
採用後、すぐに働ける
働きながらの転職だと、退職交渉や業務引き継ぎが長引いてしまいますので、採用から入社日まで日が空いてしまいかねません。一方、辞めてからの転職であれば、極論ですが内定翌日からでも働けます。
また、急募案件の求人に応募することで、すぐに働けること自体が有利に働くこともあります。
失業手当がもらえる
辞めてからの転職活動では、給与こそ発生しないものの、失業手当を受け取ることができます。失業手当を受け取るためには、ハローワークに申請したり、定期的にハローワークへの報告が必要になるなど、手間はかかってしまいますが、無一文になる事態は防げます。失業手当は受給期間も限られていますので、あくまでも次の仕事までのつなぎ資金として認識しておくようにしてください。
転職活動以外にも自由な時間をもてる
海外留学や旅行など、働いている時には得られない「まとまった自由時間」が確保できるのもメリットです。もちろんこの自由期間はキャリアにおける空白期間ですので、無為に過ごしていては転職成功が遠ざかってしまいますが、良い息抜きになるのではないでしょうか。
デメリット
職歴にブランクができる
職歴のブランクは最大のデメリットです。説明して誰もが納得するような空白期間でない限り、基本的に選考においてマイナスイメージを持たれてしまいます。選考時には、ブランク期間をどのようにして伝えるのかを真剣に考える必要があります。
生活費などを工面する必要がある
仕事を辞めているので、安定的に収入が入ることはありません。失業手当も微々たるものなので、貯蓄を切り崩したり、生活を切り詰めながら転職活動をしていかなければならず、精神的にも辛い状況が続いてしまいます。
焦燥感を抱きやすい
転職活動をしていても、無職であることには変わりありません。「自分の同期が出世をしている」「同級生がマイホームを買った」など、焦燥感を抱きやすくなりますので、焦って転職を成功させようとしてしまいます。
焦って転職すると、自分の希望ではない職場に入社しかねませんので、結果として転職に失敗してしまう可能性もあります。
足元を見られる可能性がある
募集企業に「辞めてから転職活動をしている人はすぐに仕事に就きたい」と考えられてしまい「年収や休暇などの労働条件が希望以下でも転職を決意するだろう」と足元を見られる可能性があります。選考中はどうしても求職者の方が弱い立場になりますので、これも希望とは異なる転職になりやすい理由の一つと考えられます。
仕事を辞めてから転職する際のポイント
辞めてからの転職は、余程のことが無い限りおすすめできませんが、もし行う場合は次のようなポイントを意識するようにしましょう。
ハローワークに登録する
仕事を辞めてからの転職活動であれば、転職サイトに登録するよりも先にハローワークに登録することをおすすめします。もちろん求人を見つけられるのもありますが、失業手当を受け取るためにはハローワークで申請する必要があるためです。
転職期間中のお金の心配をできる限り減らすためにも、まずは最寄りのハローワークに行くようにしてください。
期間を決めて集中的に転職活動に取り組む
離職中は時間が無限にあると思い込んでしまい、転職活動が長引く傾向にあります。転職活動が長引くと、その分ブランク期間が増えますので、選考上不利益を受けやすく、内定が遠ざかってしまう可能性も出てきます。
そうならないためにも、期間を決めて集中的に転職活動に取り組むようにしましょう。
色々な転職方法にチャレンジする
今日では、転職は大手転職サイトのみならず、「地域特化型の転職エージェント」や、「企業から直接スカウトを受けて選考をすすめる方法」、「知人からの紹介」など、様々な転職方法があります。自分に合った企業を見つけるためにも、色々な転職方法にチャレンジした方が、早期内定に近づく可能性は高まります。
働きながら転職活動するなら「転職エージェント」がおすすめ
結論として、転職活動は働きながら行うことがベストだと言えます。
しかし、現職と転職活動の両立ではどうしても時間が足りないため、転職エージェントのサポートを借りながら上手く時間を有効活用していくことをおすすめします。
転職エージェントのヒューレックスでは、自分の経験や希望に合った求人を紹介してもらえるだけでなく、応募企業ごとに面接対策を行ってくれますので、転職活動を効率的に進められます。
転職を考えている現職中の方は、まずは登録してみることから転職活動をスタートしてみませんか。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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