転職エージェントは2種類ある
転職エージェントは2種類あります。それぞれの特徴を紹介します。
幅広い業界と地域を扱う総合型転職エージェント
総合型転職エージェントは、幅広い業界と職種を扱い全国展開している転職エージェントです。メリットは豊富な種類の中から仕事を選べることです。あらゆる業界を扱っていることから、専門性の高い仕事の場合は希望に添ったものが見つかりにくいことがデメリットといえます。
特定の業界や地域に特化した特化型転職エージェント
特化型転職エージェントは業界や地域に特化している転職エージェントです。特定の業界や地方の求人を専門的に扱っているので「IT業界で働きたい」「U・I・Jターン転職がしたい」といった希望のある方におすすめです。特化している分、総合型と比べて求人数が少ない傾向にあります。
転職エージェントとの面談とは
転職エージェントとの面談の目的や流れを解説します。
面談の目的は相互理解
面談の目的は、転職エージェントと求職者の相互理解です。お互いを理解することで、よりよい転職サポートにつながるからです。面接とは違うので、身構えずに本音で話して問題ありません。質問を受けるだけでなく気になったことは気軽に質問しましょう。求職者にマッチした仕事紹介をするために、転職エージェントによってはキャリアカウンセリングやキャリアの棚卸しを手伝うところもあります。
面談の流れ紹介
一般的な面談の流れはこちらのとおりです。面談の時間は30分~1時間半ほどで、全部で5段階くらいです。
- 自己紹介
- 職務経歴紹介
- 転職理由とキャリアビジョンの情報共有
- 転職先企業に求める条件の確認
- 求人の紹介
自己紹介
面談は、まずお互いの自己紹介から始まります。名前を伝え、挨拶しましょう。転職エージェント担当者から、自社の強みや転職支援の流れなどについても説明があります。
転職エージェント担当者のキャリアや得意な業界、転職支援の経験などを質問しても問題ありません。気になることは聞いて、お互いの理解を深めていきましょう。
転職エージェントによっては、求職者と面談する「キャリアカウンセラー」と企業から求人情報をヒアリングしてくる「リクルーティングアドバイザー」が兼任されていることもあります。兼任されている場合は、企業からの情報をそのまま求職者に伝えられるので伝達ミスのようなことが起こりにくくなります。
職務経歴紹介
自己紹介が終わったら、職務経歴を伝えます。ご自身が今までしてきた仕事や、業界、職種、役職などを紹介しましょう。どんな組織で働いてきたか想像しやすくなるので、何人くらいのチームで何年ほど働いていたかを伝えるのもおすすめです。
求人を募集している企業のなかには「5名以上のチームでマネジメントした経験のある人材がほしい」「3年以上〇〇の実務経験のある方に来てもらいたい」と基準値を設けているところもあります。
そのため、実績は数字で具体的に伝えるほうが好ましいです。「この求人が紹介できそう」「これは経歴年数が足らないけどこの経験をアピールしたらいけそう」などと転職エージェント担当者がアピール方法を考えやすくなるからです。
これといったアピールポイントがない方も心配しなくて問題ありません。キャリアカウンセラーが強みになりそうな経歴について質問してくれるので、それに答えていきましょう。自覚していなかった自分のウリに気づくこともできます。これらの作業はキャリアの棚卸しと呼ばれるものに近いです。
転職理由とキャリアビジョンの情報共有
次に、転職理由とキャリアビジョンについて転職エージェントと情報を共有します。転職理由から「仕事に求めていないもの」が分かり、キャリアビジョンから「求めているもの」が分かるからです。
これらの情報を共有しておくことで、より求職者の希望に添った求人紹介ができるようになります。「ネガティブな転職理由は伝えないほうがいいかな」と不安になる方も多いですが、本当の理由を伝えて問題ありません。むしろ、仕事で重視しているものが明確になるため、よりご自身に合った求人が紹介されやすくなります。
「キャリアビジョンは特にない」という方はそれも伝えて大丈夫です。業種や職種より「残業の少ないところ」「年収が多いところ」といった生活に直結する条件面を優先させたい方も多くいます。
転職エージェントによっては、職務経歴より先に転職理由やキャリアビジョンを尋ねるところもあります。
転職先企業に求める条件の確認
その後は、転職先企業に求める条件確認です。転職理由やキャリアビジョンから希望条件は推測できますが、認識に相違が生まれないように転職エージェント担当者が確認します。転職先に求める条件としてよくあがる例を紹介します。
- 年収
- 残業時間
- 勤務地
- 福利厚生
- 役職
- 年間休日
- 通勤時間
- リモートの可否
ご自身のなかでゆずれないものを伝えましょう。ただ、希望条件をすべてクリアした求人はそれほどありません。「年収500万円以上なら残業は月〇時間までは可」「年間休日が少なくても週1でリモート可ならOK」など幅をもたせましょう。
求人の紹介
最後に、求人紹介を受けられる場合もあります。ただ後日にあらためて求人紹介を受けることのほうが一般的です。
希望職種や転職エージェントによっては複数社紹介されることも珍しくありません。求人を紹介されたら、担当者から企業について詳しく聞くようにしましょう。事前に確認することで、入社後のミスマッチが防ぎやすくなるからです。具体的に確認したい項目はこちらのとおりです。
この求人を自分に紹介した理由
- 求人企業の社風
- 人材募集の背景(事業拡大や人員補充など)
- 評価制度
- 平均残業時間
- 有給取得率(有給日数でなく有給取得率)
- 産休・育休・介護休暇の取得率
注意したいことは、有給日数や制度があるかどうかでなく、実際の取得率です。制度として存在していても取得しにくい雰囲気が漂っている企業もあるからです。実態を確認しましょう。転職エージェントを使うメリットは、求人票から見えないリアルな雰囲気や数字を聞けることです。遠慮せず疑問点は質問しましょう。
求人紹介時に「とりあえず応募しましょう」と無理強いされそうになったら、一度検討させてもらうようにします。確認項目をチェックし、自分に合った求人に応募するようにしましょう。
紹介された企業への応募は必須ではない
転職エージェント担当者から企業を紹介してもらっても、自分の希望と違うなら応募しなくても問題ありません。断ったところで印象が悪くなるということはありません。むしろすべての求人を受け入れるより「この条件の仕事は希望していない」と伝えることで仕事に求める条件が転職エージェント側に伝わりやすくなります。結果として、マッチング率の向上につながります。
面談の事前準備
面談は電話やオンラインが主流です。面談にそなえ用意するものと服装を紹介します。
履歴書と職務経歴書と筆記用具
コロナ禍の影響や地方への転職希望者の増加により、オンライン面談が主流になっています。面談前に、転職エージェントへ履歴書と職務経歴書を送付しましょう。転職先の希望条件があれば記載しておきます。クリエイティブ職の方は、ポートフォリオのリンクを記載することも可能です。
対面での面談を受ける場合は、履歴書、職務経歴書、筆記用具の3点セットを持参します。A4のバッグがあると、書類をもらったとき丁寧に収納できます。
転職エージェント面談の服装はスーツが無難
面談時の服装は基本的に自由ですが、スーツが無難です。真面目な印象になりやすいからです。私服の場合は、デニムなどカジュアルすぎるものは避けてオフィスカジュアルにとどめましょう。
襟付きシャツやジャケットを着用すると、フォーマルな雰囲気に近づけます。リクルートスーツは未熟な印象になるのでやめておきましょう。
面談のQ&A
よくある7つの面談Q&Aを紹介します。疑問を解消してリラックスして面談を受けましょう。
面談はどこで実施されるの?
対面での面談の場合は転職エージェント社内の面談室などです。個室のように区切られているところが多くプライバシーも守られます。オンライン面談の場合は、自室など静かで落ち着ける環境から受けるようにしましょう。
土日祝や夕方以降の面談も可能?
土日祝や20時まで面談を受け付けている転職エージェントもあります。仕事をしながら転職活動をする方が多いためです。規模がそれほど大きくない転職エージェントは、面談時間を柔軟に対応してくれる傾向にあります。
転職エージェントはオンライン面談や電話面談も実施している?
コロナ禍の影響もあり、オンライン面談の対応をしている転職エージェントがほとんどです。転職エージェントのオンライン面談時の服装も基本的に自由ですが、スーツのほうが好印象につながりやすいです。
転職エージェントの面談はキャンセルできる?
転職エージェントの面談予約はキャンセル可能です。求職者の現職の事情によってはキャンセルせざるを得ないことは転職エージェントも分かっています。前もって連絡することで、ビジネスマナーが身についていることのアピールにもつなげられます。
遅刻しそうなときはどうするの?
遅れるかもしれないと分かり次第、転職エージェントに電話連絡を入れましょう。遅刻理由を話し、謝罪します。到着予定の時間も伝えましょう。20分以上遅れそうな場合は、担当者の予定の都合もあるため、後日に日を改めることになる可能性もあります。
キャリアアドバイザーにどこまで話したらいいの?
ネガティブな退職理由は話して問題ありません。言いにくいこともあるかもしれませんが、できる限り隠さず、これまでの経験について話すことをおすすめします。相互理解が深まりマッチング率が高まるからです。キャリアアドバイザーは「業務上知り得た情報を漏らしてはいけない」という守秘義務を厳守しなくてはいけない立場にあります。
転職エージェント面談後のお礼メールは必要?
不要ですが、お礼メールをすることによって転職の意欲が伝えられます。お礼メールをするときは、なるべく日をあけずに当日か翌日までに送るようにしましょう。
好印象を与える面談当日の態度
転職エージェントに好印象を与える態度を3つ紹介します。
リラックスして本音を話す
面談は相互理解が目的です。本音で話す求職者のほうが人柄もつかみやすいため、好印象につなげやすくなります。
転職エージェントとの面談で絶対にやってはいけないことは、嘘の経歴を伝えることです。信頼関係に関わります。転職エージェント担当者は深堀した質問をしますし、数多くの面談経験から嘘を見抜いてしまいます。企業面接まで進めても、嘘を押し通すことは困難です。いずれバレてしまうことが多いので、虚偽の経歴を伝えることはやめましょう。
不満ばかり伝えるのは控える
不満だったことを話すのは問題ありませんが、不満だけを延々と話すのは好印象につながりにくいです。不満の裏にある願望も伝えましょう。
たとえば「ノルマがきつくて嫌だった」なら「顧客のニーズを丁寧にヒアリングしてじっくり仕事したい」などといった仕事に対する願望も伝えるようにします。
実績を伝える
実績を伝えると、転職エージェントが企業に求職者を推薦しやすくなります。「営業成績1位」や「ノルマ達成率105%」など数字を使って説明しましょう。チームで成果を上げた場合は、自分が関わった部分と貢献した内容を伝えます。
数字で実績を表現しにくい職種の方は、業務効率化に貢献した経験や顧客から褒められた具体的エピソードなどを伝えましょう。
自分に合った仕事を紹介してもらうポイント
面談当日の態度のなかで自分に合った仕事を紹介してもらうためのポイントは3つです。「転職理由は本音で話す」「志望業界や職種についてイメージしておく」「スキルや経歴、PRポイントを整理しておく」ことです。
本音で話すほうが、ご自身の仕事に求める軸も伝わりやすいのでミスマッチを防ぎやすくなります。志望業界や職種についてイメージを持っていると、入社後に「想像と違った」ということが起こりくいです。
スキルや経歴などのPRポイントを整理しておくほうがいい理由は、ご自身の魅力を的確に転職エージェントに伝えるためです。ポイントを抑えてマッチング率を高めましょう。
転職エージェントの面談は等身大で挑もう
転職エージェントの面談について紹介しました。面談の目的は相互理解です。リラックスして本音を話しましょう。これまでの実績やアピールポイントをまとめて、仕事に求める条件を明確にしておくと、自分に合った仕事を紹介してもらいやすくなります。
ヒューレックスは面談で求職者のキャリアを丁寧にヒアリングして、一人ひとりに合った優良求人を紹介しています。「初めての転職で何から始めたらいいのか分からない」「どんな仕事が自分に合うか知りたい」という方の強みを探すお手伝いもさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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