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40代の転職成功は難しい?
40代での転職成功は、簡単なことではありません。その理由の一つは転職市場の母数が少ないことです。
総務省の「転職者数及び転職者比率の推移」によると、2019年の35〜44歳の転職者比率は4.4%に過ぎません。45〜54歳になると、具体的な数値は記載されていませんが、数値はさらに下がっています。
転職者比率とは、特定の年代の労働者における転職者の割合のことです。25〜34歳の転職者比率7.8%と比較すると、40代の転職成功が簡単ではないことがよく分かります。
さらに、40代転職の難しさは母数の少なさだけではありません。40代求職者は、採用企業が求める厳しい基準を満たす必要があります。40代は20代・30代以上に求められるものが大きいということです。
40代での転職成功のために必要なポイント
40代で転職を成功させるためには、まず企業から何を求められているのかを知る必要があります。求められているポイントを知らずに採用選考を受けていると、面接の際にアピールすべき点を誤ってしまうこともあるためです。
この章では、40代転職のために求められるポイントを6点解説します。
- マネジメント経験
- 事業やプロジェクトの立ち上げ経験
- 高度な専門性・実務経験
- 明確な転職理由
- 実務経験
- 採用企業との適正・マッチング
マネジメント経験
一般的に、40代の会社員は若手社員の指揮・指導が求められます。そのために必要なのはマネジメント力です。マネジメント力が求められる理由は、昨今ではチームビルディングが重視されていることが影響しています。
ビジネスが高度化・専門化した近年では、スキルが高くても個人でできることには限界があります。また、ビジネスの効率化・省コスト化を実現するために、限られた人数で最大限の成果を上げることが重要です。
そのためには、40代以上の社員がマネジメント力を発揮して、若手社員を引っ張っていかなくてはなりません。マネジメント力は、「何人程度の組織をマネジメントして、部署としてどのような成果をあげた」といった経験によりアピールできます。
事業やプロジェクトの立ち上げ経験
新規事業の立ち上げや経営幹部の候補としての転職において、事業・プロジェクトの立ち上げ経験が役立ちます。近年では、ビジネス展開のスピードが速いことや事業立ち上げのハードルが低いことから、多くの企業が状況に応じて事業を立ち上げるケースが増えています。このとき、ネックになりがちなのが、適任者が存在しないことです。
新規事業の成否は、人材に左右されるといっても過言ではないほど、担当者のスキルや経験が重視されています。だからこそ、スキルや経験をもつ求職者は、企業から求められる人材です。
高度な専門性・実務経験
専門職や技術職などにおいて、40代の社員は実務経験に基づく高度な専門性が期待されます。経験や専門性は勤続年数に比例するので、40代になると20代や30代とは異なりスタッフによって大きな差がついているケースも珍しくありません。
専門性や実務経験については、資格・勤続年数やこれまでに担当した職務内容・ポートフォリオ(制作物)・実績・使用可能なツールなどによってアピールできます。
明確な転職理由
多くの採用担当者は、選考時に求職者の転職の動機・モチベーションをチェックします。その理由は、長期的な勤続の可能性・性格・志向などを判断するためです。
一般的に好ましい転職動機は以下のとおりです。
- やりたいことが明確であること
- 5年・10年先のビジョンが描けていること
- やりたいことと経験やスキルとの関連性が強いこと
前職・現職での対人関係や将来性などネガティブな理由から転職を検討する場合に関しても、あまりネガティブな印象を強く与えないことが重要です。
柔軟な姿勢
転職のゴールは、採用ではありません。入社した後に企業で活躍をすることです。
企業の人事部が活躍できる人材であるか否かを判断するために見るポイントが、求職者の柔軟な姿勢です。
どんなにすぐれた実績があっても、異なる職場でまったく同じやり方をして成功するとは限りません。転職先では、その職場にあったやり方が必要とされたり、良好な人間関係を築いたりすることが要求されます。
採用企業との適正・マッチング
40代転職成功のためには、採用企業と経験やスキル・ビジョン・考え方や志向などのマッチングも重要です。一言でいえば、相性です。企業にはそれぞれ文化や風土があります。
ミスマッチが起こると企業側にとっても求職者側にとってもデメリットが大きいため、転職時にビジョンや姿勢に共感できる企業を選ぶことが重要です。当然ながら100%考え方に共感できることはあり得ないため、企業の方針に適応する姿勢も要求されます。
40代転職を成功させるためにやるべきこと
40代での転職を成功させるために、短期間で経験やスキルを高めることは不可能です。しかし、転職確率を高めるためにできることは他にもたくさんあります。
この章では、求職者全員ができる転職を成功させるためにやるべきことを5点紹介します。
- キャリアパスの見直し
- 活かせるスキルの確認
- 応募先の企業の研究
- 志望動機や自己PR作成
- キャリアアドバイザーへの相談
キャリアパスの見直し
企業が人を採用する場合には、長期キャリアの形成を見越して採用するケースが一般的です。求職者が40代であっても、長期キャリアが前提になっていることは変わりません。
一方、求職者の側から見ると、40代で転職した企業は最後の職場となる可能性が高いでしょう。従って、定年退職までにどのようにキャリアを重ね、企業に貢献するのかを考えることが重要です。
さらに、キャリアパスから逆算して志望動機を再考し、転職の必要性や目的についても深く考えましょう。こうしてご自身のキャリアパスを深く考えることで、転職のモチベーションが固まります。
活かせるスキルの確認
経験やスキルを客観的に確認して、ご自身が転職先でどのように活躍できるのかをイメージしましょう。
重要なポイントは、主観的にならずに冷静にスキルを見つめることです。
売上の実績・マネジメントをした部下の人数・チームとしての成果など、定量的に数値化できるデータは数値化して、客観的にアピールしましょう。
応募先の企業の研究
志望する企業について、以下の情報を詳しく深掘りすることにより、面接時に的確なアピールができます。
- 募集の背景
- 募集の職務内容
- 企業のビジョン・方向性
- 転職先の企業でどのようなスキル・経験を生かせるか?
また、企業の応募分をチェックしていると「年齢不問」ではあるものの20代の若手社員からの応募を前提としている求人もあります。このような企業に応募しても採用の見込みは低いため、転職活動の効率を考慮するとよほど志望度が高くないかぎりは候補から外すべきでしょう。
志望動機や自己PR作成
志望動機や自己PRは、応募する企業ごとに考えるのが原則です。
しかし、事前にベースとなる土台を作成しておくことで準備の効率化と質の向上を図ることができます。特に、仕事を続けながら転職活動をする方の場合は、限られた時間の中で活動する必要があるため、自己PRの作成は非常に大切です。
志望動機は、キャリアの一貫性と企業への貢献を重視しましょう。そのためにも、前工程であるキャリアパスの見直しや企業研究が重要な意味を持ちます。
家族への相談
40代で転職をすると、一時的な収入低下やキャリアのブランク期間が生じたりするリスクがあります。その結果、人生設計に不安やリスクが生じる場合もあります。
家族のいる方は、本人以上に家族が不安に感じることもあるでしょう。家族の理解が得られないまま転職を進めると、本人は満足しても家族の理解が得られないこともあります。そのようなケースを避けるためにも、家族に相談してから進めることが重要です。
キャリアアドバイザーへの相談
40代で転職を成功させるには、転職エージェントのキャリアアドバイザーへの相談がオススメです。その理由は、転職エージェントの以下の特徴によるものです。
- スキルや経験の要求されるハイクラスの求人や事業の根幹に関わる非公開求人を扱っている
- 一つひとつの求人に対して、募集の背景や企業の現状などの情報量が多い
- 経験やスキルなどに関して、プロの視点からのアドバイスが得られる
経験・スキル・マネジメント力が重視され、効率的で効果的な情報収集が必要とされる40代の転職は、転職エージェントの利用が理にかなっています。
40代の求職者が転職エージェントを見極める際のポイント
転職エージェントを利用しようとしたときに、数ある転職エージェントの中で、どのサービスがご自身にマッチしているのか分からずに困惑したという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この章では、転職エージェントのオススメポイントを紹介します。
保有求人数
転職エージェントごとに保有している求人求人数は異なります。求人が少ない転職エージェントは、登録しても求人の紹介が得られなかったり、希望条件と合致しなかったりするなど、満足が得られない結果になる可能性が高いです。
ただし、転職エージェントの求人数は非公開求人もあり、公開されている情報からは図りにくい面があります。転職エージェントに登録・相談をして、希望する求人がどの程度あるのかを判断すると良いでしょう。
転職エージェントの特徴
転職を成功させるためには求人の総数よりも、自分自身に合った求人がどれだけあるかを重視すると良いでしょう。
技術系・営業系・マネジメント層など、それぞれエージェントごとに強みとする求人が異なるので、ご自身のキャリアや希望条件にあった業者を選ぶことが重要です。また、全国幅広くカバーしているエージェントもあれば、当社ヒューレックスのように地方の求人に特化しているエージェントもあります。
転職の条件や目的にあったエージェントを選ぶことで、転職の可能性が高まります。
企業との関係性
クライアントとの関係性が深いエージェントに登録すると、以下のメリットが得られます。
- 内部事情に精通しているため詳細な情報を得られる
- 給与や条件面などの質問・相談をしやすい
- 採用担当者に対してプッシュしてもらえる
企業との関係性が深い転職エージェントに登録することにより、転職成功の可能性が高まります。
担当者との相性
転職エージェントとの相性も重要です。転職エージェントに登録すると担当者がつきますが、個人同士のやりとりになるためどうしても担当との相性の良し悪しがあります。基本的に、担当者との相性が良くないときに変更を依頼することも可能です。
しかしながら、転職エージェントの方向性や社風などもあるため、2人以上の担当者と面談して「合わない」と感じたときには、他の転職エージェントに切り替えた方が良いかもしれません。
40代で転職を成功させるにはヒューレックスがオススメ
40代での転職は、マネジメント力・経験・高度な専門性などが求められます。20代・30代と同じ考え方で転職に臨むと採用を勝ち取るのは難しいでしょう。転職成功のために重要なことは、自己分析や企業研究などです。
また、効率よく適切な転職活動をするためには、転職エージェントの利用もオススメです。当社ヒューレックスは、地方転職に特化した求人紹介を行っています。
経験豊富なコンサルタントが親身になってサポートを行っているので、40代の転職を成功させたい方はぜひ気軽にご相談ください。
この記事の監修
須賀川 敏哉
神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。
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