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IT人材は本当に転職が多いの?
IT業界というと一般的には「ベンチャー企業が多く、転職は当たり前」「転職回数が多くとも不利にはならない」などのイメージがありますが、それは本当なのでしょうか。IT業界で働くIT人材の転職が多いのか、具体的なデータとともに見ていきましょう。
半数以上のIT人材が転職を経験している
マイナビは2021年3月に、2020年に転職した20代から50代の男女1,500名を対象に、転職者の傾向や変化を調査した「転職動向調査2021年版」を発表しました。この資料によると、IT業界の同業種への転職率は67.0%と高く、これは医療・福祉・介護部門に次ぐ結果となっています。
機械・電気・電子部門や金融・保険部門など多くの業界で同業種への転職率が50%を切っていることを踏まえても、非常に高い割合であるとうかがえます。
※画像出典:マイナビ「転職動向調査2021年版」
また、独立行政法人情報処理推進機構が公表している「IT人材白書2017」によると、ユーザー企業に勤めるIT技術者のうち、半数以上が転職を経験しています。
(※ユーザー企業:開発した情報システムやソフトウェアを利用する企業。システム開発を請け負っている企業に対して、案件を依頼・発注する側の企業のことを指す。)
20代のうちから2回以上転職している人が1割程度いることからも、IT業界で働くIT人材は転職が多いと言えるでしょう。
※画像出典:独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2017」
IT業界で転職が多い4つの理由
ではなぜ、IT業界で転職が多いのでしょうか。その理由は大きく4つ挙げられます。
- IT人材の量の不足
- IT人材の質の不足
- DXの推進による需要増
- キャリアアップの手段の1つとしての認知
それぞれ具体的に見ていきましょう。
IT人材の量の不足
独立行政法人情報処理推進機構(以下IPA)が公表している「IT人材白書2020」では、ユーザー企業におけるIT人材の“量”に対する過不足感についてアンケートを実施しました。このアンケートによると、2015年から2019年までの5年間にわたって「大幅に不足している」「やや不足している」と感じている企業が80%を超えています。
※画像出典:独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2020」
また、不足していると答える割合も上昇幅が小さくなりつつも、年々上昇傾向にあり、IT業界は人材不足の状態と言えるでしょう。
同様にIT企業においてもIT人材が「大幅に不足している」「やや不足している」と感じている企業が90%を超えています。
※画像出典:独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2020」
さらに、内閣官房のまち・ひと・しごと創生本部が運用しているRESASによると、2015年から2019年において、IT業界の有効求人倍率は全国平均で常に2倍以上を記録しています。(「情報処理・通信技術者」のカテゴリーをIT業界として算出)
東京都に限定すると、有効求人倍率はさらに上昇し、4倍程度を記録しています。
2020年初頭からのコロナウイルス流行によって落ち着きを見せるものの、2021年6月より再び上昇し始め、今後も売り手市場になると予測されます。
※画像出典:地域経済分析システム RESAS
IT人材の質の不足
また、ユーザー企業、IT企業ともにIT人材の質についても不足感を感じています。同「人材白書2020」によると、2015年から2019年までの5年間にわたって「大幅に不足している」「やや不足している」と答えたユーザー企業が90%程度を占めています。
※画像出典:独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2020」
同様にIT企業でもIT人材の質に対して「大幅に不足している」「やや不足している」と答えた割合が90%を超えています。
このことから分かる通り、IT業界の企業は常に優秀なエンジニアを欲していると言えるでしょう。
そのため、企業側は優秀なエンジニアに入社してもらえるよう、給与や待遇に力を入れた条件の良い求人を提示し、エンジニア側も自分のスキル、希望条件に見合った求人を見つけると転職をするという、雇用の流動がうまれています。
※画像出典:独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2020」
DXの推進による需要増
世界的なDX推進によって、IT人材の需要が増加していることも、IT業界で転職が多い理由の一つです。DX(Digital Transformation:デジタル・トランスフォーメーション)とは、新しいデジタル技術によって人々の生活を豊かにしていく変革を指します。
例えば、部門ごとにデータが管理されていた企業では、DXによって社内で一元管理する事例があげられます。
これにより、部門をまたいでデータをやり取りする手間がなくなるだけでなく、必要なデータを見落とすことなく抽出できるため、適切な経営判断が下せるようになったのです。DXの言葉のニュアンスとしては「デジタル技術によって既存の価値観や経営を大きく変化させる」という大きな意味合いが込められているのが特徴と言えるでしょう。
しかし、経済産業省が発表した資料「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討~ ITシステムに関する課題を中心に ~」によると、2017年時点で日本企業におけるIT関連費用の80%が現行システムの維持管理に使われており、日本でのDXは滞っていました。
こうした事態を受け、経済産業省では2018年に「DX推進ガイドライン」を定め、課題とそれに対する対応策を示しています。現在も、DX推進の取り組みは積極的に行われており、「IT業界」「IT系企業」という枠組みを超えて、一般企業でもIT部門での人材需要が増加していくと予想されます。
※出典:経済産業省「デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討~ITシステムに関する課題を中心に~」
※出典:経済産業省「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」
キャリアアップの手段の1つとしての認知
IT業界では、転職するということがキャリアアップの手段の一つとして業界全体で認知されています。そのため「給与アップの転職」や「スキルに見合った職場・企業への転職」が盛んに行われているのも、IT業界全体で転職が多い理由の一つです。
「IT人材白書2020」によると、IT人材の転職理由のうち最も多いのが「給与を上げたかったから」で、30%以上を占めています。
実際のデータからも、転職がキャリアアップの手段とされているのが見て取れます。
※画像出典:独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書2020」
IT業界で転職を成功させる3つのポイント
このようにIT業界では業界全体で転職が多い傾向にあるため、複数回転職していたとしても大きな問題にはならないでしょう。
とはいえ何も考えずに転職を繰り返していると、面接官からの悪印象につながる可能性があります。以下では、転職回数が多くとも、IT業界での転職を成功させるポイントを紹介していきます。
そのポイントとして次の3つが挙げられます。
- スキルを磨き、実績を作る
- これまでとこれからのキャリアを棚卸する
- 情報収集を行い、最適な職種などを選択する
それぞれ具体的に見ていきましょう。
スキルを磨き、実績をつくる
IT業界の企業はどこもIT人材が不足しており、できるだけ即戦力を求めている傾向にあります。そのため「やる気はあるが何も知らない、何もできない」という人材を雇う余裕は少なく、新卒でもなければ採用されるのは厳しいです。
対策としては転職活動に入る前から積極的に勉強、練習を重ねることでスキルを磨き、何か簡単なものでも良いので実績となるポートフォリオを作成しておくと良いでしょう。たとえ、すぐに業務任せられるようなスキルレベルではなかったとしても、数か月の教育で戦力になると判断されれば、採用される可能性もグッと上がります。
「何を考えて」「どれだけ勉強し」「どのような業務に活かせるのか」まで実績とともに、説明できるようになれば面接官からの印象も悪くないでしょう。
これまでとこれからのキャリアを棚卸しする
まずは自分の現状を知るために、今までのキャリアを見つめ直しましょう。これまでのキャリアによって、どのようなスキルを得て、どのように業務へ活かすのか、という風に具体的な段階まで考えることで、転職市場での自分の強みや弱みを把握できます。
強みはそのまま面接のアピール材料として念頭に置き、弱みや足りない部分は勉強で補っていきましょう。弱みを完全に解消できなくとも、自分なりに行動に移した実績が認められれば、面接では好印象に映ります。
また、これからのキャリアについても考え、職種や年収、必要となるスキルを把握するのも重要です。抽象的なまま放置してしまうと、転職した後の後悔や曖昧な理想とのギャップに思い悩む可能性があります。
自分の目指したい将来像を明確に語れるようになれば、面接官からも期待や将来性を感じさせることができるでしょう。
情報収集を行い、最適な職種などを選択する
IT業界といってもその職種は幅広く、エンジニアの種類や職種によって業務内容、使用する言語、求められるスキル、キャリアプランが大きく異なります。
自分が描いているキャリアプランや希望する業務内容と企業での業務内容にミスマッチがあると、面接官からは「弊社と相性があっていない」「リサーチをしっかりと行っていない」などの低評価につながるでしょう。
以下ではIT業界での主な職種を紹介していきます。あらかじめ、IT業界での職種について調べておき、間違いがないように努めましょう。
システムエンジニア
システムエンジニアとは、クライアントと打ち合わせを行い仕様書を作成する業種です。業務内容では、まず「システムを活用して何がしたいのか」「そのようなシステムが必要なのか」を打合せし、システムの全体図である仕様書を作成します。
仕様書を見ながらプログラミングを行うのは、プログラマーの業務範囲ですが、企業やプロジェクトによっては、システムエンジニアもプログラミングを行わなければいけません。さらに、プログラマーが作成したシステムが、きちんと動作するのかテストを行うのもシステムエンジニアの業務です。
そのためプログラミング言語の知識は必要不可欠であり、転職の際は企業が活用しているプログラミング言語をあらかじめ確認しておきましょう。
開発エンジニア・プログラマー
システムエンジニアが作成した仕様書をもとに、システム構築に必要なプログラミング言語を用いて、システムを組み立てる作業(コーディング)を行う業種です。プログラマーといっても使用する言語や業務範囲によってその種類は多岐にわたります。いくつかの業種を見ていきましょう。
Web系プログラマ―
ECサイトやWebアプリケーションなどのWebサービスのシステム開発を主に行う業種です。使用するプログラミング言語はHTML、CSSを主軸に、PHPやJavaScriptなどが挙げられます。
他の職種に比べてもWeb上で簡単に教材が手に入り、適性があれば独学でもある程度の成果物を作成できるのが特徴です。最初の一歩の敷居が他の業種よりも低いため、未経験からIT業界への転職を考えている人は選択肢に入れてみると良いでしょう。
アプリケーションプログラマー
アプリケーションプログラマ―とは、パソコンやスマートフォンで動作するアプリの開発を行う業種です。アプリケーションプログラマーの中でも専門分野によっていくつかの種類に分けられます。
例えば、Google chromeやfirefoxといったウェブブラウザから利用できるアプリ(YouTube、Amazon、楽天市場など)を担当するのがWebアプリケーションプログラマーです。
一方で、パソコンやスマートフォンにインストールして利用するアプリ(InstagramなどのSNS、Mincraftなどのゲームアプリ、etc…)を担当するのがネイティブアプリケーションプログラマ―です。
Webアプリケーションプログラマーが使用する言語はWeb系プログラマー同様、HTMLやCSS、JavaScriptが挙げられます。ネイティブアプリケーションプログラマーの場合、それぞれのアプリ機能に応じたプログラミング言語が必要とされ、Swift、Objectiv-C、Java、Kotlin、C#.net、C++などが使用されています。
エンベデッドエンジニア(プログラマー)
エンベデッドエンジニアは組み込みエンジニアとも呼ばれ、家電製品や電子機器などの製品に組み込まれたプログラムを開発する業種です。例えば、冷蔵庫には中の温度を一定に保つ機能が備わっており、温度の高いモノが入ってきたり、モノがたくさん入ってくると、自動で出力をあげてくれます。これをエンベデッドシステムと呼びます。
プログラミング言語はC、C++、Java、アセンブリがよく用いられています。また、エンベデッドシステムでは「TRON」というOSが良く用いられているため、プログラミング言語と同時に身につけておくと良いでしょう。
近年は世界的なIoT分野の盛り上がりによって、エンベデッドエンジニアの需要も上がってきています。IT業界の中でもあまり注目されにくい業種ではありますが、家電製品や電子機器に興味のある人には非常にオススメです。
汎用系プログラマ―
汎用系プログラマ―とは企業の基幹業務システムに用いられる、業務用大型コンピュータを指す汎用機のシステム開発を行う業種です。汎用機はメインフレーム、ホストコンピュータなどとも呼ばれ、金融機関や保険会社などの大規模なデータを扱う企業で利用されています。
プログラミング言語はCOBOLやPL/1などの事務処理向けの言語が多く使用されており、中にはメーカー独自の言語を使用している場合もあります。近年はパソコン自体の性能が向上したこともあり、わざわざシステムに汎用機を用いる企業や機会は減ってきています。
そのため、今から汎用系のプログラマーを目指す場合は、新規の開発は減少傾向にあると念頭に置きましょう。
オープン系プログラマ―
オープン系プログラマーとはWindowsやLinuxなどの一般的なオペレーティングシステムで使用するソフトウェアを開発する業種です。オープン系システムは汎用系システムと同じく、企業で使用されており、顧客の情報管理データベースや受発注の管理システムが例として挙げられます。
汎用系システムとの大きな違いはホストが汎用機器ではなく、パソコンであるという点です。プログラミング言語はC#、C+、Java、JavaScript、PHPなどが利用されており、その種類は現在も増加しています。
汎用系システムに対して、オープン系システムはこれからも普及が進んでいくと予想され、オープン系プログラマ―の需要も伸びていくと考えられます。
通信系プログラマ―
通信系プログラマ―とはネットワーク機器やテレビ会議などの通信に関するシステム開発を主に行う業種です。近年の時代の流れによってテレビ会議システムや通信機器の需要が高まっており、通信に関するソフトウェア開発も増えてきています。プログラミング言語はC、C++、Javaなどが多く用いられています。
また、通信系プログラマ―を希望する場合は、使用するプログラミング言語以外にも通信規約やプロトコルに精通する必要があるでしょう。
インフラエンジニア・プログラマ―
エンジニアの仕事は私たちの目に触れる場所だけではありません。システムがしっかりと動作しているのか、セキュリティが守られているか、何も異常が起きていないかといった、日ごろの保守、点検が必要となります。これらの業務を主に行うのはインフラエンジニアです。
以下ではインフラエンジニアの種類について見ていきましょう。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとはネットワーク、つまりWeb上での情報の通り道を担当する業種です。元々はネットワーク自体の設計や構築などの業務も行われていましたが、現在では新規での案件は少なくなっており、保守・監視・運用が中心となっています。
近年はスマーフォンアプリやストリーミングサービスの普及によって、常に安定した接続が求められる事例は増えており、ネットワークエンジニアの需要も高まっています。必要とされるスキルはネットワーク機器、ツールを提供する「Cisco」「NetApp」などの製品の知識のほか、LAN、WAN、ルータなどの知識です。
また、クラウドの普及が進んできていることから、クラウドエンジニアリングに関するスキルや仮想サーバー、仮想ネットワークに関する知識も必要とされてきます。幅広い知識や経験が求められるのも、ネットワークエンジニアの特徴と言えるでしょう。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアとはWeb上のサービスを提供する装置「サーバー」を担当する業種です。サーバーには、メールを送受信するメールサーバー、Webサイトを表示させるために必要なWebサーバーなど様々な種類があります。これらが正常に作動しているかを監視するのが主な業務となります。
「Windows」「Mac」「Linux」などOSに関する深い知識が必要とされており、どのOSに対しても対応できるような状態が望まれます。
また、業務がサーバーの保守管理ということもあり、セキュリティに関する知識も必須と言えるでしょう。さらに、現代ではサーバーをクラウド上に置く企業も増えてきたため、クラウドに関する知識も必要になってきています。
データベースエンジニア
データベースエンジニアとはWeb上にあるデータベースの運用、管理を行う業種です。データベースには企業を支える情報、データが大量に保管されており、それらを常に整理し、必要になればすぐに見つかるように構築している必要があります。
また、近年では「ビッグデータ」と呼ばれるような膨大な量のデータを管理し、企業の経営に活用する手法が注目されており、データベースエンジニアの能力に対する需要も高まっています。OracleやMySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Serverなどのデータベース製品に関する知識は必要不可欠です。
さらに、ビッグデータの解析や、高速データ処理を行えるMongoDB、Memchached、Redisなどのデータベースソフトを扱える人材の需要も高まっています。転職の際は、プログラマーやシステムエンジニアとしての実務経験はもちろん、これらの知識をどれだけ網羅できているかが重要となってくるでしょう。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアとは情報セキュリティに特化した業種です。サイバー攻撃を未然に防ぐための調査、改善を主な業務としており、サーバーやネットワークに関するセキュリティの知識が求められます。
IT関連技術の進化とともにサイバー攻撃も日々新しくなっているため、常にセキュリティに関する情報を収集しなければいけません。企業のサーバーには顧客の個人情報が大量に保管されている場合があるため、それらを守るという強い責任感が求められる業種と言えるでしょう。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアとはデータをインターネット上で保管する「クラウドサービス」の設計、運用などを担当する業種です。クラウドにデータを保存することによって、自分だけでなく複数のPCやスマホなどの端末でアクセス、作業できるようになりました。
クラウドはテレワークの普及やコスト削減の意図から、近年非常に需要が高まっており、専門知識が豊富なクラウドエンジニアにも注目が集まっています。クラウドに関する知識だけでなく、ネットワークやサーバーといったエンジニアとしての知識も必要となるため、IT業界自体が未経験の人にはあまりオススメできません。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアとはWebサイトのデータベースやサーバー、システムを担当している業種です。サーバーエンジニアやデータベースエンジニアとは異なり、Webサイトを専門としているのが特徴と言えるでしょう。
Webサイトの裏側をまとめて担当しているため、データベースの管理に必要なSQLというプログラミング言語、サーバーに関する知識、PHP、Java、Python、JavaScriptといった各種プログラミング言語など幅広いスキルが求められます。
バックエンドエンジニアは他のインフラ系エンジニアに比べても、IT業界未経験での転職が比較的容易なため、異業種からの転職を考えている方は一度選択肢に入れてみてください。
IT業界の転職方法
ある程度必要となる情報を収集し、実績となるポートフォリオも作成できているならば、転職活動に移ってみましょう。
以下では、より具体的なIT業界での転職方法について紹介していきます。
ヘッドハンティング
ヘッドハンティングとは、企業がヘッドハンターやヘッドハンティング会社を通じて、希望に沿う人材を引き抜くことです。従来では「ヘッドハンティング」というと経営層の採用を目的としたものですが、近年では管理職などのミドル層の採用でも活用され始めています。
ヘッドハンティングにもいくつかの種類があり、企業から依頼されたヘッドハンティング会社から声がかかる場合や、人材紹介会社から声がかかる場合などがあります。前者を期待するのであれば、愚直に自らの能力を上げつつ実績を積み重ねるしかありません。後者はいわゆる転職エージェントのような企業からの営業電話です。ですが、紹介される案件についても悪い求人ではないはずなので、興味があれば話だけでも聞いてみると良いでしょう。
SNSなどの個人的なつながり
SNSなどの個人的なつながりから転職をすることも可能です。現代では自らのブランディングを高めるために、企業の幹部や社長がSNSを積極的に運用していることも少なくありません。そうした企業は自社の求人募集もSNSで行う場合があり、そこに応募してみるのも良いでしょう。
また、日ごろから自らの実績を公開しつつ、ある程度のフォロワーを獲得した状態であれば、相手側から声がかかる可能性もあるでしょう。もし、SNSで発信することに抵抗がなければ、今からでも始めてみると良いでしょう。
転職サイト
他業界と同じく転職サイトで求人を探すのも、転職の1つの手段です。転職サイトを利用するメリットとしては、自分の希望する条件をもとに検索や比較検討を行える点です。職種や勤務地、業務内容が公開されているため、自分が納得できる求人を探していくと良いでしょう。
また、転職サイトへ登録しておけば、いつでも求人募集を確認できるため、希望条件にそったモノが市場に出てくるまで、待っていることも可能です。ある程度転職の条件が自分の中で決まっている場合は、転職サイトを利用してみましょう。
副業
今すぐの転職を望んでいない方は、副業から始めてみるのも良いでしょう。クラウドソーシングサイトやSNS上では、業務委託として案件を公開しているため、そこに応募し採用されれば案件を請け負うことが可能です。IT業界の転職では実績や実務経験、ポートフォリオの提出が求められる場合が多いため、あらかじめ副業として経験しておくのは、後の転職活動にもつながります。
また、案件内容が自分のやりたい業務と一致していた場合、クライアントに直接営業をかけて継続的に案件をもらうのもオススメです。もし、普段の業務時間を差し引いても自分の時間に余裕がある場合は、副業から始めてみましょう。
転職エージェントサービス
IT業界にはある程度在籍しており、実績やキャリアを持っている方には転職エージェントがオススメです。転職エージェントは転職サイトとは異なり、求職者に対してキャリアアドバイザーがサポートしていくのが特徴と言えるでしょう。キャリアアドバイザーが転職者の経歴やスキルを参考に、最適な求人情報を紹介してくれます。
また、応募書類の添削やアドバイスも行ってくれるため、転職活動の相談役にもなってくれるでしょう。紹介される求人も転職サイトや企業の採用サイトでは公開されていないものも数多く存在し、自分だけでは探し出すのが難しい求人にも出会えるかもしれません。
効率的に転職活動を行いたい方は、転職エージェントを利用してみましょう。
自分と向き合って、IT業界での転職を成功させよう
日本では複数回の転職はあまり好意的な印象を与えられないかもしれません。しかし、IT業界では転職自体が珍しくなく、自分のスキルや業務経験を評価してくれる企業へ転職することが、キャリアアップの方法として認知されています。
とはいえ、何も考えを持たずに転職活動をしてしまうと、面接官に見抜かれてしまい、成功させるのは難しいでしょう。
「自分が何をしたいのか」「自分は何ができるのか」を把握することが重要となります。そのため、IT業界での転職に挑戦する方は自分と向き合って、これらに対する答えを準備しておきましょう。
地方転職に特化した転職エージェント「ヒューレックス」には、IT業界の求人が多くあるので興味がある方はぜひ登録してください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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