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40代が転職に失敗する原因・理由
画像引用:DODA「コロナでどう変わった? 転職成功者の年齢調査【最新版】」
転職市場全体で見たときに、40代の転職は失敗している方が多いという事実があります。
DODAの「コロナでどう変わった? 転職成功者の年齢調査【最新版】」によると、40代以上で転職に成功しているのは、全世代中の15.5%に過ぎません。
転職希望者の世代別母数などのデータはないものの、40代以上の求職者にとって、転職のハードルが高いのは事実です。
また、仮に採用選考を突破したとしても短期離職に追い込まれてしまったり、仕事内容に満足できなかったりする可能性もあります。PGF生命の「人生の満足度に関する調査2020」によると、「仕事に満足している」と回答した40代男性は35.6%、40代女性は31.6%のみで、他の年代よりも低い数値です。
画像引用:PGF生命「人生の満足度に関する調査2020 」
こちらのデータは、転職者以外の数値も含んでいますが、採用されても仕事内容や条件などに満足ができなかったら、本当の意味での成功とはいえません。
これらの40代での転職失敗の原因・理由を知ることで、リスク回避に役立てることも可能です。
この章では、以下の40代の転職で失敗してしまう理由について解説します。
- リサーチ不足
- 自己分析と転職市場の理解不足
- 人間関係構築の失敗
- 管理職待遇での高いプレッシャー
転職先の会社のリサーチ不足
40代の転職では、20代・30代以上に転職先についての入念なリサーチが必要です。
リサーチすべき内容は、以下の項目です。
- 条件
- 仕事内容
- 業界・企業の現状と展望
- 企業のビジョン・社風
- 現場のスタッフの雰囲気
20代・30代でもこれらの項目のリサーチが必要であることには変わりはありません。ただ、40代の場合は望ましくない状況であることが分かったとき、改めて転職をしたり条件を受け入れたりすることが簡単ではないケースが考えられます。
例えば、転職したことで年収が中長期的に下がる可能性が高いときは、人生設計を改めなくてはなりません。賞与の金額が期待よりも大幅に低く昇給の見込みが低い場合に、人生設計が大きく崩れるなどです。
条件を厳しく設定しすぎるのもまた転職の可能性を狭めてしまうことにもつながりかねませんが、比較検討するための判断材料としてできる限り詳しい情報を集めることが重要です。
自己分析と転職市場の理解不足
40代の転職を成功させるためには、客観的な自己分析と転職市場の理解が不可欠です。
そもそも40代の転職市場は、求人数の母数がそれほど多くありません。さらに、マネージャーとしての即戦力性を求めている求人が大半です。
人手不足の業界や資格を要する技術職などにおいては、40代であっても管理職採用以外の求人可能性もあります。しかし、いずれにしてもご自身のスキルを客観的に分析し、PRしなくてはなりません。
まずご自身の市場価値を冷静に判断し、転職時の景況感や転職市場の状況と照らし合わせて転職の可能性を判断しましょう。その分析が不足すると、採用選考に通らないというリスクが考えられます。
部下や同僚との関係性
多くの40代転職者が入社後に苦労しているのが、部下・同僚との関係性です。
40代で転職する場合には、具体的に以下の点が障害になることがあります。
- 同僚や部下と年代が離れており、互いに溶け込みづらい
- 前職までに培った働き方や仕事に対する考え方と転職先の風土が一致せず、互いに違和感が拭えない
- 実績やプライドの高さから、転職先の同僚や部下の指示・アドバイスを受け入れられない
同僚や部下にうまく溶け込めない状況が続くと、居心地の悪さを感じるだけではなく成果も上がりにくくなります。結果的に、昇給が期待できなくなったり退職を検討することになったりするなどのデメリットに発展しがちです。
管理職待遇での高いプレッシャー
管理職待遇での採用の場合には、独特のプレッシャーがあります。
- 上層部や上司から成果を求められる
- 既存の社員の妬みを受ける可能性がある
これらの板挟み状態を感じてしまい、スキルを存分に発揮できない状況が多々あります。
労働政策研究報告書No.195『中小企業における採用と定着』によると、中途採用にてリーダー・マネージャー層を雇用している企業ほど、「中途社員の早期退職者が多い」と回答しています。
〇中途採用に関わる課題=「中途社員の早期退職者が多い」と回答した企業の割合
課長・部長・幹部まで中途採用を実施 | 9.1% |
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係長・主任リーダーまで中途採用を実施 | 8.0% |
管理職層の中途採用なし | 13.0% |
早期退職の割合はあくまでも一つの指標に過ぎませんが、管理職採用を実施しているほど社員の定着率に問題を抱えているのは事実です。
また、転職者の「早く結果を出したい」との思いが、逆に空回りを招くなどのケースも多く見られます。
厳しい40代転職で迷うポイントと失敗した場合のリスク
40代だからこそ転職が難しかったり、失敗しやすいと感じてしまうポイントがあります。
失敗のリスクを回避するために、どのような難しいポイントが存在するのかを知っておくことはとても重要です。
この章では、40代だからこそ生じる以下のような転職失敗リスクを解説します。
- 転職後の収入が下がらないか?
- 中長期的にキャリアを形成できるか?
- 希望するタイミングで仕事を見つけられるか?
- 職場に馴染めるか?
転職後の収入が下がらないか?
40代で転職をすると、給与が下がるケースもあり得ます。
異業種異職種の際にはそれまでのキャリアを直接活かすことができないため、大幅ダウンすることも。
また、同業同職種の転職であっても、社内での実績・対人関係・マネジメントなどの数値化しづらい部分の業績がリセットされます。少なくとも一時的に収入がダウンする覚悟も必要でしょう。
40代では養う家族がいたり、将来の老後を見据えたりする必要があるため、30代以下の世代以上に収入ダウンが重大な問題になる可能性があります。
中長期的にキャリアを形成できるか?
40代の転職では中長期的なキャリア形成も重要なポイントです。
40代とはいえ、残りのキャリアは少なくとも10年以上残されています。逆に、50代以降の転職の難しさなどを踏まえると、20代・30代よりも長期的な視野が求められます。
従って、5年後・10年後にどのようにご自身が転職先の企業にて活躍できるかのビジョンを描けないと、転職を決断するのは難しいと予想されます。
転職のタイミングや期間は問題ないか?
40代の転職は、求人数が少ないため、転職期間が長くなりがちです。また、転職を希望したときに希望する業界や職種での求人案件が公開されていないこともあります。
実績・スキル・資格によっては、40代であっても希望の仕事を見つけられることは可能ですが、必ずしも全員が仕事を簡単に見つけられるとは限りません。
したがって、希望のタイミングで希望する求人案件を見つけられるか否かも大きなポイントになります。
現在、在職中の方の場合は退職のタイミングや転職すべきか否かを含めて検討することになります。
新しい職場に馴染めるかどうか?
新しい職場でうまく馴染めるかどうかというのも、40代転職者がよく悩むポイントです。
20代・30代の転職の場合とは異なり、以下の問題が生じるリスクがあるためです。
- 同僚や直属の上司よりも年齢が上になることが多く、周囲から気を遣われたり距離を置かれたりすることが多い
- 最初からマネジメント層でのポジションに入ることになるため、最初から社内間で高度な交渉などが要求される
- 同年代の中途入社が少なく、孤立しやすい
あくまでも傾向の問題ではあるものの、職場に馴染めないという懸念があると転職に踏み切るのが難しく感じられる場合があります。
40代での転職を失敗しないためのポイント
40代で転職を失敗してしまうポイントは少なからずありますが、押さえるべきポイントを把握すればリスクを軽減できます。
ここでお伝えすべきポイントは4点です。
- 明確な退職理由と志望動機
- 高度なスキルとマネジメント経験
- 入念な企業リサーチ
- 謙虚な姿勢
明確な退職理由と志望動機
転職をして「良かった」と思えるのは、前職で抱えていた問題が解決されたり、前職ではできなかったことができる環境を得られたときです。
従って、「なぜ退職したいのか?」「何のために退職をするのか?」という点を明確にして、その目的を果たすことが転職の成功につながります。
退職理由に関しては、「人間関係が良くない」「業界の将来性に期待できない」といった漠然とした理由を挙げている方も少なくありません。
まずは客観的に退職理由と志望動機を明確にすることが重要です。
高度なスキルととマネジメント経験
40代の転職では、ポテンシャルではなくスキルや経験をシビアに見られます。したがって、書類や面接でポテンシャルや志望意欲を伝えるよりも、どのようなことができるのかという土台がなくては有利な条件での転職は難しいでしょう。
もしも、対外的にアピールのできる資格やマネジメント経験がない場合には、転職をいったん保留にするのも一つの方法です。
入念な企業リサーチ
40代で転職をする際には、転職先候補の企業について、できる限り詳細なリサーチをおこないましょう。
大半の方は、企業のホームページや求人情報から業種・仕事内容・基本条件などをチェックされるでしょう。しかし、実際に働くことを想定した場合には以下の情報も押さえておきたいポイントです。
- 社風や企業理念
- 実際の社員の雰囲気
- 社員や退職者の会社に対する評判・意見
- 採用の背景や今後の展望
これらをチェックする方法として、インターネット上の情報を確認する方法がありますが、その場合には情報の信憑性に疑問が残る場合があります。企業との面接時に可能な限り質問をする、転職エージェントを通じて情報を得るなどの方法が有効です。
謙虚な姿勢
転職先に溶け込むには、謙虚な姿勢が不可欠です。実際に、転職先の企業で早期に成果をあげているのは、上司・同僚・部下などの意見・アドバイスを謙虚に聞いて、良好な関係性を築いている方です。
転職先の企業には、独自の仕事の進め方や考え方があります。仮に、その方法が今までご自身がやってきた方法とは異なっている状況であったとしても、否定から入らないことが重要です。謙虚な姿勢で疑問点や不安に感じる点を積極的に周囲に質問をしていきましょう。
謙虚な姿勢で質問・相談をすれば、それが新たな同僚にとっての「気づき」や「発見」につながることもあります。ポイントは、相手方を尊重することです。
40代で失敗しないための転職方法
40代の転職で失敗しないためのポイントもあります。
この章では、以下の3つの転職方法を解説します。
- 転職エージェント
- 大手転職サイト
- ダイレクトリクルーティング
【オススメ】転職エージェント
40代の転職を失敗しないために最もオススメしたいのは、転職エージェントの利用です。
オススメポイントは、以下の点です。
- 客観的に自分自身の立ち位置を確認できる
- 社風や企業の内情を含めた詳しい情報を得られる
- 連絡や交渉の代行を依頼できる
- 公開されていない求人案件の紹介を受けられる
40代の転職では正確な情報をいかにキャッチできるかが成否の分かれ目になります。
転職エージェントには、業界や企業に関する転職の情報が集まっているため、ご自身のスキルや職歴を最大限に活かすことが可能です。
転職エージェントのヒューレックスは40代の転職支援実績が豊富です。転職をお考えの方はお気軽にご相談ください。
大手転職サイト
大手転職サイトには、企業の転職情報が多数掲載されています。オススメポイントは、以下の点です。
- 転職市場の動向を確認しやすい
- 大手から中小企業の案件まで幅広く網羅されている
- サイトによってはスカウト・企業側からのアプローチを受けられる
40代の転職はやや案件数が少ないというデメリットもありますが、無料で登録できるので情報収集のためにも1~2サイト登録しておくことをオススメします。
ダイレクトリクルーティング
ハイクラス求人を探している方は、ダイレクトリクルーティングという採用方法もあります。ダイレクトリクルーティングとは、企業の人事部やヘッドハンティング代行業者が人材に直接スカウトをする採用手法です。
ダイレクトリクルーティングでマッチングするためには、具体的には以下の手法があります。
- 人材バンクに登録する
- SNSに登録する
好条件での転職や管理職採用を期待する方の場合、ダイレクトリクルーティングはとても魅力的です。
40代で転職を成功させるなら企業との結びつきの強いヒューレックスがおすすめ!
40代転職は、失敗する要因がたくさんあります。したがって、成功させるためには自己分析や情報収集が非常に重要です。また大前提としてご自身のスキルを高めることも重要です。
転職エージェントを利用すると、転職エージェントを通じてインターネット上では見つからないリアルな情報を入手できます。多数の転職エージェントが存在しますが、有益な情報を得るために特に大切な要素は企業との結びつきの強さです。
当社ヒューレックスは、地方転職に特化した転職エージェントです。大手転職エージェントにはないヒューレックスならではの独占求人を紹介しています。地方での転職を必要としている方は、ぜひヒューレックスにご相談ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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