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UIターン希望者の若者が増加中
2020年9月に株式会社学情が行った調査によると、UIターンで地元や地方で働きたい20代が増えていることが明らかになりました。
画像引用:20代UIターンに関する意識調査(株式会社学情)|PR TIMES
UIターンや地方での転職を希望する人は全体の65.8%と過半数を占め、2020年5月よりも29.7%も増加しています。その理由としては、「新型コロナウイルスの流行により、家族のいる地元に戻りたいと思うようになった」、「テレワークで首都圏にこだわる理由がないと思った」といった新型コロナウイルス感染症の影響が大きいことがうかがえます。
さらに「一度都会に出てみて、地元がどれだけ好きか分かったから。地元で活躍し、地元に貢献したい」といった自身のキャリアも含めて、地元への転職を希望する人もいました。
さらに「UIターンや地方での転職を希望する理由」の質問では「地元に帰りたいから」が全体の44.8%でトップでした。また、UIターンの勤務地選びも「出身の都道府県」が72.4%と圧倒的に多いことも転職時における地元志向を裏付ける傾向の1つです。
地元で見つかる仕事
都道府県や市町村など、各人が考える地元の範囲にも違いがありますが、一般的にはサービス業や販売の仕事は地域を問わず需要が高く見つかりやすい傾向があります。製造業なども工業団地などが地元にあれば、転職できるチャンスが高いかもしれません。
その他、林業、農業などに地元の特色にあった関連業種も要チェックです。また、町おこし協力隊など官民一体となった事業を行っている自治体もあるので、興味がある人はチェックしてみてください。
地元で働く3つのメリット
地元で働くメリットは、主に以下の3つがあります。
- 介護や育児などに対応しやすい
- 親類や友人がいる環境で働ける
- 地方自治体の援助やサポートが受けられる可能性がある
それでは、それぞれのメリットを確認していきましょう。
介護や育児などに対応しやすい
首都圏は、介護や育児をしやすい環境と言い難いです。例えば、親が介護が必要になった場合、病院や施設などの利用検討をするため、地元との行き来が頻繁になります。
その点、地元企業に就職していれば、親に何かあったときにすぐに駆けつけることができます。
また、育児においては、都市圏だと待機児童問題がつきものです。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県だけで約5,000人もの待機児童が存在します。都市圏の待機児童数は、日本の待機児童数(2020年で約12,000人)の約半分に迫る勢いです。
一方で、鳥取県や山形県などの11県では待機児童数が0人のところもあります。子供を保育所に入れたいと考えたときに、すぐに対応しやすいのが地元の強みと言えるでしょう。
さらに、都市部と比べて、地方の公園やレジャー施設の混雑がそれほどひどくありません。自然環境も豊かで、子供ものびのびと遊ぶことができるはずです。
親類や友人がいる環境で働ける
地元で働く大きなメリットとして、親類や友人がいる環境で働けることが挙げられます。中学・高校時代の友達は、一生でかけがいのない存在。そのような強い絆で結ばれた友達は、都市部の忙しい日々の中では、なかなか見つけられないかもしれません。仮に、同じ会社で働かなくとも、仕事終わりや休日に会うことは可能です。中学・高校時代の懐かしい思い出話をしたり、一緒に遊びに行ったり、仕事以外のプライベートが充実するに違いありません。
地方自治体の援助やサポートが受けられる可能性がある
地方自治体によっては、Uターンする方に対して、補助金を支給するところもあります。例えば、北海道釧路市では、東京圏からUターンする人に対して、単身で60万円、世帯で100万円の移住補助金があります。
しかも、起業に至っては最大300万円の支援金受給も可能です。都市部で就職したからといって、支援金がもらえることはほとんどありませんから、移住補助金は地方ならではのサポートと言えます。
また、空き家を格安で提供してくれるほか、農業や林業などの地元産業で生計を立てる人を支援してくれる自治体もあります。各自治体の特色によって、サポート内容が異なるため、詳しくは各都道府県の移住ポータルサイトなどを参考にしてみてください。
生活コストを抑えられる
2020年の消費者物価指数は、東京都が104.4ポイントと最も高く、最低値の宮崎県は8ポイントも低い96.0%でした。このように地元に転職した場合、都市部とは家賃や物価が低くなり生活コストを抑えられる可能性があります。実家に住むケースではさらに削減できる幅は大きくなるでしょう。
地元転職を成功させるポイント
地方転職が難しい大きな理由の一つに、有効求人数が圧倒的に少ないことが挙げられます。例えば、正社員の有効求人倍率(2021年4月)は、東京都の1.14倍に対して島根県は1.42倍と高い数値になっています。
このように地方で仕事を見つけやすくても、都市部に比べて有効求人数が圧倒的に少ないため、希望した業務に就きにくくなる可能性もあります。そのためは、地域の特色に合わせた計画的な転職活動が必要です。そこで、正しい転職活動を行うために、以下の4つのポイントが知っておきましょう。
- 希望条件を明確にする
- 情報収集を徹底的に行う
- 志望動機や転職理由を地元転職に適したものにする
- 転職エージェントを利用する
どれも大切なポイントなので、一つずつ解説していきます。
希望条件を明確にする
地方転職でありがちなのが、「地元に帰りたいけど、希望に合う仕事が見つからない」というケースです。都市部に比べて、地方では有効求人数そのものが多くはありませんから、今までのキャリアを100%活かせそうな仕事が見つからないという人もいるでしょう。だからこそ、あなたの希望条件を明確にしておくことで、転職活動での悩みを少なくすることができます。例えば、以下の質問をあなたの立場に置き換えて、考えてみましょう。
- 都市部で経験してきた仕事と同じことをやりたいのか(違う仕事でも良いのか)
- どんな仕事をやりたいのか(どんな仕事はやりたくないのか)
- 実家で暮らすことを大事にしたいのか(地元から離れた地方都市でも良いのか)
上記の質問に回答することで、転職活動であなたが何を大事に思っているのかを分析するヒントになるでしょう。このように、「転職の希望条件はなにか?」を深堀りして、自己分析を行うことをおすすめします。
「新しい分野の仕事にチャレンジしてみたい」、「実家に住むよりもやりたい仕事を続けたい」など、自己分析を通して、あなたが本当に望む働き方が見えてくる可能性もあります。逆に、希望条件が明確ではないと、様々な求人を目の当たりにしたときに、「自分は地元でどんな働き方をしたいのか」という迷いが生じかねません。
仮に、妥協して転職してしまうと、「あの時、もっと考えておけばよかった…」と後悔の念があとから湧き出る可能性もあります。そのため、転職活動を成功させる第一のポイントして、自分の希望条件を明確にしておきましょう。
情報収集を徹底的に行う
地元転職といっても、地元を離れていた期間に、地元の事情も変わってきたことでしょう。そのため、転職希望の業界と地元との関連性や気になる会社の情報収集は、徹底的に行いましょう。
現在の地元の事情を調べておくことで、志望動機や転職理由を述べるときに、より説得力が増します。
例えば、「最新のIT技術やマーケティングの知識を有する人が少ない」、「DX化の対応が遅れている」といった地元経済の実情を志望動機に交えることで、より具体的で説得力のある内容となるでしょう。
情報収集の手法としては、地方新聞やSNSやネット検索の活用が一般的です。その他にも、自治体の中には、Uターンや移住を推進する窓口が設置されているので、担当職員に地域情報を聞いておいても損はないでしょう。ちなみに、転職エージェントを活用すれば、転職コンサルタントに地元企業の詳しい情報やその地域の経済事情などを教えてもらえることもあります。
志望動機や転職理由を地元転職に適したものにする
採用面接の際には、面接官が違和感を感じない、適切な志望動機や転職理由を述べるべきです。例えば、「地元経済に貢献したい」や「地域住民に必要とされる逸材になりたい」などは、都会に戻ることなく、地元で生活し続けるアピールになります。企業としては、従業員に少しでも長く働いてほしいと思うものですから、好印象を持ってくれるでしょう
また、転職理由や地元に帰る理由として、「介護や育児など家族のために地元企業に就職したい」と、家庭事情を伝えることもおすすめです。ただし、志望動機としてはマイナスイメージを与えてしまう可能性があるので、しっかりと互いを区別して伝えるようにしましょう。上手に意図を伝えることができれば、自分の家族を大切に思うことができる人材は、誠実な印象をもたれやすいので、採用では良いアピールになるでしょう。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを活用することも、転職活動を成功させるカギとなります。多くの転職エージェントでは、以下のようなサービスを提供しています。
- 多くの転職者を見てきた プロにアドバイスをもらえる
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 応募書類の添削をしてくれる
- 面接練習をしてくれる
- 企業との連絡を代行してくれる
上記のサービスはほんの一例ですが、転職の悩みを、転職に詳しいプロに相談できるだけでも、心強いものです。応募書類の添削や面接練習などもサポートしてくれるので、万全の準備で選考 に臨むことができます 。そして、転職エージェントでは、一般公開されていない求人を紹介してくれることもあります。地方だと、「求人数が少なくて希望条件に合わない会社が多い……」と悩む方が多いですが、転職エージェントなら穴場案件を教えてくれるかもしれません。
転職エージェントは基本的に無料です。転職希望者は一切費用を払うことはありませんので、サイトに登録しておいてまず損はないでしょう。
地元転職を成功させるために、転職エージェントを活用しよう!
地元で働くメリットや地元転職を成功させるポイントを詳しく解説しました。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、働き方を考え直す方が増えてきています。ただし、地元だと都市部に比べて求人数が圧倒的に少なく、希望する条件の会社が見つかりにくい可能性があります。
地元転職を円滑を進めるには、地域の事情に詳しい転職エージェントへの登録がおすすめです。数ある転職エージェントの中でも、 ヒューレックスは地元に強い特化型転職エージェントです。地元企業との信頼を重ね、 他社では扱っていない独占求人を多く用意しており、様々な方のこれまでのキャリアと希望に沿った求人のご提案が可能です。
これまでのキャリアを最大限に活かして、地元転職を成功させたい方は、ぜひヒューレックスにお問い合わせください。
この記事の監修
須賀川 敏哉
神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。
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