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コロナがきっかけで田舎移住がトレンドに!
日系クロストレンドのアンケート調査によると、東京23区内に住む20~50代の男女のうち約3割が将来的に地方への移住を検討しているそうです。これらの移住を希望する方々のなかには、リタイア後ではなく地方で働きたいとの意思を持っている方も含んでいます。
現在、東京23区内に住み首都圏で仕事をしている方々が田舎に住みたいと考える根拠として、以下の点があげられます。
- テレワークやリモートワークにより、地方にいても都心の会社やクライアントとリアルタイムで連絡を取れるようになった
- いくつかの仕事はオンライン上で完結するようになり、場所にとらわれずに働ける仕事が増えた
- 田舎には、落ち着いた住環境など都心部にはない魅力がある
- コロナ禍により、人の密集した地域での生活を見直したいと考える人が増えた
つまり、多くの人がもともと抱いていた田舎暮らしが実現しやすい状況になった事に加え、都市部で仕事をするメリットが若干弱くなったということです。
そして、近年では地方で働く場合の就労形態も会社員・自営業・フリーランスなど多種多様です。
田舎に移住して働くことの意義・メリット
都会で仕事をしている方のなかに、田舎へ移住して仕事を始めようとする方が少なからず存在するのは、田舎での仕事に大きな意義やメリットがあるためです。
漠然と田舎への憧れを抱いている方も、具体的に田舎での生活をイメージすることで、田舎への移住の思いが強まることでしょう。
この章では、田舎ならではの働き方のメリットを3つの観点から解説します。
都市部とは異なるライフスタイルの実現
田舎だからこそ実現可能なライフスタイルもあります。
- 通勤ラッシュの人混みや喧噪のストレスからの解放
- 食料品や住宅の賃料などの生活コストの低減
- 地域住民との深い関わり合い
- ゆったりとした時間の流れ
同じ業界・職種であっても、都会で仕事をするか地方で仕事をするかによって生活習慣や働き方に大きな違いが生じます。どちらの働き方がマッチするのかは、個人によって異なるものの、都市部にはないライフスタイルを実現しやすくなることは間違いありません。
もし、田舎・地方都市ならではの生活習慣について興味におある方は、「地方で働くことのメリットと東京で働くことの意味とは?」にて詳細を案内しているので、ぜひあわせてご確認ください。
地域の産業発展やイノベーションに貢献できる
田舎で募集されている求人は、地域の産業活性化やイノベーションに直結する仕事が少なくありません。なかには、企業が地方自治体と連携して、街おこしにつなげるために取り組んでいるプロジェクトもあります。これらの仕事に中心メンバーとして従事することに対してやりがいを感じられる方も多いでしょう。
地方企業での仕事がそのまま街おこしにつながりやすいのは、いくつか要因があります。
- 田舎には少人数体制で運営している中小企業が多いため、社員として採用されると必然的に中核をなす業務に従事するケースが多い
- 都市部のようにエリアにいくつも競合店がないため、地域のリソースが一つの企業に集中しやすい
- 過疎化や高齢化など地域が抱える問題の解決策として産業活性化を課題に挙げている自治体が多いことから、自治体のバックアップを受けられることがある
もし、地域の活性化やイノベーションにつながる技術や経験をお持ちの方は、特に企業や自治体から歓迎され重要な役割を与えられる可能性が高いでしょう。
個人の事情に合わせられる
ご家庭の事情によって、都市部での仕事の継続が困難な方もいらっしゃることでしょう。以前であれば、育児や介護を優先するために収入の減少を受け入れたり、一時的に単身赴任をしたりするなどなんらかの犠牲を支払わざるを得ませんでしたが、働き方の工夫によっては地方でも十分な収入を得ることが可能です。
プライベートの事情の主な具体例は、以下のとおりです。
- 落ち着いた環境で育児したい
- 家族の病気の療養やストレス軽減のために田舎に移住したい
- 実家の家族の介護や看病のために田舎に戻らなければならない
状況はさまざまですが、ポイントは田舎に移住することによってこれらの事情と仕事を両立できる可能性が高まる点です。
田舎には仕事がない?
田舎で働きやすくなったことは間違いありませんが、田舎で都市部と全く同じように仕事ができるというわけではありません。かつては、「田舎では仕事を探すのが難しい」と言われたことも事実です。
この章では、近年の田舎での就職状況に関して解説します。
仕事の種類
田舎で仕事を探す際、都市部とは仕事の種類が異なります。大きく分類すると田舎での仕事の種類は3つあります。
田舎ならではの仕事
田舎ならではの仕事は、主に一次産業・二次産業・観光業などの仕事です。これらの仕事に就くには、地域おこし協力隊などの自治体やNPO団体の求人募集して就職するか、地域の知人・友人などを頼って自営業を始めるかのいずれかの方法があります。
地域おこし協力隊とは、田舎に移住して地域ブランドや地場産品の開発・販売・PRなどの地域おこし支援の活動をするための行政による取り組みのことです。主に、農林水産業へに従事しながら、地域に定住することを目的として、過疎地域の自治体が募集をしています。任期は1年以上3年未満が一般的です。地域おこし協力隊に選ばれた場合は、居住する自治体から給与を受け取れます。
これらの仕事は、田舎だからこそできる仕事であり、移住と就職・転職がセットで考えられます。
場所を選ばずにできる仕事
テレワークやフリーランスなどの出社が必要ではない仕事や、出社の頻度が少ない仕事であれば、田舎に移住することも容易です。具体的には、Webデザインやプログラミングなどのオンラインや郵送・電話のみで完結する仕事が該当します。これらの仕事は、都市部でも田舎でも特に関係なく就労できるという特徴があります。
地元企業への就職
もともと、都市部にて会社員として仕事をしている方の場合には、企業への就職の方が働き方をイメージしやすいでしょう。特に、もともとの仕事と同業・同職種の場合には、田舎への移住もスムーズに進むでしょう。仕事の違いによって、移住に重きが置かれるか仕事や働き方に重きが置かれるのかが大きく変化します。
選択肢は多くないものの増加している
2021年時点において、田舎での求人数は都市部よりも少ないです。希望する職種やポジションによっては、地域に1件も募集がないことも珍しくありません。しかし、テレワーク・リモートワークの普及やITツールの普及に伴い、求人数は増えています。
田舎での仕事を探すとき、社会的にニーズが高い分野の仕事であれば、求人の選択肢はさらに広がります。具体的にはグリーンエネルギーやIT技術などです。逆に言えば、田舎での仕事は業界・業種・職種によってはどんなに待ってもなかなか求人が出てこないこともあります。
したがって、ご自身の希望する業界の求人の動向を、比較的長期的なスパンで確認すると良いでしょう。
地方自治体の支援も後押し
人口減少や高齢化を受けて、多くの自治体では都市部から移住をする方に向けて支援策を展開しています。支援策を利用すると田舎への移住は非常にスムーズになります。実際の自治体の支援策をいくつか見てみましょう。
■清流の国ぎふ移住支援補助金(岐阜県内の一部地域)
項目 | 詳細 |
---|---|
支援内容 | 単身者30万円・2人以上世帯50万円 |
基本条件 | 岐阜県以外の地域から岐阜県内に移住する39歳以下の単身・2人以上世帯 |
就業に関する条件 | 岐阜県内に居住し、企業に就労もしくは個人事業主として働く者 テレワークなどにより岐阜県外の企業に就労する場合にも補助金が認められる |
地域に関する条件 | 飛騨市、下呂市、関ケ原町、揖斐川町などの過疎地域 |
■山梨県移住支援金(山梨県内の市町村)
項目 | 詳細 |
---|---|
支援内容 | 単身者60万円・2人以上世帯100万円 |
基本条件 | 東京圏から山梨県に移住し、「山梨県移住支援マッチングサイト」にて転職を決定した方 移住前の企業に引き続き継続し、テレワーク実施に伴い山梨県に移住する方も対象 |
就労に関する条件 | 5年以上の定住と1年以上の就労が条件。違反した場合には返還が必要 |
そのほかの支援 | 山梨県との提携団体から住宅に関する支援あり |
■移住定住促進奨励事業(秋田県小坂町)
項目 | 詳細 |
---|---|
支援内容 | 住宅を新築する場合には60万円・中古住宅をリフォームして居住する場合には80万円の補助 |
対象者 | 秋田県小坂町に移住・定住する者を対象 ※5年以上の定住が条件 |
建物に関する条件 | 床面積50㎡以上・小坂町内の建築業者に依頼すること |
上記のような支援金は、全国の多くの地方にて実施中です。特に過疎や高齢化の問題に直面している田舎の地域ほど、支援が厚いケースが多いため、田舎への移住を希望される場合は移住先でどのような補助金が展開されているのかをぜひチェックしてください。
田舎での仕事を探す際に注意すべきポイント
田舎での仕事の探し方は、都市部とは異なる部分があります。この章では、田舎での仕事探しをするときに必ず押さえておきたいポイントを3点解説します。
住環境やインターネット環境をチェックする
田舎で働く際の絶対条件が住環境とインターネット環境です。田舎で賃貸物件を探す場合には、都会とは異なり必ずしも通勤に便利な場所に物件が存在するとは限りません。毎日の通勤時間が長くなってしまったり、生活環境が著しく不便になったりすると、生活のクオリティが大きく低下するため、就職先の目星がついた段階で、住宅を探す準備をしましょう。
また、田舎でも仕事の品質を保つためには、インターネット環境が欠かせない場合があります。地域によっては、インターネット光回線などのサービス対象外ということもあるため、ご自宅でもインターネットを利用できることを事前に確認しましょう。
転職条件・スキル・経験を客観的に判断
移住先の企業や自治体が求めるスキルや経験を持っている場合、地方への転職はく有利になります。トレンドや社会のニーズを把握した上で、ご自身のキャリアをどのように生かせるのかを常に意識しましょう。
また、人工知能やグリーンテクノロジーに関する技術・知識などについては、国や自治体が企業をバックアップしている場合があります。行政が支援をおこなっている分野であれば、より有利に転職活動を進められるでしょう。
転職に関する情報を効率よく集める
都市部から離れた田舎で就職活動をおこなう場合、どうしても時間や移動の負担が重くなります。特に田舎では、交通手段が不便であることも多いため、物理的な距離以上に情報収集や転職準備の負担が重くなります。
これらの負担を最小限に抑えるためには、効率の良い転職活動をすることが大切です。ご自身が希望する業界やポジションの求人を集め、企業の詳細を調べ、日程調整などをおこなった上で問い合わせや面談などをおこないます。一連の流れとしてはそれほど複雑なことはないものの、現職を続けながらこれらを同時におこなうのやはり大変なことです。
効率的に転職活動をするための解決策の一つが、転職エージェントを利用することです。特に、地方での転職に強い転職エージェントを利用すると、キャリアや希望にあった案件をピックアップして紹介されるため、情報収集が劇的にスムーズになります。さらに、面接の日程調整や要望・確認などのコミュニケーションを代行してもらえるため、限られた時間を有効活用できます。
田舎に移住して仕事をするには情報収集が重要
近年では、以前よりも田舎への移住が容易になりました。田舎での仕事の種類やポジションは、一昔前と比較して劇的に増えたからです。その背景には、インターネット環境やIT技術の発展による環境の変化があります。
しかしながら、田舎の求人数は都市部よりも少ない状況には変わりありません。田舎で好条件の仕事を探すためには、スキルや経験と企業が求める条件とのマッチングが不可欠です。また、転職に関する情報収集や転職活動を効率よく行うことも大切です。
田舎での転職を成功させたい方には、地方での転職に強い転職エージェントを利用するのがおすすめです。なかでもヒューレックスは、情報を効率よく集められることはもちろんですが、一般的な求人情報サイトに出回っていない求人案件をご紹介可能です。
田舎への移住と希望の転職の実現のために、転職エージェントなどのサービスを利用しながら、情報収集を進めましょう。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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