目次
秋田県は物価が低く住みやすい環境
東京のほぼ真北450kmに位置する秋田県は、「きりたんぽ」や「あきたこまち」に代表される食文化や、日本を代表する「秋田スギ」といった自然など、魅力の詰まった地域です。
そんな「見ても食べても楽しい」秋田県の特徴について、以下の項目に分けて細かく解説します。
人口が少なく働き手が不足している
総務省統計局の調査によると、秋田県の令和元年における人口は約96万人であり、総人口では47都道府県中38位となっています。また、同データにおける人口増減率(対前年比)は、47都道府県中ワースト1位のマイナス14.8ポイントとなっており、人口流出が激しい地域であると言えます。これらのことから、現在秋田では働き手が不足しているとも考えられますので、他県に比べて転職がしやすい環境であるとも言えるでしょう。
内陸に行くにつれて雪の心配が必要になる
秋田県は西に日本海、頭部県境には山脈が連なっていることで、典型的な日本海型気候となっています。そのため、夏は気温が高く真夏日や熱帯夜の多い地域としても知られています。また、雪国というイメージの強い秋田県ですが、上記の地形であることから、沿岸部の雪は少なく、内陸部に向かうに従って降雪量が増えてくるという特徴があります。
物価は全国平均に対して低い
秋田県の物価は全国平均に対して低いです。総務省が2020年に公表した「小売物価統計調査票(構造編)/令和元年結果」では、全国平均を100とした時、秋田県の総合物価指数は98.4ポイントとなっています。この数値は、東北地方の中で最も低い数値ですので、「とにかく物価を安くして東北地方に移住したい」と考える人にとっては嬉しいポイントです。
一方、光熱・水道物価指数は107.8ポイントと、全国平均に比して7.8ポイントも高くなっていることから、厳しい寒さを暖房で凌いでいる環境であることが考えられます。
移住する際は、一年間の生活をイメージし、どれくらいの生活費がかかるのかをシミュレーションしておきましょう。
通勤ストレスが少ない傾向にある
秋田県には、JRや新幹線、空港など一通りの交通機関が走っていますが、電車やバスでどこでもいける程には交通網が充実していませんので、住む場所によっては車での移動が必須です。また、総務省の「平成25年住宅・土地統計調査」によると、秋田県では通勤時間が30分未満であると回答した世帯は約76%であり、職場から比較的近い距離に家を構えている傾向が見られます。
移住促進や子育て制度が充実している
秋田県の各市町村には移住支援制度が用意されています。例えば秋田市であれば、「子育て世帯移住促進事業」として、秋田市への移住にかかる住宅購入・転居費用を女性していたり、能代市では「移住体験ツアー」で実際の移住した後のイメージをより具体化できたりと、様々な制度があります。
もちろん子育て制度や各種教育助成制度もありますので、詳細は「美の国あきたネット」を確認してみてください。
秋田県の転職市場
物価が安く、通勤時間も30分以内に収まることから、秋田県での暮らしは都心の喧騒から離れて生活できる魅力的な県と言えますが、やはり気になるのが転職市場です。ここでは秋田県の転職市場について解説しますので、移住を決心する前に必ず確認しておきましょう。
秋田県の平均年収は379.5万円
厚生労働省が公表している「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、秋田県の平均年収は379.5万円です。全国の平均年収451.2万円に対し秋田県の平均年収は低いことが分かります。
あくまでも「平均」になりますので、求人によってはこの水準よりも高い年収で募集されているケースもあります。そのため、平均年収に左右されることなく、しっかりと求人をチェックして自分の望む給与帯のポジションを探すようにすることが大切です。
秋田県の有効求人倍率は1.30倍
秋田県労働局が発表したデータでは、令和元年度3月の有効求人倍率は1.30と、前年同月比よりもマイナス0.09ポイントとなっています。有効求人倍率は、1.0倍以上であれば求職者よりも求人の方が多いことを表しますので、秋田県では比較的有利に転職活動ができると言えるでしょう。
一方、昨今の新型コロナウイルスの影響で、全国的に求人数が減っていることもありますので、最新の転職市場の動向や、個社別の採用状況を知りたい場合は、転職エージェントを活用して情報収集することがおすすめです。
秋田県の求人の特徴
秋田県労働局の調査をまとめると、秋田県では「不動産・建設系」「メーカー系」「商社・流通・小売系」の順に求人が多い傾向にあります(ヒューレックス調べ)。秋田の転職エージェント「ヒューレックス」に掲載されている求人情報を元に、秋田県の求人の特徴を解説していきます。
秋田県は「営業職」「機械・電気系技術職」の求人が多い
秋田県では、「営業職」「機械・電気系技術職」の求人が多いといった特徴があります。営業職は全国的に募集の多い職種ですが、機械・電気系技術職の求人が多いというのは、各メーカーが秋田県に工場を構えていることが大きな要因だと考えられます。
一方、「Web/クリエイティブ職」や「専門職(コンサルタント/金融/不動産)」の求人数は少ないため、これらの仕事に転職したいと考えている人は、若干転職活動で苦戦するかもしれません。
また、営業職や機械・電気系技術職の求人は多いものの、その多くは経験者募集の求人ですので、今までの自分のキャリアを棚卸しして、しっかりと選考対策を準備しなければ、転職成功は難しくなってしまいます。
ヒューレックスが取り扱っている「秋田県の求人」はこちらからご覧ください。
秋田市の求人が半分以上
市町村別に見てみると、秋田県で募集されている求人のおよそ半分は秋田市で募集されていることが分かります。これは、秋田市に企業の拠点が集まっていることに起因します。
移住したいエリアがあらかじめ決まっている方は、事前に転職サイトや転職エージェントで求人募集があるかどうかをチェックしておくことをおすすめします。
秋田県で高年収を狙うなら「コンサルティング」「IT系」業種
秋田県では、「コンサルティング系」「IT・通信・インターネット系」の業種の平均年収が高い傾向にありますので、高年収を狙ったキャリアチェンジを考えている場合は、業種を絞って転職活動をするのも一つの手です。もちろんこれらの業種は秋田県に関わらず、全国でも転職難易度が高い傾向にありますので、今までの自身のキャリア適正に応じて応募を検討することが大切です。
秋田県に転職、移住するメリット
ここからは、秋田県の生活環境や転職市場から考えられる、秋田県に転職、移住するメリットについて解説します。
- 都市部よりも物価が安く、ランニングコストを抑えて生活できる
- 通勤ストレスが軽減される
- 職種次第だが転職成功させやすい
- 生活水準が上がる可能性がある
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
メリット①都市部よりも物価が安く、固定費を抑えて生活できる
秋田県の物価は全国的に見ても低いため、日常的にかかる生活費が減ることに直結します。
また、物価に比例して家賃や土地代も都心に比べて遥かに安くなっていますので、毎月の固定費を抑えて生活できるといったメリットがあります。
メリット②通勤ストレスが軽減される
秋田県は人口が少なく、通勤時間が30分未満の人が3/4を占めることから、多くの人が車での通勤をしていたり、会社の近くに住んでいると考えられます。従って、移住先次第ではありますが、通勤によるストレスを軽減できるといったメリットがあります。もし通勤ストレスを少しでも減らしたい場合は、市町村別求人数データでほとんどの募集が秋田市での勤務となっていることから、秋田市周辺に移住することがおすすめです。
メリット③職種次第だが転職成功させやすい
秋田県の令和元年度3月の有効求人倍率は1.30ですので、求職者よりも求人数の方が多い状況であることが分かります。そのため、職種次第ではありますが転職を成功させやすいのもメリットです。営業職や機械電気系技術職の場合は求人数も多いので問題ありませんが、平均年収の高いIT職や専門職は求人数も少ないので、相対して転職難易度が上がる点には注意してください。転職難易度が高い求人に応募する場合は、転職エージェントを活用することがおすすめです。
メリット④生活水準が上がる可能性がある
秋田県自体の平均年収は357万円と、全国平均と比較して低めですが、ヒューレックスを始めとする転職エージェントの保有する求人には、それよりも高い想定年収を提示しているものが多数ありますので、年収をあげることも可能です。
また、仮に年収が変わらない転職だとしても、メリット①で記載した通り、月々発生する居住費を抑えて生活できますので、相対的に生活水準が上がる見込みが立ちます。地方で毎月の貯金額を増やし、上手くその貯金を運用することで、老後の貯蓄にもゆとりが持てるでしょう。
秋田県に転職、移住するデメリット
秋田県に転職・移住するメリットについて解説しましたが、もちろんメリットのみならずデメリットも存在します。移住となると、今後数年、数十年に渡って付き合っていく土地になりますので、デメリットもしっかりと理解した上で決断することをおすすめします。
①天候の違いに振り回される可能性がある
②移住や転職に伴い、支出が増加する
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
デメリット①天候の違いに振り回される可能性がある
秋田県は東京のほぼ真北に位置しているうえ、日本海と山脈に挟まれた土地のため、首都圏と大きく天候が異なります。夏は暑くなりやすい程度ですが、特筆すべきはやはり冬の天候です。内陸に行くに従って豪雪地帯となっていきますので、移住先によっては今まで経験したことのない降雪対策をイチから勉強しなければいけません。
また、車もスタッドレスやチェーンの用意をしたり、雪で交通機関が麻痺することを前提にした生活スタイルにしないといけなかったりと、天候に振り回されてしまうことが多くなるでしょう。
もしも秋田県で暮らした経験がない方は時間的余裕があれば、自治体で行われている「移住体験」を各季節で行うことで、あらかじめ天候の違いに慣れておくことが可能です。
デメリット②移住や転職に伴い、支出が増加する
秋田県で働き、移住をするためには、引っ越し費用や仕事道具の支払いなど、まとまった金額の支出が必要になります。また、選考中において、来社をして面接することを案内された場合は、交通費も必要です。秋田県に限らず、地方への転職や移住を検討する場合、前もってある程度の貯金をしておくと、余裕を持ってキャリアプランが設計できるようになります。
しかし、支出だけが理由で移住を諦めてしまうのはもったいありません。自治体によっては、移住に関わる引っ越し費用の助成金制度を設けている場合もありますので、秋田県が運営している「美の国あきたネット」を見て、資金援助が受けられないかを確認しておくことがおすすめです。
秋田県への移住・転職を成功させるポイント
最後に、秋田県の移住・転職を成功させるポイントについて解説します。
- 何故秋田県に移住したいのかをもう一度考える
- 移住したいエリアをざっくりと特定する
- 内定をもらってから移住をする
- 選考がどのように行われるのかを入念にチェックする
- 転職対策をしっかりと行う
- 転職エージェントを利用する
上記6つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
何故秋田県に移住したいのかをもう一度考える
自然や人、環境や食文化など、秋田県に魅力を持つポイントは人それぞれです。今一度、自分が何故秋田県に移住したいと考えたのかを深掘ることが、後悔しない移住に繋がります。また、移住理由によっては選考でも使うことができますので、転職を成功させる意味でもこの確認作業は大切です。
移住したいエリアをざっくりと特定する
移住エリアによって、天候や求人数が大きく変わるのが秋田県の特徴です。従って、ざっくりでも希望移住エリアを決めておくと、家探しや求人探しをスムーズに進めることができます。もしエリアの希望がないのであれば、求人数から考えると秋田市がおすすめのエリアと言えるでしょう。
内定をもらってから移住をする
移住してから転職活動するのではなく、転職活動が成功してから移住をするようにしましょう。理由は継続的な収入を確保するためです。移住や転職活動では、少なくないお金が必要ですので、できるだけ継続的な収入を切らさないことが大切です。
もし離職して転職活動をする場合、減っていく貯金に焦り、希望とは異なる転職になってしまう可能性もありますので注意してください。
選考がどのように行われるのかを入念にチェックする
選考が対面なのか、オンラインで行われるかによって、現職との兼ね合いに大きく影響します。最近はオンライン面接を行う企業も増えてきていますので、求人票をしっかり確認することがポイントです。
転職対策をしっかりと行う
秋田県は求人倍率こそ転職しやすい数値になっていますが、だからと言って誰でも簡単に内定が出るということではありません。応募書類や面接など、しっかりと転職対策を行う必要があるのは、首都圏内で転職する時と変わりありません。
転職エージェントを利用する
現職が忙しく、転職対策や求人探しに時間が割けないという方は、転職エージェントの利用がおすすめです。秋田県の優良求人を紹介してくれたり、無料で応募書類の添削や模擬面接を行ってくれます。
また、非公開求人と呼ばれる通常のルートでは応募できないような求人にもエントリーできるようになりますので、転職を絶対に成功させたいと考える人ほど、利用することをおすすめします。
秋田県への移住・転職は「入念な検討」が大切
秋田県は物価や居住費が安く、求人数も多いため、移住や転職には適している地域と言えます。一方、あまり確認せずに秋田県に移住してしまうと思わぬトラブルに繋がることも考えられますので、入念な検討をして、後悔のない移住を成功させましょう。
また、転職を後悔なく成功させたい場合は、秋田県の転職事情に詳しいヒューレックスの利用がおすすめです。
カウンセリングから転職先への入社まで完全無料でサービスの利用ができますので、お気軽にご相談ください。
この記事の監修
長牛 洋平
青森県出身。全国展開の広告会社で営業から企画提案、新規事業立ち上げ、マネジメントまでを担う。地元仙台・東北の一般企業、観光企業に長らく携わり「地域力=人」を実感。地域と人と企業の関係をよりダイレクトに感じたいとヒューレックスに入社。
コンサルタント詳細を見る