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福井県は住みやすい気候と支援制度のあるエリア
日本海側の中央に位置する福井県は、代表的なブランド米である「コシヒカリ」の発祥の地としても知られていますが、越前ガニや地酒、梅干しなど、里・海・山の幸に恵まれた土地です。
また、福井県は幸福度ランキングNo.1になったこともあり、魅力的な移住先として人気ですが、一体どのような地域特徴があるのかについて解説していきます。
福井県の人口は全国で5番目に少ない
総務省統計局の令和元年度調査によると、福井県の人口は76.8万人となっており、47都道府県の中で5番目に少ない人数であることが分かります。
また、同データから分かる福井県の対前年比人口増減率はマイナス7.8ポイントであり、全国平均がマイナス2.2ポイントであることから、福井県の人口は全国平均よりも早いスピードで人口減少が生じていると言えます。
人口が少ないこと、加えて人口減少が激しい地域であることから、福井県では「働き手が不足しているエリア」と考えられるでしょう。
福井県の気候は一年を通じて住みやすい
福井県は曇りや雪の日が多いものの、郊外のエリアの中では住みやすい気候をしています。全体的に湿度が高く、乾燥に悩まされにくいといったメリットだけでなく、夏と冬の気温の差が少ないといった特徴もあります。
一方、奥越地域は福井県の中でも気温が低く、雪の量も多いなど、福井県のどこに住むかで雪に悩まされてしまうこともあります。
福井県の物価は全国平均よりも低い
福井県の物価は全国平均よりも低くなっています。総務省が2020年に公表した「小売物価統計調査票(構造編)/令和元年結果」では、全国平均を100とした時、福井県の総合物価指数が99.3となっていますので、47都道府県の中でも低いことが分かります。
また、本調査では総合物価指数の他にも、「食料」「教育」など細かな種類ごとの物価指数もまとめられており、その中でも福井県の住居物価指数は85.4と大幅に低い結果となっています。
この数値は、家賃が低いことでも知られている沖縄県の住居物価指数とほぼ同等であり、福井県に移住すると賃料を抑えて生活できると考えられます。
福井県の72%の世帯は通勤時間が30分未満
福井県には北陸本線を始め、数本の私鉄が通っているだけでなく、バスも通っていますが、福井県坂井市にある福井空港には定期便がないためアクセスは悪いといった特徴があります。
また、設けられている電車やバスといった公共交通機関も、本数や路線が充分にあるというわけでなく、基本的に車での移動が必須のエリアと言えるでしょう。
総務省の「平成25年住宅・土地統計調査」によると、「通勤時間が30分未満である」と回答した福井県の世帯は72.5%と多く、通勤にストレスがかかりづらいことも特徴と言えます。
福井県には住みやすさを補助する支援制度が多く用意されている
福井県では、移住支援だけでなく、リフォームや出産育児といった支援制度が多く用意されていますので、長い期間に渡って住みやすさを感じることができるでしょう。
例えば敦賀市では同一世帯で第一子の出産に対して10万円の応援手当が支給されたり、福井市でUIターンをした若年夫婦世帯に20〜30万円の補助金を支給するなどの制度があります。
福井県の支援制度はこの他にも多数用意されていますので、気になる人は「福井県ホームページ」を見てみてください。
福井県の転職市場
物価も低く、一年を通して住みやすい気候で生活できる福井県に、移住したい意欲は増してきたのではないでしょうか。しかし、移住をして長く生活をしていくためには仕事をしなければいけません。
ここからは、福井県の転職市場についてデータを用いながら解説します。
福井県の平均年収は445.7万円
厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」を見てみると、福井県の平均年収は445.7万円であることが分かります。47都道府県全ての平均年収が451.2万円ですので、福井県の平均年収はほぼ全国平均と同等と言っていいでしょう。もちろんこれはあくまでも平均年収のため、求人によってはこれ以上の年収で募集されているものもあります。
福井県の有効求人倍率は1.83倍
福井労働局の発表によると、福井県の令和3年7月における有効求人倍率は1.83倍となっており、全国の1.15倍に対して高い水準であることが分かります。この結果の要因としては、有効求人数の減少幅よりも有効求職者数の減少幅の方が大きかったことが考えられます。
有効求人倍率とは、求人数を求職者数で割ったもののことを言い、一般的に1倍以上だと求職者数よりも求人数の方が多く転職のしやすい市況感であるとされています。
福井県の求人の特徴
福井労働局の令和7月の発表では、福井県には「生産工程・労務」「サービス」「専門・技術」の順に求人が多くなっています。
ここからは、福井県への転職に強い転職エージェント「ヒューレックス」に掲載されている求人情報を元に、福井県の求人の特徴について解説します。
福井県は「機械・電気系技術職」「営業職」の求人が多い
福井県では、「機械・電気系技術職」「営業職」「管理部門/事務系」の順で求人が多いです。
「機械・電気系技術職」が多いのは、福井県には土地代が安く大規模な工場が拠点を構えやすくなっているためであり、「営業職」の求人はどのエリアでも一定数の求人数があるためだと考えられます。
一方、福井県には「専門職系(コンサルタント/金融/不動産)」「経営幹部/企画/マーケティング系」の求人数は少ないので、これらの職種への転職を考えている場合には、苦戦してしまう可能性があります。
ヒューレックスが取り扱っている福井県の求人はこちらからご覧ください。
福井県の求人の約4割は福井市に集中している
福井県には17の市町がありますが、その中でも4割の求人が福井市に集中しています。次いで、小浜市、鯖江市と求人数の多さが続きます。求人数と人口数は相関関係にありますので、福井県の中でも人口の多い福井市に求人が集中しているのです。
また、人口が少ない地域ではその分求人数が少なく、特に福井県ではエリアによって希望の求人が全くないというケースもあります。自分が移住を希望するエリアで求人募集がされているかを事前に確認しておかないと、思わぬトラブルに発展してしまうかもしれませんので注意してください。
福井県で高年収転職を狙うなら「不動産・建設系」「サービス系」
福井県では、「不動産・建設系」「サービス系」の業種の平均年収が高い傾向にあります。転職により、移住だけでなく高年収転職を叶えたい場合は、これらの業界に絞って転職活動を進めてみてもいいかもしれません。
また、職種で見ると「経営幹部/企画/マーケティング系」「技術系(メディカル/化学/食品)」が高い平均年収となっていますので、合わせて参考にしてください。
一方、このような年収帯の高い求人は少なく、応募をしてくる求職者も多くなることが想定されますので、入念な転職活動対策を行わなければ内定獲得は難しいことも合わせて認識しておきましょう。
福井県に転職、移住するメリット
ここからは、これまでに解説した福井県の地域特性や転職市場を踏まえ、福井県に転職、移住するメリットについて解説します。
- 住みやすい気候で自然に囲まれて生活できる
- 居住費が安い
- 通勤ストレスを軽減できる
- 職種によっては高年収転職が可能
それぞれ詳しく解説していきます。
メリット①住みやすい気候で自然に囲まれて生活できる
福井県の平均気温を月別で見てみると、最も低いのが1月の3.2度で、最も高いのが8月の27.4度です。気温差はほぼ東京と変わらず、全体的にやや低めの気温になっているのが福井県の気候の特徴ですので、一年中住みやすい気候だと感じられるでしょう。
また、福井県には雄島や九頭竜湖といった雄大な自然もあり、仕事で疲れたら自然に触れてリラックスすることも可能です。都会では感じることができないような自然と共に生活することで、日々のストレスをリフレッシュしながら働くことができるようになります。
メリット②居住費が安い
福井県は全体的な物価指数が低くなっていますが、その中でも特に居住費の指数が低いのが特徴です。そのため、居住費を抑えて生活できるといったメリットがあります。
居住費は生きているだけで毎月かかってくる固定費のため、低くなればなるほど自由に使えるお金が増えます。もし同じ年収で東京から福井県に移住すると、減った分の居住費が丸々浮きますので、家計に余裕を持たせることも可能でしょう。
メリット③通勤ストレスを軽減できる
福井県では通勤時間が30分未満の世帯がおよそ7割を占めますので、ストレスを感じずに通勤できるようになるといったメリットがあります。首都圏だと満員電車に揺られて毎日通勤しなければならず、ストレスが蓄積してしまいます。
福井県では、そのようなストレスが少なくなるだけでなく、公共交通機関の本数の関係もあり、車で職場まで通勤できる求人もあります。毎日の通勤に煩わしさを感じているような人であれば、嬉しいポイントではないでしょうか。
メリット④職種によっては高年収転職が可能
福井県の平均年収は全国平均年収とほぼ同等の445.7万円ですが、転職する職種や業種によっては更に高い年収を稼げるようになるかもしれません。福井県では「不動産・建設系」「サービス系」といった業種、「経営幹部/企画/マーケティング系」「技術系(メディカル/化学/食品)」といった職種が高年収を狙える傾向にあります。このような求人は応募が殺到しやすく、転職難易度も上がりますので、転職エージェントを活用して内定獲得可能性を高めていく必要があるでしょう。
福井県に転職する際の注意点
福井県への転職や移住には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
移住となればこれから数年、数十年住み続けることになりますので、デメリットもしっかりと理解した上で検討する必要があります。
- 交通の便が悪い
- エリアによって求人が無い(少ない)
それぞれ詳しく見ていきます。
注意点①交通の便が悪い
福井県は電車やバスといった公共交通機関の本数や路線が少ないなど、交通の便が悪いといったデメリットがあります。
また、空港も定期便がないため、別の都道府県に旅行にいく時は不便さを感じてしまうでしょう。
これらのことから、福井県で生活をしていくためには車の運転が必須と言っても過言ではないでしょう。
運転が苦手でなるべく車に乗りたくないという人にとっては、福井県での生活にストレスを感じてしまうかもしれません。
注意点②エリアによって求人が無い(少ない)
福井県は17市町で構成されていますが、エリアによっては求人そのものが無かったり、あったとしても数が少ないです。
求人数が少なければ、その分1つの求人に応募が集まりやすくなってしまうことから、転職をすることが難しくなることもあります。
転職先が中々決まらずに福井県への移住ができないということを避けるためにも、転職の成功率を少しでも高められる転職エージェントの利用を検討したいところです。
福井県への移住・転職を成功させるポイント
最後に、福井県への移住・転職を成功させるポイントについて解説します。
- 福井県のどこに移住するかまで決めておく
- 福井県で生活することのメリットとデメリットを認識しておく
- 内定をもらってから移住する
- 転職対策を真剣に行う
- 転職エージェントを利用する
これら5つのポイントについて見ていきます。
福井県のどこに移住するかまで決めておく
福井県は住むエリアによって雪に悩まされる可能性があるだけでなく、求人数に差がありますので、転職の難易度も変わります。
スムーズな移住や転職を行うためにも、福井県の中でも具体的にどこに住むのかをあらかじめ決めておいた方がいいでしょう。
福井県で生活することのメリットとデメリットを認識しておく
福井県への移住においては、メリットだけでなく、デメリットをしっかりと理解しておかないと、いざ生活の場を移した後に後悔してしまうことがあります。
福井県は豊かな自然や豊富な支援制度が魅力的ですが、交通の便や冬場の寒さがデメリットになり得ますので、具体的な移住イメージを持っておくためにも、お試し移住の制度などを利用してみることをおすすめします。
内定をもらってから移住する
内定をもらう前に移住してしまうと、次の就職先が決まるまで収入がなくなり、転職活動に焦りが出る恐れがあります。焦って転職活動をしてしまうと、「希望の転職を叶える」よりも「どこでもいいから仕事を見つける」という思いが勝り、後悔の残るキャリアを歩むことになるでしょう。そうならないためにも、移住前からしっかり転職活動と向き合うことが大切です。
転職対策を真剣に行う
首都圏には多くの求人がありますので、もし見送りになっても次の応募先をすぐに見つけることができます。しかし、福井県は首都圏よりも求人数が少ないですので、1社1社の応募の価値が非常に高くなります。そのため、初めから転職活動を真剣に行っておかなければ、内定獲得に難航してしまう可能性が高まります。
履歴書や職務経歴書といった応募書類を始め、面接対策や企業理解など、転職活動ではやることがたくさんあります。「福井県への転職は、首都圏での転職よりも難易度が高い」という認識を持って臨むことが、福井県への移住成功に繋がるのです。
転職エージェントを利用する
先ほども解説した通り、福井県への移住・転職をスムーズに行うためにも、転職活動を真面目に取り組む必要があります。転職活動のレベルを一段アップするためにも、福井県への転職支援に強い転職エージェントの利用を検討しましょう。
転職エージェントを活用することで、自分の希望に合った福井県の求人を紹介してもらえるようになるだけでなく、企業との面接日程調整の代行や、応募先企業の詳しい情報の提供などのサービスを受けられますので、後悔のしない転職を成功させられるでしょう。絶対に転職を成功させたい場合は、転職エージェントに早速登録してみてください。
福井県への移住・転職にはしっかりと準備をしよう
福井県は移住や転職におすすめのエリアですが、地域特性のメリット・デメリットをしっかりと理解しておかないと、後悔してしまうかもしれません。また、福井県への転職を少しでも有利に進めたい人は、福井県の転職事情に詳しいヒューレックスの利用がおすすめです。
福井県の銀行と連携しているため、地元優良企業や好条件の求人を紹介可能です。カウンセリングから転職先への入社まで完全無料でサービスの利用ができますので、お気軽にご相談ください。
この記事の監修
須賀川 敏哉
神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。
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