目次
コロナ禍で変化した転職市場
コロナ禍の影響で転職市場では大きく以下3つのような変化がありました。
- 有効求人倍率の大幅な低下
- オンライン面接による採用の加速化
- 経験者採用ニーズの上昇
それぞれについて詳しく解説していきます。
有効求人倍率は45年ぶりの大幅低下
2021年1月29日に厚生労働省から発表された、2020年平均の有効求人倍率は1.18倍で、前年と比べると0.42ポイント低下する結果となりました。
これは、コロナウイルス(COVID-19)蔓延の影響による企業の業績悪化が大きく関係しています。飲食店・宿泊施設を中心に解雇や雇い止めが相次いだ影響で、求職者が6.9%増加し、企業の求人数が21.0%減少したためです。
ちなみに、この大幅な低下は、1975年のオイルショック(0.59ポイントの低下)以来45年ぶりとなりました。
飲食・宿泊関係の求人が大きく減少
産業別に見ると、前年度から大きく求人数が減った業種は「宿泊業・飲食サービス業」の31.4%減で、次いで「生活関連サービス業・娯楽業」の30.8%減と大きな落ち込みが見られました。
一方で、コロナ禍の影響が薄かったためか、建設業は6.5%増という結果になりました。
参考:一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)|厚生労働省
都道府県別の有効求人倍率ワーストは沖縄県で0.81倍
2020年の平均有効求人倍率を都道府県別に見ると、最下位の47位は沖縄県で0.81倍、46位は神奈川県で0.88倍、45位は滋賀県で0.95倍という結果になりました。
※求人倍率は、求職者1人に対して何件の求人があるかを示し、数値が大きいほど転職しやすい傾向にあることを意味します。基本的に求人倍率は「1」を基準とし、1以上であれば企業の求人数が求職者より上回る売り手市場の状態を指します。
■2020年 平均有効求人倍率が低い都道府県
都道府県 | 有効求人倍率 | |
---|---|---|
47位 | 沖縄県 | 0.81 |
46位 | 神奈川県 | 0.88 |
45位 | 滋賀都 | 0.95 |
44位 | 長崎県 | 0.98 |
44位 | 千葉県 | 0.98 |
43位 | 青森県 | 0.99 |
42位 | 埼玉県 | 1.01 |
41位 | 高知県 | 1.03 |
41位 | 北海道 | 1.03 |
40位 | 兵庫県 | 1.05 |
※厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)」のデータをもとに算出
IT関連企業を中心にオンライン面接による採用の加速化
エン・ジャパン株式会社がユーザー企業に行った「オンライン面接に関するアンケート」の結果によると、新型コロナウイルス感染拡大を受けてオンライン面接を実施した企業が26%でした。
業種で見ると、IT・インターネット関連の企業が最多で58%、次いで広告・出版・マスコミ関連の企業が43%。一方で、不動産・建設関連、サービス関連の企業は21%にとどまりました。
その、71%が「今後も積極的に実施する」と回答していることから、今後IT・インターネット関連の企業を中心にオンライン面接による採用が加速していくのではないかと予想されます。
経験者採用ニーズの上昇
コロナ禍で先行きが不透明な状態であることから、「将来的に自社にとって有益な人材になってくれるだろう」という期待値で業種・職種未経験者を採用する企業は減少傾向にあります。
一方で、コロナ禍の影響で今後の見通しが立たないからこそ、企業では即戦力となる人材の採用ニーズが高まっています。
転職して有利なのはどんな人?
コロナ禍における転職で有利になるのは、転職先の企業の業種・職種の経験がある方です。業種・職種の経験がある方は、コロナ禍でなくても転職に有利ですが、多くの企業が業績悪化する中で、より即戦力な人材を求める傾向が高まっています。
そのため、自分が経験している業種・職種で求人を絞り転職活動を行うことで有利に転職活動を進められるでしょう。未経験の業種・職種への転職はなかなか厳しい状況ですが、一方で成長スピードが速い業績好調な企業では、人員が不足傾向にあり採用を強化しているため、狙い目です。今までの経験・スキルを活かしどのように即戦力として活躍できるかアピールすることで採用の可能性は大きく高まります。
コロナ禍でも好調!狙い目の業界は製造業と情報・通信業
東京商工リサーチの2020年 上場企業「新型コロナウイルスによる業績上方修正」調査によると、コロナ禍において2020年に売上高もしくは利益を上方修正した上場企業は551社。業種別に見ると、製造業が全体の4割の214社を占める結果となりました。
コロナ禍において、人々のライフスタイルが大きく変化し、食品、衛生用品、家電製品など家庭内消費関連の需要が急増したことが大きな要因です。
また、テレワーク需要やEC販売の伸びが大きくオンライン関連の業績向上が見られた情報・通信業も好調でした。これらの状況から、製造業と情報通信業はコロナ禍において狙い目の転職先と言えるでしょう。
注目企業について知りたい方は、都道府県別「メーカー・製造業の企業一覧」「IT業の企業一覧」コラムもあわせてご覧ください。
地方転職ならライバルが少なく有利
地方都市を中心とした有効求人倍率が高いエリアであれば、求職者よりも企業の求人数が上回り、より転職がしやすいと言えるでしょう。平均有効求人倍率が高い都道府県は以下のとおりです。
■2020年 平均有効求人倍率が高い都道府県
都道府県 | 有効求人倍率 | |
---|---|---|
1位 | 福井県 | 1.64 |
2位 | 岡山県 | 1.59 |
3位 | 東京都 | 1.47 |
4位 | 島根県 | 1.46 |
5位 | 広島県 | 1.44 |
6位 | 香川県 | 1.42 |
7位 | 岐阜県 | 1.40 |
8位 | 愛媛県 | 1.33 |
8位 | 茨城県 | 1.33 |
10位 | 石川県 | 1.32 |
※厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)」のデータをもとに算出
転職エージェントのヒューレックスは、地方の転職に特化しており、地方企業の情報に精通しております。転職を有利に進めたい方はぜひお気軽にご相談ください。
ウィズコロナで転職成功のポイント
コロナ禍における転職成功の大きなポイントになるのは以下の3つです。
- まずは情報収集から動いてみる
- スキルの棚卸しをする
- 勤務地の選択肢を広げる
それぞれについて詳しく解説していきます。
まずは情報収集から動いてみる
コロナ禍に限らず、情報収集は転職活動の基本です。まずは、自分が転職を考えているエリア、業種・職種にどのような求人があるのかチェックしましょう。求人をチェックする際は、求人の見落としがないよう必ず複数の求人サイトで検索します。indeedなどの求人検索エンジンで検索すればある程度網羅することができるのでおすすめです。
これまでの経験やスキルの棚卸しをする
即戦力人材が有利になるコロナ禍の転職市場では、これまでの経験やスキルを棚卸しし、自分のキャリアの強みを知ることが重要です。
転職活動で必要な職務経歴書の作成を通して、経験やスキルを振り返るのがおすすめです。今までの経験やスキルを時系列で言語化し振り返ることができるので、自分の強みやアピールポイントなどが見えてきます。
職務経歴書を作成する際は、「職務経歴書の正しい書き方」を参考ください。
「【職種別】職務経歴書のフォーマット(見本付き)」を無料ダウンロードいただけます。
勤務地の選択肢を広げる
勤務地の選択肢を広げるのも転職成功のポイントです。
エリアによってはコロナ禍の影響で求職者が求人数を上回り、有効求人倍率が上昇しています。勤務地の選択肢を隣県に広げ、有効求人倍率が低いエリアを狙うのも転職成功のポイントです。思い切って地元にU・Iターン転職するという手もあります。
総務省が2020年12月24日発表した「住民基本台帳人口移動報告」によると、東京都では5月から11月まで転入者よりも転出者が多い転出超過状態になっています。つまり、東京から都外へ引っ越す方が多いということです。コロナの影響が大きいエリアから離れたいというのもありますが、この機会にU・Iターン転職に踏み切った方も少なくありません。
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まとめ:現役転職コンサルタントからのメッセージ
本記事前半でご紹介したとおり、コロナ禍における転職は経験者が非常に有利な状況です。転職を考えている方は、まずは自身が経験してきた業界・職種への転職を検討しましょう。もし、新しいことにチャレンジしたいのであれば、これまでの経験・スキルをどのように活かせるかアピールすることが転職成功のポイントになります。
ただし、コロナの状況下で未経験の業種・職種に転職するのは容易ではないため、時期を改めるという選択肢も念頭においてください。
経験者、未経験者問わず、転職をもっと有利に進めたいのであれば、転職エージェントの活用がおすすめです。特に、ヒューレックスは各都道府県の銀行や企業と厚い信頼関係を結んでいる転職エージェントなので、転職を有利に進められます。
おすすめの求人紹介や履歴書や職務経歴書作成や面接のアドバイスもしてくれるので、手間なく効率的に転職活動を進められるのも、ヒューレックスの強みです。転職をご希望でしたら、まずは、ヒューレックスにお気軽にご相談ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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