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Uターン転職の際に申請できる補助金とは?
2021年現在、Uターン転職に伴う補助金にはいくつかの種類があります。補助金を効果的に活用するためにはまずはUターン補助金にはどのような種類があるのかを知ることが大切です。さらにこの章では、補助の厚い自治体の事例についてご紹介します。
地方移住支援の種類
Uターン補助金にはさまざまな種類があり、名称・条件・支給額などそれぞれまったく異なります。「どこからどこに移住をするのか?」「どのような職種に転職するのか?」などの条件によって申請可能な補助金が異なることをまずは理解しましょう。
補助金は、国が発行しているものと地方自治体(都道府県や市町村)が発行しているものとに分類されます。
- 国が出している補助金=地方創生移住支援事業
- 地方自治体が出している補助金=移住や指定業種での転職などの条件を満たした場合に、移住先の地方自治体から出される補助金
両者の具体的な内容は、「2.地方のUターン転職で使えるお得な補助金【2021年版】」にてご紹介します。
【事例】移住支援が手厚い自治体の補助金
独自の移住支援を展開している自治体の中で、特に充実した支援を支給している自治体をご紹介します。
・秋田県:移住支援金制度
対象者 | 補助金 |
---|---|
首都圏から秋田県に移住し独自の要件を満たした場合 | 60~100万円 |
秋田県では、条件を満たした移住者に対して60~100万円の補助金を支給しています。条件はやや厳しいものの、国からの補助金と合わせて最大200万円の補助金を受領できる可能性があります。
・和歌山県和歌山市:わかやま市型移住支援金
対象者 | 補助金 |
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60歳以下の2人以上の世帯主 | 50万円 |
60歳未満の単身者 | 30万円 |
和歌山市は、補助金の対象者が60歳までと非常に広いことが特徴的です。また、和歌山市が運営するマッチングサイトを経由して就職するという条件も指定されています。希望のエリアがある方は、ご希望のエリア周辺にて同様の補助金が展開されていないかを確認してみるとよいでしょう。
地方のUターン転職で使えるお得な補助金【2021年版】
補助金は、とても種類が多くまた全国で統一されていないため、一つひとつ具体的に確認するのはかなり大変です。補助金には通常申請期間が設定されているため、期限によって補助金がもらえなくなってしまうケースもあるでしょう。
しかし、補助金の種類を知り目星をつけてから情報を調べることで、情報を見落とすリスクはかなり低減されます。補助金の内容を具体的にイメージしていただくためにも、種類別にUターン転職の際に対象となりうる補助金をご紹介します。
最大100万円|全国型地方創生移住支援事業
全国型地方移住支援事業は、東京から地方に移住する際に申請できる補助金です。国が出している補助金であるため、全国一律の条件が設定されています。東京からのUターン転職を検討中の方は、まず全国型地方創生移住支援事業を確認しましょう。
最大100万円|全国型地方創生移住支援事業 | |
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条件 | ・通算5年間・直近1年間以上、東京23区在住もしくは東京23区の企業に通勤していた ※居住地と職場の両方が23区内だった場合は、重複してカウント可能。 ・東京圏外もしくは東京圏内の条件不利地域に移住し、5年以上継続してその土地に居住する意思がある ・都道府県のマッチングサイトにて就職もしくは指定されたIT専門職などに人材紹介会社を通じて就職 |
支給額 | ・世帯主100万円、単身者60万円 ※ただし、自治体が独自の金額を設定している場合もあります |
具体例:京都府移住支援金 | 上記条件を満たし、京都府内にUターンをする場合、最大100万円の補助金を申請できる。申請可能期間は、転入後3か月~1年以内 |
例として京都府を挙げましたが、大半の自治体で同じ内容の補助金が展開されています。指定のマッチングサイトが各自治体ホームページに掲載されているため、チェックしましょう。
地方自治体独自型移住者賃貸住宅助成金
地方自治体独自型移住者賃貸住宅助成金とは全国型の補助金とは別に、自治体が個別に設定している補助金です。全国型地方創生移住支援事業と重複適用を認めているものと認めていないものがあります。
福井県:敦賀市U・Iターンプラスワン移住支援金事業 | |
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主な条件 | ・全国型地方創生移住支援事業に該当しない45歳未満のUターン転職者 ・住民票を移す直前に福井県敦賀市に5年以上居住していたこと ・敦賀市内の企業に、週20時間以上・5年間以上勤務する意思があること |
補助額 | 2名以上の世帯主:60~100万円 単身者:30~50万円 |
全国型地方創生移住支援事業との併用はありませんが、東京圏以外からの転職者や指定のマッチングサイトを経由せずに転職した方が対象になるなど、利用しやすい補助金制度となっています。自治体独自の補助金は、積極的に若年層の移住を推進している地域に多くみられます。
移住貸住宅助成金
空室・空き家対策や地元の建設業者の補助の意味合いも含めて、Uターン転職者の住宅に対して補助金を助成している自治体もあります。
・兵庫県洲本市:洲本市移住及び定住のための空き家入居支援事業
対象者 | UIJターンに伴い空き家を購入する20歳以上の方 | |
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登録空き家 | 補助対象経費の最大1/3 | 最大100万円 |
一般の空き家 | 補助対象経費の最大1/3 | 最大60万円 |
兵庫県洲本市では、空き家対策として空き家を購入するUターン社に対する補助金を支給しています。洲本市のように、空き家対策として補助金や特別なプランを提供している自治体は比較的多く見られます。
奨学金返還支援事業
若年層の生活の負担を軽減する目的で、奨学金返還をサポートする補助金を支援している自治体もあります。
新潟県:Uターン促進奨学金返還支援事業 | |
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主な条件 | ・30歳未満 ・指定の奨学金を利用して、大学・短期大学・専門学校などを卒業している ・新潟県に転入後6か月以内にフルタイムでの勤務が決定し、なおかつ1年以上の就業見込みがある |
補助内容 | ・申請の前年に変換した奨学金の額 ・年額20万円・トータル120万円・申請時の奨学金残債の2分の1 |
新卒者のみを対象としているケースや年齢の条件をかなり厳しくしている自治体もあるため、奨学金支援については条件を入念にチェックしましょう。
Uターン転職に利用できる補助金について押さえておきたいポイント
具体例をいくつかご覧いただいたことで、Uターン転職関連の補助金の傾向や種類について具体的にイメージしていただけたのではないでしょうか?
この章では、補助金についての申請漏れや確認時の誤解を防ぐためにはどのようなポイントをチェックすればよいのかについて確認します。
交付している団体
一般的に国・都道府県・市町村のいずれかから補助金が出されています。どこが補助金を出しているのかによって、申請先や問い合わせ窓口が異なります。基本的に、市町村の担当窓口を確認すれば都道府県や国が出している自治体の情報を教えてもらえます。
対象者
補助金は、一定の条件を満たした対象者でなければ受給できません。
<条件例>
- 移住前の住所とその住所での居住年数
- 移住先の住所の居住経験(Uターン/Iターン)
- 年齢や家族構成
また、複数の補助金の対象者になり得る際には重複の可否もチェックしてください。
条件と受付期間
Uターンの補助金には、転居後に就職する企業の立地・規模・業種などの条件や申請期間などが設けられています。申請期間は、転居後3か月~1年間といったように、一定の期間が経過してから受付開始するように設定されていることが多い点にも注意してください。
金額
補助金の内容や、申請条件によってもらえる補助金の額は変動します。同じ条件でも移転先によって受け取れる金額が異なることもあるので、転居先にこだわりのない方や融通の利く方は複数の自治体の条件を比較するとよいでしょう。
申請方法
補助金は正しい手順に沿って申請をしないと受け取ることはできません。補助金を交付している自治体の窓口やホームページで、申請方法を必ず確認しましょう。また、申請の際には申請内容を証明するための添付書類を要求される場合が大半です。
■必要とされる添付書類の例
- 身分証明書
- 住民票
- 税金の滞納履歴がないことを証明する書類
- 卒業証明書
事前に必要とされる書類を確認し、申請方法とあわせて確認しましょう。
企業もUターン転職者の採用に積極的
Uターン転職の補助金は、採用企業側にも給付される場合があります。転職希望者が、企業向けの補助金を直接手にすることはありませんが、企業が積極的に採用を進める可能性が高まるという意味で、間接的にメリットを受けられる可能性があります。
この章では、企業側に支給されるUターン転職に関する補助金の意味合いをふまえて、メリットの生かし方を解説します。
補助金が出されている背景
企業側に出されるUターン転職関連の補助金にもいくつかの種類がありますが、基本的に以下の背景があります。
- 東京に人口・経済が集中するのを避ける国の施策
- 地方の経済や産業の活性化
また、間接的な背景としてはIT技術の進化などにより、場所にとらわれない働き方を実現しやすくなったことも挙げられます。したがって、地元にUターンをしながらテレワークをする働き方での採用を企業側が推進している場合もあります。
基準を満たすスキル・経験をもつ転職者に対して支給される補助金も!
企業に対して支給されるUターン関連の補助金は、イノベーションの創生・成長産業への人材供給・特定の業界の人手不足の解消などの意味合いで用いられることもあります。したがって、補助金対象となっている専門的なスキルや資格をもっている方は、転職方法によってかなり転職が有利になります。
■補助金対象のスキル・資格一例
- 総合食糧品商社・海外コンサルタント会社・中国貿易会社等の取締役員の経験者
- 海外でMBA取得
- 食品加工工場 工場長 ISO9001 品質管理責任者
必要とされる資格や経験は、個々の案件によってかなり幅があります。補助金対象として認められた具体例を見るか限り、企業は補助金を受給できるのは、産業の成長や発展のために欠かせない専門的な技術・経験をもっている転職者を採用したケースです。
規定により、補助金対象の基準を満たす人材の採用は、自治体が指定する転職エージェントを通じておこなわれています。つまり、条件を満たすスキルや経験をもっている方は、転職エージェント経由で申し込みをすることで、チャンスが広がる可能性があるということです。
補助金を賢く使って、Uターン転職を成功させよう
Uターン転職では、高額の補助金を利用できるケースがあります。しかし、時間的な制約のあるなかで、遠方での転職活動をするのはとても大変なことです。
そこで、おすすめしたいのは転職エージェントの利用です。Uターン転職に強い転職エージェントを利用すれば、現在のお住まいから遠く離れた場所の企業であっても、情報収集や企業とのコミュニケーションを円滑に進められます。したがって、現職を続けながらUターン転職を効率的に進めることが可能です。
ヒューレックスは、長年の転職支援実績において多くの地方優良求人案件をもつ転職エージェントです。無料での転職・キャリア相談に対応しているので、まずは気軽にお問い合わせください。