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Uターン・Iターン転職の特徴
Uターン転職やIターン転職は、都会で働いていた人が転職をして、地方に移住することを指す言葉です。基本的に、その地域の地元企業や、支社などに転職することになりますが、在宅勤務制度が広がる中で、リモートワークができる会社に転職して地方に移住するケースを含めることもあります。
Uターン転職は、特に地方出身者が都会に出て就職した後で、地元に帰るケースを指します。地域の特徴をわかった上で、転職を進められるという強みがあるでしょう。
一方、都会で生まれ育って就職した人が、転職をして地方で働く場合は、Iターン転職といいます。Iターンには、自分の好きな地域を選んで転職できるという魅力があります。
30代にとってのUターン・Iターン転職とは?
転職を希望している30代にとって、Uターン・Iターン転職とはどのようなものなのでしょうか。
30代のUターン・Iターン転職に関する事情や得られるもののほか、注意すべきことをまとめてご紹介します。
ワークライフバランスの実現につなげられる
30代は、結婚や出産など、生活環境の大きな変化が訪れることも多い年代です。一人だけの生活をしていた頃とは、適切なワークライフバランスも変わってくるでしょう。
また、10年前後の社会人生活を送るあいだに、働き方に対する自分の希望や、将来のキャリアビジョンも固まってきます。今後どのような働き方や暮らし方をしていきたいのかを考えたときに、都会での働き方は向かないと感じる人もいるかと思います。
そういう人はUターン・Iターン転職で働き方を大きく変えることで、理想的なワークライフバランスの実現につなげられる可能性があります。
例えば地方では、都会のように満員電車に長時間揺られて通勤をするということはあまりありません。車通勤が主な地域では、そもそも電車に乗る必要もなくなります。通勤時間が短縮できればその分、家族と過ごす時間や自分のための時間を多く取ることができます。
さらに、待機児童が少ない地域へ移住することで、働きながらの育児もしやすくなります。職場、保育園、自宅の距離が短ければ、お迎えに間に合わないといったトラブルも避けることができるでしょう。
30代のUターン者は24.8%
出生都道府県から県外に移動したのち、再び出生都道府県に戻った「Uターン者」の割合を調べた調査結果によると、30代のうち24.8%がUターン者であるという結果が出ています(2016年、国立社会保障・人口問題研究所調べ)。
つまり、30代の約4人に1人はUターンをしているということになります。Uターンをしている30代は、それほど珍しくないといえるでしょう。ただし、これはUターンの理由を問わずに調査したものです。Uターン転職以外の理由が含まれる可能性もあります。
経験を活かした転職を目指しやすい
入社後、10年程度が経過した30代の中には、責任のある仕事を任されたり、チームを率いるリーダーとして活躍したりしている人も多いでしょう。十分に社会人としての実績を積んでいることから、これまでのスキルや経験を活かした転職もしやすくなります。
ただし、30代の場合、新卒や第二新卒のようなフレッシュさや柔軟性などは少ないとみなされる可能性もあります。特に、これまでにあまり実績になるような仕事をしてこなかった人にとっては、だんだんと条件のいい転職が難しくなってくる年代ともいえます。
この時期に妥協した転職をしてしまうと、その後の転職がさらに難しくなってしまう可能性もあります。Uターン・Iターン転職をする場合も、「その地域で働けるならどこでもいい」といった気持ちで決めるのではなく、自分のキャリアビジョンに合った企業を選ぶようにしてください。
生涯賃金が下がる可能性がある
Uターン・Iターン転職をすることで、給与が下がってしまう可能性があります。特に、結婚や出産を機にUターン・Iターン転職を希望する場合は、収入の変化に注意が必要です。
Uターン・Iターン先として考えられる地方の給与額は、都会よりも低い傾向があります。将来の教育費や夫婦の老後資金などが不足することがないよう、生活に十分な収入が得られる転職先を探しましょう。月額の給与だけでなく、ボーナスや退職金など、生涯賃金についても意識しておくことをおすすめします。
ただし、家族で地方に移住する場合、家賃や将来の住宅購入費、教育にかかるお金といった、生活費自体を圧縮することもできます。移住後の生活コストと給与の収支について、試算して判断しましょう。
30代がUターン・Iターン転職を成功させるためには?
30代のUターン・Iターン転職を成功させるためには、転職活動の進め方にポイントがあります。最後に、Uターン・Iターン転職を行う際に心掛けておきたいことをご紹介します。
事前の情報収集を十分行う
今の住まいから離れた場所への移住や転職を行う場合は、気軽に現地に行くことができません。しかし、Uターン・Iターン転職後は、そこで長く暮らすことになるわけですから、できるだけ現地に足を運んで、どのような土地柄なのかを確認しておくことをおすすめします。
同時に、地方独自の産業や求人の傾向、応募予定の企業の情報などもできる限り集めましょう。地元企業に強い転職エージェントに相談すると、企業情報の提供や非公開求人の紹介といったサポートが受けられます。
また、Uターン転職の場合、地域の友人や知人、親戚などから意見を聞くこともできます。ただし、この場合は、主観が入った意見が中心になります。偏った情報に踊らされることがないよう、気をつけることが大切です。
余裕を持ったスケジュールを組む
転職や移住は、どちらか一方でもある程度の時間がかかるものです。「子供の入学までにUターン・Iターン転職したい」といった目標がある場合は、できるだけ早めに準備を進めましょう。
Uターン・Iターン転職では、思ったように転職先が見つからなかったり、働きながらの転職活動で時間の都合をつけづらかったりすることもあります。また、転職後に条件に合う家が見つからないといった問題が起こる可能性もあります。
転職、移住ともに、できるだけ余裕を持ってスケジュールを組むことで、不測の事態にも対応しやすくなります。
仕事の探し方を工夫する
仕事を探す方法は、ハローワークや転職サイトなどさまざまですが、30代のUターン・Iターン転職で特におすすめなのは、地域に強い転職エージェントの活用です。
現在の仕事を続けながらの転職活動は、ただでさえ時間的な制約が大きくなります。ましてや、Uターン・Iターン転職の場合、「面接に行ってみたら希望と違っていた」ということになると、交通費と時間の大きな無駄になります。
地域の企業に強い転職エージェントであれば、あらかじめ条件や希望、経験などを伝えておくことで、適した企業をピックアップして紹介してもらうことができます。転職活動の労力と時間を削減するため、積極的に活用しましょう。
30代のUターン・Iターン転職は、効率良く慎重に
30代でUターン・Iターン転職を目指す場合、働きながら転職活動をするケースもあるでしょう。その場合、かけられる時間には限りがありますから、転職エージェントなどを活用しながら、効率良く進めることが大切です。その分、現地調査や家族との話し合いなどに時間をかけて、しっかり準備をすることが成功につながります。
ヒューレックスは、特に地方の転職に力を入れている転職エージェントです。地元企業の非公開求人も多く取り扱っているため、経験を活かして働ける職種やポジションをご希望されている人は、ぜひご相談ください。
この記事の監修
須賀川 敏哉
神奈川県出身。早稲田大学卒業後、大手証券会社に入社。人材業界では、通算20年以上のキャリア。10年間の証券営業を通じ、経済や景気動向、企業動向の見方を養う。 大手総合人材サービス会社では、首都圏拠点立ち上げ、新宿・丸の内支店長、金融・外資部長、東京本社エリアディレクターを歴任。 ヒューレックスでは、転職支援を中心に、コンサルタントとして幅広い職種と年齢層に対応。
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