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Uターン・Iターン転職とは?
Uターン転職とは、地方で生まれ育った人が都会で就職し、その後、再び地元に帰って、地域の企業に転職することを指します。何らかの事情があって実家に戻らなければならない、生まれ育った土地に愛着があるなどの理由でUターン転職を考える人が多いです。
一方、Iターン転職は、元々都会で生まれ育って都会で就職していた人が、地方へ移住・転職をすることを指します。Iターン転職には、地方暮らしに憧れたり、農業や漁業、林業など、その地域ならではの仕事を志望したりするケースがあります。
Uターン・Iターン転職までの流れ
Uターン・Iターン転職では、長距離の転居と転職活動の両方を行わなければなりません。いつ、何をすればいいのかがわからなくならないように、あらかじめ流れを理解しておきましょう。
1. 移住先の決定
Uターン転職の場合は、地元に帰ることになりますから、どの地域で転職先を探すのかは最初から決まっているといえます。
決めなければいけないのは、住む場所です。実家に戻るのか、自分で部屋を借りるのか、借りる場合どのあたりに住むのかといったことを考えておきましょう。
一方、Iターン転職の場合は、まずはどこに移住するのかを決める必要があります。元々好きな地域があって、そこで暮らしたいという人は問題ありませんが、「田舎暮らしがしたい」「都会から離れたい」というだけの場合は、どこがいいか目星をつける必要があります。
移住に関するフェアに参加したり、地域のウェブサイトを見たりしながら、どこに住みたいか考えてみてください。
2. 情報収集
住みたい地域の目星がついたら、Uターン・Iターン転職を希望している人や、移住者向けの情報を収集します。中でも、特にしっかり確認しておきたいのが、求人の状況と住環境です。
求人がなければ、Uターン・Iターン転職をすることもできません。実際にどのような求人募集があるのか、ハローワークのウェブサイトや転職サイトなどをチェックしてみてください。また、地域に強い転職エージェントに相談すると、非公開求人も含めてどの程度の人材需要があるのかを知ることができます。
希望する職種の求人数や、求人の具体的な内容、待遇などを確認して、応募したいと思える企業があるかを調べます。
Iターン転職の場合は、土地柄や文化についても調べておく必要があります。移住してから「思っていた暮らしができなかった」ということがないよう、どのような暮らしになるのか確認しておきましょう。
なお、自治体によっては、移住者向けの補助制度を用意しているところもあります。短期のお試し滞在や、非常に低額で家を貸してもらえる制度などもありますので、自治体のウェブサイトを確認してみてください。
3. 実際に足を運ぶ
インターネットの発達により、家にいながらにしてあちこちの土地の情報を調べることができるようになりました。しかし、実際に現地に足を運ぶからこそわかることもあります。
Iターン転職を目指す場合はもちろん、Uターン転職の場合も、帰省がてら足を運んで、街の様子や暮らしている人の様子のほか、スーパーや金融機関、病院など、生活に必要な施設の様子を確認しておきましょう。
4. 転職活動
移住する場所の決定や現地の視察が終わって、Uターン・Iターン転職の意向が固まったら、いよいよ転職活動を行います。
Uターン・Iターン転職には、「地元の人ならではの知識や情報が入りにくい」「転職活動に長距離移動が必要」といった特徴があります。通常の転職とは勝手が違う部分もありますから、資金や時間の都合をうまくつけながら進めましょう。
5. 住居の確保
無事に仕事が見つかったら、住居を探します。
Uターン転職で実家に戻る場合は問題ありませんが、そうでない場合は、内見や契約のたびに長距離を移動しなければならないという点に注意が必要です。
住まいは、住環境や就職先からのアクセスの良さ、家賃などをもとに決定することになります。いくつかの物件を見比べて、地域の相場がどのくらいなのかを理解した上で検討しましょう。
6. 現職の引き継ぎ
転職先が決まったら、現在の職場に退職の意向を伝え、後任者への引き継ぎを行います。
気持ち良く退職するためにも、計画的に引き継ぎをするようにしましょう。
7. 移住・入社
引き継ぎが終わったら、いよいよ移住と転職先への入社となります。
Uターン・Iターン転職を志してから、実際に移住するまでにかかる期間は人によって異なりますが、数ヵ月程度はかかる可能性が高いでしょう。転職や引越しは、焦ると後にトラブルを招く可能性があります。時間や資金に余裕を持って準備することが大切です。
Uターン・Iターン転職での仕事の探し方
Uターン・Iターン転職では、地域の特徴や地元の情報なども調べながら仕事を探す必要があります。自分だけで探そうとするのではなく、情報に精通している地域のサービスなどを活用しましょう。
転職エージェント
転職エージェントの中でも、特に該当の地域内の企業との結びつきが強いエージェントや、地域の転職に強いエージェントを選ぶのがおすすめです。
転職エージェントでは、求人サイトに掲載されていない非公開求人の紹介や、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策のような転職サポートも受けられます。また、応募先企業とのあいだに立って日程などの調整をしてくれることから、仕事をしながらの転職活動では特に役立ちます。さらに、転職が決まり、実際に入社してからのアフターフォローも行いますので、転職活動の心強いパートナーとなりえる存在です。
自治体の移住サポート窓口
自治体によっては、移住サポートのための窓口を設けている場合があります。具体的なサポート内容は自治体によって異なりますが、移住者のための受入協力企業を紹介しているところもありますから、確認してみてください。
ハローワーク
ハローワークのインターネットサービスでは、遠方の求人も検索することができます。また、ハローワークによっては「地方就職支援コーナー」という窓口があり、Uターン・Iターンを希望する人向けの職業相談なども行っています。
人脈を頼る
その地域に知人や親戚がいる人であれば、人脈を頼って就職先を探す方法もあるでしょう。「信頼できる人からの紹介であれば安心」ということもあるかもしれません。
ただし、人脈を頼っての転職には、うまくいかないときに関係性がこじれる、断りづらいといったデメリットもあります。
転職と移住、どちらを先にすべきか?
Uターン・Iターン転職をするときは、転職と移住の両方をほぼ同時期に行う必要があります。
この転職と移住は、どちらを先にしなければいけないというものではありません。しかし、基本的には、転職先を先に見つけるのがおすすめです。
移住は自分の好きなタイミングですることができますが、転職は企業からの採用をもらわなければできません。先に移住をするということは、現在の仕事を辞めてしまうということでもあるため、なかなか仕事が決まらないと金銭的負担が大きくなります。
Uターン・Iターン転職では、転職先の企業も、転居をしなければいけないという事情をわかっています。そのため、採用決定から入社までの期間を長めに見てくれるなどの配慮をしてくれる場合が多いです。
特別な事情がなければ、先に転職先を見つけてから移住という順番を意識しておきましょう。
Uターン・Iターン転職をするときの注意点
Uターン・Iターン転職は、通常の転職とは違う面が多くあります。Uターン・Iターン転職をするときは、時間、費用、求人の3つに注意しましょう。
時間が取られる
Uターン・Iターン転職では、面接や住まい探しのたびに長距離を移動する必要があります。そのため、平日の面接であれば有給休暇を取る必要があるでしょう。仕事帰りに気軽に面接に行くことはできませんから、時間的な余裕を持っておく必要があります。
ただし最近では、オンラインでの面接に対応している企業も多くなっています。そうした機会を活用できれば、時間を取られずに転職活動を行うこともできます。
費用がかかる
Uターン・Iターン転職は、現地までの移動にかかる交通費や滞在費、引越し費用など、何かとお金がかかります。多少、転職活動が長引いても大丈夫な程度の資金を用意しておきましょう。同時に、自治体の補助制度などがないか調べておくことも大切です。
自分に合った求人がなかなか見つからない
地方での転職は、求人数が都会よりも少ないことから、自分の希望にぴったり合致する仕事がなかなか見つからない可能性があります。どのくらいの求人数があるのか、どんな求人が出ているのかは、具体的に動き始める前にチェックしておいたほうがいいでしょう。
非公開求人を扱っている転職エージェントに相談すると、個人では見つけられない求人も紹介してもらえます。このようなサービスも積極的に活用して、より多くの選択肢を持つことが大切です。
Uターン・Iターン転職は計画的に進めよう
Uターン・Iターン転職を実現させるためには、時間やコストもかかるため、できるだけスムーズに進められるように準備をしてください。自治体の移住相談窓口や転職エージェントなど、外部サービスの活用もおすすめです。
転職エージェントのヒューレックスでは、地元企業との結びつきが強く、多くの非公開求人を取り扱っています。また、地元の情報に精通したコンサルタントが多く在籍しており、一人ひとりに合った企業やポジションのご紹介や、Uターン・Iターン転職ならではの悩みに対するカウンセリングを得意としています。Uターン・Iターン転職をお考えの際は、ぜひお気軽にヒューレックスにご相談ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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