目次
「地元企業で働くこと」を理解するのが大事
「地元企業で働く」という決断をする前に、地元企業で働くことでどのようなメリット、デメリットがあるのかしっかり確認しておきましょう。
地元の企業で働くメリット
地元企業で働くメリットは、
- 地元に貢献できる
- 慣れ親しんだ環境で生活できる
- 支援制度が使えることもある
- 生活コストが安くなる
などが挙げられます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
地元に貢献できる
地元企業に転職することで、自分自身が生まれ育った地域の経済成長・発展に貢献することができます。特に地方では、人口流出が顕著で慢性的な人材不足です。これまでの経験・スキルが活かせる地元企業であれば即戦力として働けるでしょう。今まで自分が育ってきた愛着のある地元で転職することで、企業の経済活動を通じ、地域社会の発展に貢献することができます。
慣れ親しんだ環境で生活できる
知らない土地で働く場合、不安や寂しさを感じることがありますが、地元で働く場合は家族や学生時代の友人も身近にいるため不安や寂しさを感じずに働けます。両親や兄弟、親戚と過ごす時間も増えるため、家族を大切にできるのもメリットです。また、生まれ育った土地でのコミュニティを活かして転職や転職後の仕事をスムーズに進められるといったメリットもあります。
支援制度が使える場合がある
地元企業へUIターン転職した方向けに奨学金免除や住宅補助、引っ越し支援金といった支援制度を用意している自治体もあります。支援制度の内容は自治体によって様々なので、支援制度があるかどうか、地元の支援制度について一度チェックしてみると良いでしょう。
地元が「地方」なら生活コストが安くなる
地元が「地方」であれば、都会で働くよりも生活コストを安く抑えられる傾向にあります。総務省の統計データによると、都市部の生活コストは平均33.5〜34.6万円ほどですが、地方では23.4〜29.3万円ほどと、都市部と比べて月に4.2〜11.2万円ほど生活コストを抑えられそうです。
地元企業で働くデメリット
地元企業で働くデメリットとしては、
- 企業の選択肢が限られる
- キャリアパスの選択肢が限られる
- コミュニティが狭くなる
などが挙げられます。
それぞれについて詳しく紹介していきます。
企業の選択肢が限られる
都会と比べて地元の企業は数が少ないため選択肢が限られます。業種・職種次第では企業がかなり限定される可能性があるため、企業に求める希望条件が満たせないケースもあるということを把握しておきましょう。
キャリアパスの選択肢が限られる
地元では企業の選択肢が限られると同時にその後のキャリアパスも限定的になります。地元の企業は出世が年功序列であることが多いことに加え、役職が少なくキャリアが詰まりがちです。キャリアパスを明確に描けている方は、転職後にギャップがないよう応募・選考時に企業にしっかり確認しておきましょう。
コミュニティが狭くなる
地元企業で働くことで、家族や友人との距離が近くなるというメリットがある一方で、コミュニティが「地元」のみになってしまい行動範囲が狭くなる、視野が狭くなるなど「刺激が少ない」と感じることもあります。
地元の優良企業の求人を探す方法
地元で働くのであれば優良企業に転職したいところ。ここでは、地元で優良企業を探す方法について解説していきます。まずは、地元企業に特化した媒体をチェックしましょう。地元の優良企業の求人が掲載されている可能性が高いためです。
一方で、GoogleやYahooといった検索エンジンで検索しても埋もれている傾向にあるため、根気よく探す必要があります。
地元ならではの求人をチェックしたい方なら地方自治体の求人サイト
地方自治体によっては、独自の求人サイトを用意しているところもあります。独自の求人サイトを利用することで、地元企業の求人を比較的簡単に見つけられるでしょう。
例えば、愛媛県では「あのこの愛媛」という求人サイトを運営しています。ほかにも、青森県では「あおもりジョブ」というサイトで求人情報を発信しています。市町村単位でも求人情報サイトを運営しているケースがあるため、地元の行政に問い合わせてみるのがおすすめです。
地元が地方の方なら「LO活」
LO活は、厚生労働省が若者の地方での就職を応援するプロジェクトで、全国46道府県の自治体と連携して、地方就職に特化した情報を発信しています。地元が地方なのであれば一度目を通しておきましょう。
地元の中小零細企業への転職も視野に入れている方なら「商工会議所」
商工会議所は、市や一定地域内の商工業者のよって組織されている公益経済団体です。地元の経営者への情報提供をはじめ、地域経済の発展のために様々な活動を行っています。その取組みの1つとして、「合同就職説明会」や「職業相談会」を行っている商工会議所もあります。
また、イベントを開催していなくても商工会議所に在中している経営指導員に直接相談できる場合もあります。この経営指導員は地元企業の詳しい情報を知っているため、ぜひ相談してみましょう。
新卒・第二新卒の方なら厚生労働省の「若者雇用促進総合サイト」
若者雇用促進総合サイトは、厚生労働省が若者雇用促進法に基づき求人を行っている企業の情報を発信しているサイトです。若者の雇用管理状況が良い中小企業(ユースエール認定企業)も紹介されているので、20代にとって働きやすい企業をチェックできます。
豊富な求人から探したい方なら「求人媒体」
求人媒体に様々な地元企業の求人が掲載されているので、多くの選択肢から地元企業の見極めたいという方は求人媒体がおすすめです。求人媒体によって掲載されている求人が異なるケースもあるので複数の求人媒体をチェックしておくと地元企業の求人を網羅できるでしょう。
地元に行く時間がある方なら「ハローワーク」
地元に気軽に帰省できる方は、地元のハローワークを利用して求人を探してみるのもおすすめです。窓口の担当の方に地元への転職相談もできるというメリットもあります。
忙しい方なら「転職エージェント」
転職エージェントは、求人紹介から履歴書・職務経歴書のアドバイス、面接対策、企業との条件交渉まで行ってくれるサービスです。
また、転職活動に関わる様々なことをサポートしてくれるので、日々の仕事が忙しく転職活動をする時間がなかなか取れないという方におすすめです。残業時間や年収、評価制度といった企業に聞きづらい質問も担当のコンサルタントが代わりに確認してくれるので、ストレスなく転職活動を進められます。
地元優良企業に転職するためのポイント
誰しもが「地元で働くなら優良企業で働きたい」と思うのではないでしょうか。
しかし、優良企業は離職率が低く、欠員補充がなかなか行われない傾向があるため、
- 優良企業の求人を見逃さない
- 応募者が多くても負けない志望動機と自己PRを用意する
- 地元で働きたい軸を作る
- 転職活動開始から引っ越しするまでのスケジュールを考える
- 地元の企業が抱える課題をリサーチする
という5点がポイントになります。
それぞれについて詳しく解説していきます。
求人を見逃さないよう定期的に地元の求人をチェックする
優良企業は離職率が低く、欠員補充がなかなか行われません。また、求人が出てもすぐに応募が集まり求人掲載をやめてしまう企業もあります。そのため、いち早く求人を見つけて採用が打ち切られる前に求人に応募しなければなりません。
ただし、いつ優良企業が求人を掲載するか分かりませんし、どの求人媒体で募集をするかも分からないので、定期的に様々な求人媒体をチェックする必要があります。
志望動機、自己PRで差別化をする
優良企業の求人には応募が集まりやすいため、その分競争相手も多くなります。志望動機と自己PRがありきたり内容では、厳しい書類選考を通過することができません。企業の情報をくまなく目を通し、自身の経験・スキルをしっかり棚卸しした上で志望動機と自己PRを考えると良いでしょう。
「なぜ地元で働きたいか」という軸を作る
自分軸とは「大切にしたいこと」「譲れないこと」といった考え方や想いを指し、転職だけでなく人生を通して物事を判断する自分だけの判断基準です。年収や雇用条件などとは別に、人生の中で「何を大切にしたいから地元企業に転職するのか?」といった視点を与えてくれる考え方です。
地元への転職自体を目的にするのではなく、自分軸で大切にしたいものや譲れないことのために「地元で働きたい」という想いを伝えると、面接官からの突発的な質問にも対応できるでしょう。さらに、答えが一貫しているため、「芯がある人だな」と好印象を持ってもらいやすくなります。
転職活動開始から引っ越しするまでのスケジュールを考える
地元企業に転職する場合、近場の企業に転職するよりも、スケジュールに余裕を持って行動することが大切です。地元企業への転職は引っ越しを伴う可能性が高いためです。
厚生労働省によれば、「転職活動を始めてから離職するまでの期間」は次の通りです。
- 「1か月以上3か月未満」: 27.1%
- 「転職活動期間なし」:25.8%
- 「1か月未満」19.1%
参考:厚生労働省
「転職活動期間なし」を除けば、3人に1人が「1か月以上3か月未満」かかっているとわかります。
地元企業が遠い場合、物理的な距離が伸びることから転職活動も長引く可能性があるでしょう。平均よりかかるとして、3〜5ヶ月を想定した場合、引っ越しや物件探し、有給消化などを考慮すると、少なくとも仕事を辞める半年前から転職活動を始めるのがおすすめです。
応募の段階で入社日まで考慮したスケジュールを立てておくと、面接で「いつから働けますか?」と聞かれてもスムーズに回答ができるだけでなく、地元への転職に対する本気度が伝わるでしょう。
地元の企業が抱える課題をリサーチする
地元の企業は、都市部の企業にはない課題を抱えているケースがあります。例えば、地元のモノづくり企業では、人口減少に伴う後継者の不足はもちろん、近隣地域の人口流出による取引先の減少も課題です。
総務省統計局によれば、東京を除く46都道府県で人口が減少しています。
出典:総務省統計局
さらに、抱える問題は都道府県や市町村によって異なります。行政や商工会議所などを訪れて、地域が抱える問題を尋ねてみるのも一つの選択肢といえるでしょう。
転職したいと思う地元企業の魅力や強みを知っている点をアピールするだけではなく、「自分が入社したらどのような工夫をして企業の課題を解決するか」といった、雇用する側のメリットを考えることも大切です。
地元企業に転職する際の注意点
「慣れ親しんだ地元で働くなら安心」と感じる方もいますが、だからといってかならずしも転職がうまくいくとは限りません。ここでは後悔しないために知っておきたい、地元企業に転職する際の注意点を3つ紹介します。
- 家族の意見を無視して勝手に決めない
- 企業の業績等を調べておく
- 転職先が決まるまで現在の会社を辞めない
それぞれについて詳しく紹介していきます。
家族の意見を無視して勝手に決めない
地元への転職は家族の生活も大きく変化させます。配偶者や子どもがいる場合、地元への転職に対する家族の意見を確認し、同意を得てから転職活動を始めましょう。家族の意見を無視して転職すると、「勝手に決めた」と配偶者から責められたり、急な環境の変化で子どもに心理的な負担を与えてしまうケースも少なくありません。
自分にとっては慣れ親しんだ地元でも、家族にとっては初めての土地に引っ越すため、一般的には不安や心配の方が強いです。生活環境を調べて伝えたり、長期休暇を利用して一緒に地元で過ごしたりすると、転職後に家族で生活するイメージを抱いてもらえるでしょう。
企業の業績等を調べておく
長期目線で企業が儲かっているかを判断することは重要です。地元の場合、万が一でも倒産してしまうと、求人数が少ないためすぐに新しい仕事に就職できるとは限りません。そのため、業績の良い企業に転職することをおすすめします。
業績は「財務諸表」で確認できます。財務諸表とは、株主や税務署などに向けて作成された企業の経営状態をまとめた資料です。チェックすべきポイントは以下の3つです。
- 売上高の動向:長期的に利益を出している企業かどうか
- 営業利益と純利益:コストと利益の割合に無理はないか、赤字か黒字か
- キャッシュフロー:事業や設備・人件費にどのくらいお金をかけ返済はできているか
業績は企業のホームページで公開している「IR情報」、上場企業は金融庁の「EDINET(エディネット)」から閲覧可能です。わからない場合は、口コミサイトなどを利用してもよいでしょう。
転職先が決まるまで現在の会社を辞めない
内定をもらうまでは、今の勤め先は辞めない方が賢明です。地方では人材不足が進む一方、優良企業の就職倍率が高いため、転職活動が長期化する可能性もあります。
ただ、現在の勤め先でなんらかのハラスメントを受けていたり、一刻も辞めなければならない理由があったりする場合、無理に続ける必要はありません。いったん実家に帰り、心と体を休めることも大切です。
転職エージェントを利用すれば地元優良企業の転職に有利になる
転職エージェントは、転職活動における様々なことをサポートしてくれる存在ですが、地元優良企業への転職したい方はぜひ一度利用してみましょう。
特に地場の転職エージェントであれば、地元優良企業との関係性も深く、多くの求人を保有しています。転職エージェントを利用すれば求人サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してもらえるため、地元の優良企業を紹介してもらえる可能性が高いです。
中でも、地元の金融機関と提携しているヒューレックスなら、金融機関を通じて地元優良企業の求人を多く保有しています。地元企業との信頼関係も構築できているので、ヒューレックスを仲介して応募することで、企業の細かな情報を知れますし、地元企業にあなたのことを上手くPRすることもできます。
これから地元の優良企業で働きたいと考えている方は、ぜひヒューレックスの利用をご検討ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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