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仙台の転職市場は活気がある
仙台の有効求人倍率は高いので、20~30代だけでなく40代を対象にした求人も増えています。仙台の転職市場を理解するため、仙台の有効求人倍率や、宮城県の平均年収、就業者の正社員比率などを確認しましょう。
仙台の有効求人倍率は高水準
仙台は全国でも有効求人倍率が高い街です。厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると2021年12月の全国平均の有効求人倍率は1.16% でしたが、仙台は1.58% でした。
有効求人倍率とは、1人の求職者に対して何件の求人があるかを示す指標です。有効求人倍率の数値が高いほど求人数も多いことを意味します。例えば、有効求人倍率1.2%の場合、1人の求職者につき1.2件の求人が来ている状態です。
仙台の転職市場のイメージがわきやすいように、2021年10~12月の仙台含め東北6県と全国平均の有効求人倍率を下表にまとめました。
エリア別の有効求人倍率 (2021年10~12月)
エリア | 10月の有効求人倍率 | 11月の有効求人倍率 | 12月の有効求人倍率 |
---|---|---|---|
全国平均 | 1.15% | 1.15% | 1.16% |
仙台 | 1.52% | 1.51% | 1.58% |
宮城県 | 1.35% | 1.28% | 1.26% |
青森県 | 1.12% | 1.14% | 1.13% |
岩手県 | 1.23% | 1.22% | 1.25% |
秋田県 | 1.51% | 1.43% | 1.40% |
山形県 | 1.34% | 1.34% | 1.30% |
福島県 | 1.29% | 1.31% | 1.35% |
仙台は、全国の中でも有効求人倍率が高く、東北エリアではトップクラスを誇っていると言えます。
宮城県の平均年収は約338万円
仙台がある宮城県は東北6県の中で最も平均年収が高い県です。厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、2021年の宮城県の平均月収28万1,900円で、年収に換算すると約338万円でした。東北6県のそれぞれの平均年収は下表の通りです。
エリア別の平均年収(2021年度)
エリア | 平均年収 |
---|---|
全国平均 | 369万2,400円 |
宮城県 | 338万2,800円 |
青森県 | 288万6,000円 |
岩手県 | 295万800円 |
秋田県 | 296万400円 |
山形県 | 302万2,800円 |
福島県 | 320万7,600円 |
東北6県全体の平均年収は306万8,400円です。宮城県は東北の中で最も高い年収の得られる県であることが分かります。
全国平均年収369万円に及びませんが、全国平均は東京の約448万円や神奈川の約402万円など首都圏エリアが引き上げている印象です。
宮城県の就業者のうち正社員は54.8%
総務省統計局の「平成29年就業構造基本調査」によると、宮城県で雇用されている方のうち正規職員は54.8%で、非正規職員は31.5% でした。男女別でみると、男性の正規職員は65.5%で女性は40.8%です。
正規職員や非正規職員、自営業主などを含めた有業者の就業状態構成比は以下の通りです。
宮城県の15歳以上の就業状態構成比
性別 | 正規の職員・従業員 | 非正規の職員・従業員 | 自営業主 | 家族従業者 |
---|---|---|---|---|
男女計 | 54.8% | 31.5% | 7.5% | 1.3% |
男 | 65.5% | 17.6% | 10.2% | 0.4% |
女 | 40.8% | 49.7% | 4.0% | 2.4% |
宮城県の男性の有業者のうち、65.5%が正規職員で10.2%が自営業主でした。宮城県で働いている男性は、約8割が正社員もしくは自営業主ということが分かります。
職種別の40代年収相場
仙台の転職市場の動向に続き、40代の年収相場を職種別で紹介します。40代が活躍している職種を中心にピックアップしました。
職種別の40代の年収相場
職種 | 平均年収 |
---|---|
企画/管理系 | 641万円 |
営業系 | 577万円 |
技術系(電気/電子/機械) | 539万円 |
技術系(建築/土木) | 489万円 |
販売/サービス系 | 400万円 |
事務/アシスタント系 | 371万円 |
職種別の40代の年収相場によると、「企画/管理系」の年収の高いことが分かります。企画とは、経営企画や事業企画などに携わる職種を指します。管理系は、人事や総務など人とモノの管理をする職種です。
どちらも企業の中枢を支える職種のため、年収は高くなります。営業系の仕事は、インセンティブがつくことも多いため、高年収が狙いやすい傾向です。
仙台の企業が40代に求める3つのもの
では、40代が仙台で転職成功するにはどのような能力が必要でしょうか。仙台の企業が40代の転職希望者に求めている能力は、大きく分けて3つあります。
- 経験とスキル
- マネジメント能力
- コミュニケーション能力と人脈
各スキルの特徴について詳しく解説します。
経験とスキル
新卒、第二新卒の社員を一人前のビジネスパーソンに育て上げるためには、企業にとっては多くの時間とコストがかかります。
しかし、ミドル層なら、これまで培ってきた経験とスキルがあるため、明日からでも仕事を任すことが可能です。つまり、企業は40代に即戦力となることを期待していると言えます。
マネジメント能力
40代は、人材マネジメント能力だけではなく、定常業務やプロジェクトを遂行するための、経験に基づいた高いマネジメント能力が要求されます。
ミドル層であれば、管理職として部下の指導や育成経験のある人も少なくないでしょう。転職面接では、今までの管理職経験を伝えるようにしましょう。
コミュニケーション能力と人脈
どんな職場においてもコミュニケーション能力に優れている人は高い評価を受けます。
特に40代ミドルはコミュニケーション能力を元に、時間をかけて築いた人脈を新しい職場でも活用することが求められます。
40代の転職理由別の面接対策
転職活動を始める前に、「なぜ転職をするのか」という理由・目的をご自身の中で明確にしておきましょう。転職理由は面接のときに必ず聞かれます。転職理由に応じた面接対策について解説します。
キャリア・年収アップのため
「仕事の幅を広げたい」「自分のスキルをもっと活かせる職場に転職したい」という転職の動機はとてもポジティブです。
ただし、面接の際に、会社への貢献よりも自身のキャリアアップやお金を優先していると思われないように注意しましょう。
面接では「要件定義など上流の工程に携わりたい」などキャリアアップの内容を具体的に伝え、自身のキャリアアップが応募企業にどんな利益をもたらすかまで伝えるようにしましょう。
在職中の会社が業績不振のため
業績の回復する見込みがない会社に勤め続けるよりは、転職活動をして安定企業への就職を目指した方が賢明です。
採用面接では、安定志向を前面に出すよりは、仕事に対する意欲的な姿勢を見せた方が好印象につながります。
例えば、「業績不振のため事業が縮小することになりました。営業部門の社員は他部署に異動することになったため、営業を続けたいと考え貴社を志望しました」というように、仕事に対して前向きな言葉を添えます。
Uターン・Iターン転職がしたい
大都市圏から離れて、仙台の企業に転職するUターン・Iターン就職の希望者も増えています。
40代の場合は、「仙台に戻って高齢の親を安心させたい」、「子どものために自然が多く環境のいい仙台で暮らしたい」という理由を挙げる人も多いようです。
仙台の活性化に貢献したいとアピールすれば好意的に受け止められますが、面接では応募会社を希望している理由や身に付けたスキルや経験を活かして会社のために何ができるかを説明する必要があります。
例えば、商品力に魅力を感じて志望していると話し、「今までの接客経験で身に付けた顧客対応のスキルを活かして、貴社の商品の魅力を顧客に伝えていきたい」というように具体的にアピールします。
ワークライフバランスを整えたい
30代の頃に比べ体力に自信がなくなってきた40代は、ワークライフバランスを重視する企業への転職を考えても不思議ではありません。
ただ、ワークライフバランスを強調しすぎると、「あまり働きたくないのか」と悪く受け取られてしまうので、面接では、残業時間の確認程度にとどめておくのが無難です。
人間関係のトラブルから逃れたい
実は転職の理由として一番多いのは人間関係のトラブルです。
しかし、それを正直に言うと、「協調性がない。新しい職場でもトラブルを起こしかねない」と思われてしまいかねません。採用面接で、人間関係を理由に持ち出すのはあまりおすすめしません。
どうしても言う必要のある場合は「尊敬できる上司の下で働きたい」などポジティブな表現に言い換えましょう。
40代が転職成功するための6つのポイント
40代が転職に成功するための6つのポイントを紹介します。
- 未経験の仕事に転職希望なら幅広く仕事を探す
- 事務職に転職したい40代女性は経験をアピール
- 仙台にUターン・Iターン転職したい方は志望動機を明確に
- 管理職求人に応募する際は管理能力の高さを伝える
- 給与や労働時間などの希望条件を決めておく
- 履歴書と職務経歴書は分かりやすく簡潔に
転職成功のポイントを1つずつ詳細に解説します。
未経験の仕事に転職希望なら幅広く仕事を探す
40代で職種と業種のどちらも未経験の仕事に転職するのは難しいと言えます。企業は40代に即戦力を求めているからです。
可能な限り、業界は未経験でも職種経験のある求人に応募しましょう。働いたことのある業界でも職種経験がなく管理職経験もない場合は、求人数は限られてしまいます。
もし「今まで経験した業界と職種から離れて全く違う仕事に挑戦したい」と考えている場合は、仕事選びにこだわりすぎないことが大切です。先入観にとらわれず、幅広く仕事を探しましょう。40代未経験を歓迎していることが多い職種には以下のようなものもあります。
- 営業職
- 製造オペレーター
- ドライバー
- 介護職
- 飲食業
上記の仕事はヒューマンスキルが重要視されることも多い傾向です。そのため、実務経験が浅くても採用されることはあります。コミュニケーション能力など、ポータブルスキルと呼ばれる業種や職種を問わない持ち運び可能なスキルをアピールしましょう。
事務職に転職したい40代女性は経験をアピール
事務職に転職を考えている40代女性は、事務の実務経験をアピールしましょう。企業は事務職にも実務経験者を求めているからです。
経歴をアピールする際は、数字を入れて説明することをおすすめします。たとえば「5人の営業スタッフのサポートをしています」「1日〇〇件の書類作成とデータ管理を行っています」といった説明方法です。数字で表した方が担当した業務の規模が伝えやすくなります。
また「見積書作成から顧客の対応も行った」など対顧客の経験は高評価につながりやすいです。営業事務の職域を超えて活躍できる人物像がイメージしやすくなるからです。
40代は20代にない経験値があります。今までの経験をアピールして応募企業に貢献できることを伝えましょう。
仙台にUターン・Iターン転職したい方は志望動機を明確に
仙台にUターン・Iターン転職したいと考えている方は志望動機を明確にしましょう。「現職が嫌だから地元に帰りたい」という逃げの転職ではなく「応募企業で働きたい」という意欲的な転職であることを伝える方がいいからです。
Uターン・Iターン転職でも「応募企業の製品に魅力を感じた」という志望動機は入社への熱意が伝わりやすくなります。「自分の育った街の発展に寄与したい」という地元への思いや「仙台で腰を据えて働きたい」というキャリアプランも、入社意欲のアピールにつながります。
「年収を上げたい」と考えている方は、給料が動機と思われないように注意しましょう。「給料が良いから働きたい」のではなく「事業内容に魅力を感じたから働きたい」と伝えることがポイントです。
管理職求人に応募する際は管理能力の高さを伝える
課長以上の管理職に応募する際は、管理能力の高さを伝えましょう。管理職は、納期や部下を管理し、業務を完遂する能力が求められるからです。管理職に求められることが多いスキルは以下の4点です。
- 情報収集と情報伝達能力
- スケジュール管理などの業務遂行能力
- 部下の教育などの指導力
- 個人情報管理などのコンプライアンスを厳守する能力
面接では、スケジュールや人を管理した経験について具体的に伝えましょう。具体性を高めるために、何年間で何人くらいのチームを管理したかなど数字を用いて話すことをおすすめします。
給与や労働時間などの希望条件を決めておく
40代はマイホームのローンや子どもの教育費など、家族のための支出も多い時期です。さらに親の介護や定年後のライフプランなども考え始める年代でもあります。
それまでの生活水準を保ち、今後に備えるために必要最低限の年収額を確認しておきましょう。給料に加え、事前に決めておきたい項目は以下の通りです。
- 給料
- 勤務時間
- 有給休暇日数
- 転勤の有無
- 住宅手当などの福利厚生
これらを考慮に入れて、事前に希望条件を決めておけば転職に対する不安が軽減します。面接で希望条件を尋ねられたとしても、回答を準備しておけばスムーズに返答可能です。
履歴書と職務経歴書は分かりやすく簡潔に
履歴書や職務経歴書といった応募書類では、できるだけ平易で読みやすい文章を意識しましょう。字の上手い下手ではなく、丁寧に書いているかどうかです。誤字脱字にも気を付けましょう。
履歴書は形式に従って必要事項を書くものですが、第一印象を大きく左右するとても大事な書類です。履歴書で担当者の興味を引く自己PRができないと足切りの対象になります。内容はしっかり考えましょう。
職務経歴書は、自由形式であるために情報をたくさん盛り込む人がいますが、経歴は簡潔に書きましょう。応募条件にマッチするスキルや経験があることを強調しながら、自慢と捉えられないように自己PRすると効果的です。
転職エージェントで履歴書と職務経歴書を添削してもらえば、誤字脱字や過剰な自己アピールをしていないかが確認してもらえます。
40代が仙台で効率良く転職活動する4つの方法
転職活動を成功させるために、情報収集が最も大切です。転職ノウハウや求人情報などを徹底的に調べましょう。仙台で転職活動をする際は具体的に4つの方法があります。
- ハローワークを利用する
- 求人サイトに登録する
- コネクションを利用する
- 転職エージェントを活用する
転職活動の方法について1つずつ詳細に解説します。
ハローワークを利用する
離職している方は、ハローワークに足を運ぶという手があります。仙台のハローワークは40代の就職氷河期世代の方向けの転職サポートを行っています。対象者など具体的な内容は以下の通りです。
仙台の就職氷河期世代向け転職支援
対象者 | ・35歳以上~55歳未満 ・離職中もしくは非正規職員 ・正社員の経験が少ない ・週1回の職業相談が可能な方 |
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支援セミナー内容 | ・応募書類の書き方 ・就職活動の進め方のレクチャー ・面接準備のレクチャー ・コミュニケーション方法のレクチャー |
その他 | ・個別企業面談会有り ・職場実習・体験有り |
ハローワークで転職活動をする際には注意点もあります。こちらでチェックして利用するかどうかを決めましょう。
求人サイトに登録する
求人サイトなどを利用して転職活動する方法があります。最近では、ミドル世代に特化した情報サイトもあるので、年齢のミスマッチを避けるためにも活用するといいでしょう。
その他、求人情報誌や新聞の求人欄などからも求人情報が収集できます。
コネクションを利用する
ミドル層ならではの人脈を活かして、仕事を通じて知り合った人だけではなく友人・知人・サークル・出身校の卒業生ネットワークなども活用しましょう。
自分の性格を把握している友人から紹介される求人は、相性のいいものが多い傾向にあります。企業によっては、自社社員から友人の紹介を受ける「リファラル採用」を導入しているところもあります。
転職エージェントを活用する
転職エージェントは、就職情報媒体には紹介されていないような企業情報も把握しています。また、転職コンサルタントが、転職相談者の希望に添った企業の求人を提案してくれるため、転職活動がスムーズに進められます。転職エージェントの40代向けの転職支援内容はこちらの通りです。
転職エージェント ヒューレックスの40代向け転職支援
対象者 | ・離職中・在職中どちらでも可 ・Uターン・Iターン転職希望者歓迎 ・正社員経験のあることが望ましい ・面談は求職者の希望日(土日・夜間も可) |
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支援内容 | ・キャリアカウンセリング ・応募書類作成支援 ・模擬面接 ・希望に合う求人紹介 |
その他 | ・書類選考通過後に企業面接 ・面接日や入社日の日程調整代行 ・年収交渉を代行 |
転職エージェントに登録するとこれらの支援が無料で受けられます。ただし、転職エージェントはより良い企業に内定するために全力で転職サポートをするため、のんびりとマイペースに転職活動ができないと感じる方もいるようです。
メリット・デメリットをしっかりと把握した上で利用するかどうかを決めましょう。
仙台の40代転職のカギはヒューレックス
仙台と40代の転職市場について紹介しました。仙台の転職市場は活気があり、東北6県の中で求人倍率も平均年収もトップクラスの高さを誇ります。「数多くの求人から高収入の仕事を探したい」方にとって仙台はおすすめのエリアと言えるでしょう。
ただし、景気が上を向いて有効求人倍率が上昇傾向であっても、自分にあった転職先を見つけることは容易ではありません。特にミドル世代の採用は、今後の経営戦略に大きく関わる可能性があるので、企業側も慎重になる傾向があります。
50代になると転職は難しくなるので、40代の今がラストチャンスになるかもしれません。ご自身の希望を叶えるためにも、粘り強く転職活動を続けましょう。
転職活動について不安がある方は、転職エージェントのヒューレックスの利用がおすすめです。ヒューレックスは無料で利用できる上に、転職活動をきめ細かくサポートします。
「最後の転職は成功させたい」と考えている40代の方はぜひお気軽にご相談ください。
この記事の監修
神谷 貴宏
愛知県出身。大手証券会社、半導体商社の営業を経て、総合人材サービス会社へ入社。 仙台支店での勤務後、大型派遣案件の企画から運用に従事。その後、会社の中核を担う“正社員”のサポートに携わりたいという思いが強くなり、ヒューレックスの設立に参画する。 17年余りにわたるコンサルタントの経験の中で3,000名を超える方々をサポート。個々人の”キャリア”だけでなく”価値観”を大切にしている。
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