【インタビュー】日本のモノづくりを支える、企業経営者から地方企業の事業部長に
記事掲載日:2020/11/11 取材日:2020/07/16
株式会社ワンテーブルは、東日本大震災の経験から「あのとき、ほんとうに欲しかったもの」を追及し、防災の仕組みづくりや地域再生に取り組む企業です。株式会社ワンテーブルへの転職に成功した、織田源太様との出会いは2020年4月。織田様は企業経営者のキャリアから、地域を支える地方企業の事業責任者へとキャリアチェンジされています。
今回、織田様のこれまでのキャリアの軌跡と、転職の体験談、現在のご活躍などのお話を伺いました。織田様にあらためてご相談当時のことを振り返っていただきながら、転職成功のポイントを探ります。
フィリング事業部部長
織田 源太 様
大学卒業後、大手ハウスメーカー営業からキャリアをスタート。その後監査法人で企業価値評価、デューデリジェンス等を経験。次に外資系3D CAD ソフトウェア企業でセールスオペレーションを担当し、営業戦略立案からCRM導入、インサイドセールスチームの立ち上げに従事。その後は外資系3Dスキャナ企業のカントリーマネージャに就任。そして外資系3Dプリンター企業の代表取締役として日本での業容拡大を手掛けた後、2020年6月より現職。
株式会社ワンテーブル
https://www.onetable.jp/
東日本大震災の経験から、”被災地から未来を豊かにする”経営理念のもと、2016年11月に設立した成長ベンチャー企業。食文化創造事業、備蓄・防災畜事業、BP事業を展開。被災地である宮城から上場することを目指し、日本国内のみならず世界へ力強い復興の発信と現地で奮闘する人々にきっぼうを与えるビジネスに取り組んでいる。
目次
モノづくり支援のキャリアで直面した「モノを買わない価値観」
まずは、これまでのご経歴を教えてください
- 織田様
-
学生の頃からモノづくりのお手伝いがしたいという想いがあり、新卒で大手ハウスメーカーに入社し営業としてキャリアをスタートしました。
そのうち営業以外にも興味が湧き、監査法人に転職。当時はM&A全盛期でコーポレート・ファイナンスの専門チームに加わり、企業の経営全体の数字を見るポジションで勉強しました。いわば経営の成績付けのような仕事の中で、次第に過去を見るだけでなく将来を一緒に考えアクションしていきたいと思うようになりました。
そこで、外資系3D CADソフトウェア企業にセールスオペレーションとして転職しました。そこは営業チームを多方面でサポートするために新設された部署でした。紙データのExcel入力から始まり、マーケット分類や顧客傾向を分析し経営陣に営業戦略を提案する業務になります。今では当たり前になっているCRMやSFAの一歩手前となるものです。チームを統括しながら、インサイドチームの立ち上げからCRM導入、販売チャネルの開拓などに携わりました。
その後はご縁があり、外資系3Dスキャナ企業のカントリーマネージャに就任しました。実は誘ってくれたカントリーマネージャの方が入社3ヶ月後に突然辞めるというアクシデントがありました(笑)。代わりに責任者となり、日本での知名度を上げ年間の売上を10倍に拡大、日本にサポートセンターを立ち上げるまで至りました。
最後は外資系3Dプリンター企業の代表取締役に就任しました。ここでは、販売戦略・戦術を研究し、販売店だけの間接販売に加えて直接販売までチャネルを広げる仕事に尽力しました。
弊社にご相談いただいたきっかけは何でしたか
- 織田様
-
日本は日本のモノづくりを活性化して、外貨を稼がなくてはならないと長年考えていました。だからこそ、3D化を通じてモノづくりの支援に力を注いできましたが、近年モノを買うことが減ってきたと感じています。その変化の中で、このままで良いのかと自問自答するようになりました。代表というポジションにいながら迷いがあってはならないと思い、会社から一旦退いたんです。
そして自分なりに勉強し考える時間を作り、次は何をしようと探していたのですが、これだというものがありませんでした。後継者というキーワードで検索する中で後継者サーチ*というサービスを知り、そこから登録したことがきっかけです。*後継者サーチ:ヒューレックスが提供する後継者不在企業と起業家を結ぶキャリア支援サービス
売り方がわからない中小企業をサポートしたい
どのような企業、ポジションをお探しでしたか
- 織田様
-
これまでは海外の優れた技術を日本に紹介する立場でしたが、その逆で日本の技術を世界に広めていきたいと考えていました。「国内の中小企業で技術はあるけど、売り先がわからない」企業をサポートしたいと思うようになりました。
また、有形商材にこだわっていました。監査法人にて無形商材を扱っていましたが、言い方ひとつで評価が変わってしまうような世界よりも、モノを作り、モノが評価され、その対価を得るほうがわかりやすくて好きですね。
ワンテーブル様に興味を持たれたのはどのような部分ですか
- 織田様
-
商品のストーリー性が強い点です。ワンテーブルは東日本大震災を経験を経て設立された会社です。備蓄・防災畜事業では、「あのとき、本当に欲しかったもの」として水を必要としない備蓄食 LIFE STOCK(ライフストック)を開発・製造・販売しています。LIFE STOCKは電気・水・ガスがなくても食べられる5年間備蓄可能なゼリー飲料です。震災の経験から商品を開発し工場まで立ててしまうその行動力と強い想いに感動しました。
また、モノを買わなくても良い時代で5年間お客様と接点を持ち続けられることに、今後の営業展開の可能性を感じました。
加えて、商品が完成されていて、戦略次第でそのまま海外に展開できる点も魅力でした。まずは国内の目途を立てた上で海外展開にも注力していきたいと考えています。
ご入社されて1ヶ月半経ちました。現在の業務内容を教えていただけますか
- 織田様
-
社内の情報の見える化を急務で取り組んでいます。私が統括しているフィリング工場は2019年5月に竣工されたばかりでデータの共有が未整備でした。工場の生産計画と営業の販売計画の連携を取りながら計画的に出荷する基盤づくりのため、社員全員へ情報をシェアする仕組みを整理しています。効率的かつ経営判断しやすい生産計画をCFOと一緒になって作り上げています。
以前の仕事との違いとしては、私の直下に製造領域があることです。これまでは製造機能を持つ顧客を相手にお手伝いする側でした。その営業経験から万が一、不具合やクレームが発生したとしても柔軟に対応することができます。そういった面でチームに安心感を与えられているかと思います。
一方で、私が見ている営業チームはフルに営業業務を担っているメンバーが不在です。製造と営業を兼任している方や、小さなお子さんがいる方などフルで働けないメンバーで構成されています。何かあったときに影響が出やすい環境ではありますが、私が加わることでチームを守り、働きやすい環境を提供できればと思っています。
企業への想いが強く、企業理解に長けていた
弊社の転職支援サービスを受けた率直な感想を教えてください
弊社ご支援の中で印象的だったエピソードはありますか
- 織田様
-
ワンテーブルの経営に関わる深堀った内容を質問しましたが、岩谷様を通して一つ一つ丁寧にお答えいただきました。転職エージェントに求められるのは、採用企業側の開示してない情報を上手く調整することだと思っています。ただ、それを面倒くさがり遠のいてしまう転職エージェントもいる中で、これだけ質問のやりとりを長くお付き合いただける転職エージェントは少ないと思います。真摯に向き合い対応していただきとても感謝しています。
非常食を日常食にも。新たにお客様との関係性を深めたい
ご入社してどのような変化がありましたか
- 織田様
-
入社にあたり、東京から宮城に引っ越しました。心機一転、新しい生活を楽しんでいます。通勤時、電車に乗る必要もなくなり快適です。もともと宮城にゆかりはありませんでしたが、新型コロナウィルスの影響で社会的に働き方が変わりつつあり、東京で仕事をする必要がなくなってきていると感じていました。ですから、今回ワンテーブルを紹介いただいたときも、「ああ、そういう時期か」と運命を感じました。
現在の職場でやりがいに感じることは何ですか
- 織田様
-
商品がわかりやすく、成り立ちや機能を説明するとお客様からいつも好評価をいただけて嬉しいです。以前の仕事では、製品を納品してから評価を得るまでに時間が掛かりました。それに対し、現在は営業先で「お試しください」と言うと、その場ですぐに商品を食べていただけてその場で「美味しいですね」と言っていただける。この一連の流れを見ることができるのは楽しいです。
今後の目標を教えてください
- 織田様
-
商品を出荷できる状況になった中で新型コロナウィルスの流行がありました。ようやく落ち着きつつあり、今は商流構築に努めています。それから次のフェーズとして日常的にお客様と交流できるスキームを考えています。備蓄食というとネガティブな印象を受けがちですが、LIFE STOCKは見た目も明るく、日常的なシーンでも食べて美味しい商品です。ワンテーブルでは地産地消のフードビジネスを展開しており、レストラン・カフェや食に関するイベントなどに商品を陳列し、直接お客様とのつながりを持てたらと思います。
また、新型コロナウィルス流行の影響で、リモートワークが進み、オフィスを持たなくても良い状況に変化しています。お客様の一つに防災に関心のある企業様がいますが、そもそもオフィスを持たないとなるとご家庭での備蓄が必要になると考えています。現在は備蓄食として箱売りしていますが、これを気軽にご利用いただけるよう小分けにして個人のお客様にお届けし、ご家庭で適切な個数や組み合わせをメーカーとしてご提案していきたいです。
さらに、ワンテーブルでは自治体と連携して防災・備蓄食品の在り方や新しい防災の仕組みを作る取り組みを行っています。私の役目として、災害時にLIFESTOCKを支援物資としてご提供できるよう、すぐに商品を準備できる生産体制を保つ必要があります。そういった面でも、今後日常的な生産状況の見える化を重点的にしつこく取り組んでいきたいと思います。
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